ジャバル・ハッシュの奇岩ワジ(枯れ谷)を歩く 2度目のワジ・ラムである。 昨年の5月以来ほぼ1年ぶりだ。 ワジ・ラムは、ヨルダンでワジ(枯れ谷)、砂漠、岩山の自然が最も美しく見える場所だと言われる。 何度訪れても飽きることは無い。 季節、時間により、その景観は様々に変貌する。 前回はジープ・ツアーがメインであったが、今回は登山(と言う程本格的では無いが。 山歩きと言ったほうが適当であろうか。)に挑戦である。 前回と同じ先輩ボランテイアのFさんの引率だ。 Fさんは実に2年間に数十回に及ぶ引率小旅行を企画実行している。 正にボランテイアの中のボランテイアと言える存在である。 本当にありがたく思う。 今回も車4台、18人の大勢のパーテイだ。 シニアー、海外青年協力隊混合チームの年齢層は広い。 アンマンの事務所前を6時に出発、途中デザート・ハイウエーのSAで休憩を取り、ワジ・ラム・ゲートには9時45分に到着した。 前回訪問時ゲートは工事中だったが、既に立派に完成している。 入場料1JD(ヨルダン外務省発行の政府ボランテイア証明書を見せると、
ローカルの人と同じ料金で入場できる特権をフルに活用させて頂く。)を支払いゲートをくぐる。 ワデイ・ラム ゲートの看板 ゲートを潜り、2kmくらい保護区域内の舗装したドライブ・ウエーを進むと、昨年昼食を取ったレスト・ハウスに辿り着く。 Fさんが予約してあったガイドが、ジープを揃えて待っていた。 10分間のトイレ休憩の後、午前10時、ジープ2台とランド・クルーザー1台に分乗し砂漠に向かう。 ガイドは若いが国際ガイド・ライセンスを持ったロック・クライミング専門のガイドだ。 このクラスになるとガイド料金も並ではない。 高度な技と知識がが必要な専門職なのである。 私は丁度ガイドが運転するランドクルーザーの助手席に乗せて頂いた。 彼は、この6月には結婚すると嬉しそうに話していた。 結納金の半分は既に払い込んであり、後残りの半分を今月払い込むそうだ。 この結納金はもし離婚した場合の慰謝料にもなるやと聞いている。 コーランの教えにはこのような現実的な事まで細かく及んでいるらしい。 こちらの結婚の条件は結納金を支払うことと新居を準備するのが最低限らしい。 結納金も新居も此方の人に取っては大変な大金の筈である。 多くは親や親戚のヘルプ無しにはまかなえないのではないだろうか。 このガイドは高額のガイド料を稼いでいるので、どうも自前らしいが、これはむしろ例外ではないだろうかと勘ぐる。 新居はワジ・ラムの保護区内にあるベドウイン村の一角に建てたと言っていた。 費用は、家具別で1万JD(150万円)程度だと言う。 こちらの人々の平均給料が200JDから300JDだから、これは大変な大金になる。
ジャバル・ハッシュへの登山が始まる
13:45、 ジャバル・アッシュの一つの頂上に到着。 眺望が素晴らしい。 腕時計の高度計は1、575mを示している。 上り口で1350mを示していたから、225mしか登っていないことになる。 それでも見渡す眺望は素晴らしい。 眺望を楽しんだ後は昼食休憩地点を目指して下りだ。 急峻な岩の割れ目を一気に、足を踏み外さないよう、石片を落とさないように慎重に下る。 岩の割れ目を降りると谷底は平坦な砂盆地のようになっている。 日陰が無く、容赦なく照りつける太陽は地面の温度をどんどん上げる。 映画、「アラビアのロレンス」を思い出す。 暑いのである。
途中、自然が作った造形美、ウンム・フルートの石橋に寄る。 ここはメインの観光コースにも入っており、他のグループが2組既に石橋登りを楽しんでいた。 グループの一員に話しかけてみるとこちらもフランスからのグループだと言う。 荒々しいヨルダンの自然は実に素晴らしいと言っていた。 ウンム・フルートのロックブリッジ、 ロックブリッジを下る。 17:45、 今夜泊まるテントに到着した。 この辺りはサンセット・ポイントとして絶好の場所で、よく見るとあちこちの岩陰に黒いテントが見える。 それぞれのデザート・キャンプ・オペレーターの観光用ベドウイン・テントである。 それらのテントは近くに見えても、人影は小さく個別認識はできない。 砂漠は近くに見えてもかなり遠いのである。 今日は空気が澄んで居て、夕焼けは見られそうにない。 真っ赤に染まる夕焼けは水蒸気や雲がないと見えないのである。 ガイドの仲間(多分兄弟)が我々の夕食をテントで準備している。 日もとっぷり暮れた頃、夕食の準備ができた。 テントの中央に設けられたファイヤー・プレイスにアルミ・フォイルで包んだ、鶏と野菜の蒸し焼き料理が旨そうな匂いをテント内外に放つ。 甘い紅茶と野菜煮込みご飯が出る。 旨い。 ほの暗い、石油ランプの下で山歩き後の食事を楽しむ。
テントサイトから見る雄大に立ちはだかるジャバル・カッタール 岩の壁は実に700mもの高さがある 映画「アラビアのロレンス」でお馴染みのレストハウスから見る Seven Pillars of Wisdom 21-22/Apr/'05 林蔵@ Wadi Rum Jordan (Updated on 20/Jul/'08)#197 |
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