Bahrain
@Aug/'03 Manama, Bahrain


空港の売店にあった大きなピッチャー



ほぼ1年ぶりのバーレンである。 SARS(緊急呼吸器症候群)の影響が未だ醒め切らない香港に降り立つ。 乗り換え便のトランジットゲートで体温チェックを受ける。 SARS過の要にあった土地だと改めて感じる。 乗り換えに4時間程の時間がある。 他の人なさいざ知らず、こんなフリーな無駄な時間がとても好きだ。 異国の片隅(空港)で過ごす自由気ままな時間、至福の時間とも思える。 フードコーナーでドリンクを注文。 この8月に受験する資格試験の参考書に目を通す。 香港が中国に返還されて4年、今でも香港は中国の1国2体制制度の特区となっているが、その間、中国本土での激しい経済成長と商業化で、今や香港も北京も私の目には、然程違いは見出せない。 香港が中国に完全に同化するのも後少しの時間の問題と思われる。 



砂漠の民ベドウインの貴重な栄養・美容食: デーツ



既に勝手の知れた空港。 タクシーで宿舎のHilton Bahrainへ向かう。 インド人で同僚のM氏がシンガポールの仕事を終え、直接マナマ市に来ており、同ホテルに投宿している筈だ。 フロントで彼の部屋を確認する。 同じフロアーだ。 電話でシンガポールでの仕事を労い、明日の予定を確認し合った。 旅の荷を解き階下に下りる。 ロビー脇のコーヒーショップ、いつものテーブルに座りコーヒーをいただきながら、就寝前の一時をくつろぐ。



中近東の代表的デッシュ: キャバブ



3日間の会議を終え帰国する日。 飛行機の時間は、20:50。 ありがたい、時間は十分ある。 早速同僚のM氏と、アラブ風市場、“スーク”に出掛ける。 別にお目当てが有る訳ではないが、市場 "スーク“ の空気が刺激的で面白いのだ。 狭い場所に多くの店が無秩序に群がっている。 西洋の市場とは似ても似つかない特殊な場所である。 やはり私は東洋人なのだとこう言う場所に来ると我がルーツを悟る。 商品もユニークだ。 勿論、本物のゴールドショップや骨董店、香水店もあるが、多くの店には訳のわからない品物を無造作に並べられている。 それらの訳の判らぬ古びた品々を眺め歩くのが何とも、たまらない。 時折買う気もないのに店の主人に品物の得体を聞いたりする。 M氏が、車内等で使用する木の香水・香料を買いたいと言うので、木の香水店に入ってみた。 内部はエアーコンが効いており、夥しい数の香水ビンが壁一面にキチンと整理され、天井迄並んでいる。 体格の良い主人が、カウンターにびっしり並んだ引出の中から、様々な種類の木の香料を出して延々と説明する。 M氏は散々悩んだ末2種類の香水を買った。



夥しい数の香水瓶が並ぶ香水店                 同店のショーウインドウ



午後は、S商社のR氏がドライブに連れて行ってくれると言う。 バーレンは、淡路島程度のアラビア半島に沿う島国である。 対岸のサウジアラビアとは、24kmの1本の橋で結ばれている。 国境は、その橋の真ん中の小さな島にある。 その国境迄行くことにした。 アラビア湾を1本の道が延々と延びる。 20分位で中間点の国境に着いた。 ここには、国境の両側に同じデザインの展望台がある。 早速昇ってみた。 ここは人工的に造られたとは言え、日本には無い地続きの国境である。 国境設備のあるここ人工島から、両サイドに1本の道が海の中に一直線に延びる。 国境の様子が真下に伺える。 今日は大型トラックが数台税関で荷物検査をしている程度。 週末(水、木)になると、サウジ側からバーレンに向かう夥しい乗用車でこの国境は埋まるらしい。 週末には多くの人々がアルコール類の飲めないサウジから、酒の飲めるバーレンにやってくるらしい。 人間の性(さが)に喝采。


 
海面に浮かぶサウジへ延びる1本の道








Aug/'03 林蔵@Manama Bhrain (Updated on 5/Jun/'08)#156

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