死海高級リゾートホテル ムービン・ピック: 淡水プールから死海越しに対岸ウエスト・バンクを望む かってこのような快適豪華な施設は夢だに見なかった 死海、海抜-402m、水深360m、水域750km2 (琵琶湖より少し大きい)、 ミネラル総含有量430億トン、世界一低い水面だ。 世界7不思議の一つに数えられる。 アフリカ東部、南北に延びる大地溝帯の北端に位置する。 数千万年前は、この地は紅海と繋がっていたらしい。 Syrio-African Rift のマントル上昇に伴う地殻変動で二百万年前頃に、紅海との繋がりが切れ内陸湖となった。 その後海水の蒸発が続き、約12,000年前に現在の死海の形が出来上がったと言う。 普通の海水が1リットル中ミネラル含有分は34グラムであるが、死海のミネラル分は1リットル中340gにも及ぶ。 海水より10倍もの高濃度である。 その為、いかなる生物も住めない。 死海と呼ばれる所以である。 含有ミネラルの成分も海水の成分とは大きく異なる。 海水のミネラルの殆どは塩化ナトリウムであるが、死海のミネラルは、塩化マグネシュウムや塩化カリウムと言った成分が殆どで、逆に塩化ナトリウム成分は極めて少ないのが特徴。 このミネラル成分はヨルダン川の水が運んできたものではなく、東部に湧き出る温泉からのものらしい。 自然資源の乏しい当国では、このミネラルは将に天の恵みだろうか。 大規模のカリウム精製工場が死海南端部に操業している。 年間生産量2百万トン、その内90%以上が諸外国に輸出され、貴重な外貨獲得源の一つに違いない。
ムービンピックのロビーから、プライベートへ続く大理石を敷き詰めた半地下出口 荒涼な外の景色からは想像もできない豪華さである 死海東岸沿いに、南に延びる道を小一時間走ると、湖中央に突き出た半島が見え、それは湖の南端に来たことを告げる。 カリウム精製工場の巨大な建造物が明らかに人工建造物と判る姿を、見渡す限り岩山と死海の境に見せ始める。 死海の天候はカリウム精製の為死海の水を天日濃縮するには将に打って付けと言えよう。 年間高温低湿度であるのに加え、晴天日が年間300日以上ある。 ヨルダン政府から操業許可を得た大規模工場が120km2に及ぶ天日乾燥池を擁し24時間体制で、年間200万トンの高品質な塩化カリウムを生産している。 此処はイスラエルと国境を接しており、乾燥池の西側は、ミネラル分凝固後の排水路となっているが、同時に国境の干渉地帯にもなっている。
イスラエル側にも同様の精製設備があり、雨上がりの激流の川の如く排水を同じ排水路に流し込んでいる。
今年(2005年)の5月に死海リゾートで世界経済フォーラムが開かれた。 死海の水位低下防止は重要なテーマの一つであった。 水位低下防止に関する研究は既に進んでおり、地中海、或いは紅海の海水を流し込む案が最も有力だろう。 たかが海水を流し込むだけと思うが、その実行には甚大な費用と膨大な環境アセスメント調査が必要な上に、デリケートな国際湖であることが、その実行を難しくしているらしい。 ともあれ、今回の世界経済フォーラムで、紅海の海水を流し込む計画に対しフィージビリテイー・スタデー費用が
具体的に出されたのは初めてのケースで、評価すべきか。 特製のハーベスターが(作業船)昼夜休み無く働く 凝固したミネラル分を水分と一緒に吸い込みパイプラインで精製工場へ送られる Mt. Neboから標高差1300mを死海へ駆け下る道 22/Aug/'05 林蔵@Dead Sea Jordan (Updated on 1/Aug/'08)#208 |
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