アメリカ Brewster
@Jun/'01 Brester USA


Brewster の農具店


ドイツ Usingenの仕事場から、日本経由でアメリカ Brewsterサイトへ移動。 日本では2日間のストップオーバー。 日本での初日は、ロンドンのプロジェク・トオフィスに駐在しているKマネージャーとのテレコンと、Nタイガーチーム・メンバーとの最終打合せを行う。 2日目は2月からの出張精算とこれから3ヶ月の出張申請をし、その期間の外貨を受領。 かなりきわどいスケジュールであったが何とか全ての予定をクリアーして、成田からAA26便に乗りこんだ。

家では猫が2匹増え3匹になっていた。 増えたのは、“ねず”(ねずみ色)と“白黒”。 何れも外で餌を与えている。 元々飼い猫であったかもしれないが今は野等猫、酷く汚い。 “ねず”は後ろ足の片方がビッコで、歩く度に足のすねの部分を地面に擦って歩く為、すねの擦り傷が直らないらしい。 それでも余り痩せていないので少し安心。 (後日、近所の動物ボランテイア‐の人が引き取り、病院へ連れて行ったらしい。) “白黒”の姿は今回の短い日本滞在では見られなかった。

AAのチェック・インは成田のターミナル1北ウイングだ。 ターミナル1は、長い改修工事がやっと終り以前よりかなり広くなった感じ。 出発ロビーの待ち合い場には、PCの端末デスクも準備されている(デスクと電源は有るが、 アナログ電話線は無い。) AAのチェックインでは緊急連絡先を確認された。 預ける荷物にネームタグがあることも確認される。 預けたリュックにはネームタグがなかったのでその場で付けさされた。 ボーデイングはグループ別だ。  私はグループ2、日本 - アメリカ間は飛行時間が12時間以内なのでクラスはエコノミー。 いつもの窓側の席であるが、機の一番後ろの方で騒音のうるさい場所だ。 Seattle 迄は飛行時間7時間半。 16:55成田を出るが、日付け変更線を通過するので、Seattle には、同日の朝方到着する。

AA便はシアトルタコマ空港には South Wing に到着する。 Immigration がムチャクチャ混んでいる。 Immigration を通過するのに1時間半。 それにしても英語が話せない客が多い。 そこは遠い昔から移民で成り立つ国だ、対策はかなりしっかりしている。 専用の日系女性係員2名が全員の書類を Immigration Officer のブース前で予め確認している。 英語が話せないのは日本人とは限らない。 韓国人、マレーシヤ人等等。 Immigration を通過するには、帰りの航空券とシアトルに泊まる場合はその住所が必ず必要だ。 ようやく Immigration を抜け Baggage クレームに進む。 Immigration で時間が掛かったお陰で、荷物は既にターンテーブルに出てきており直ぐに回収できた。 Customs Officer から簡単な質問を受け、それに月並みに答えたら、Good English と言われた。 私の英語でもそんな風に言われる程、多くの入国者は酷い英語、或いは英語が殆ど話せないのだ。 ここから Horizon Air の出発するCゲート迄は専用バスで移動する。 見覚えのあるCゲートに着いた。 まだ出発(14:20)迄かなり時間がある。 一旦外に出てTCをキャッシュに替える。 500ドル交換し13ドルの手数料を取られる。 Wenatchee 行きの飛行機に乗り込む前に空港内のレストラン Samuel & Adams で Submarine Sandwich にコーヒーを注文。 $9.27 ポテトサラダにグリーンサラダも付いていて、ハムとチーズを3重に挟んだ如何にもアメリカ風超カロリー過多のサンドイッチだ。 それでも貧乏な育ち、残さず食べた。



ロンビア川に沿って走る国道R97号 



Wenatchee Pangborn空港
シアトルとウエナッチを結ぶホライゾン社の小型ジェット


ホライゾン航空のプロペラ機で40分、Wenatchee に到着。 予め予約を入れて貰ってあった Hertz で車を受け取る。 人口数万人の地方都市の空港である。 空港ビル前の車寄せは数台の車が止まっているだけで、別段混んだ様子はない。 我々のような当国での運転に慣れない外国人にとっては大変ありがたい。 左ハンドル車の運転席に身を沈め交通量の少ない広い空港道を走り出す。 空港道から一般道に出る頃には既に左ハンドル車の運転感覚が戻ってきているのを体で感じる。 所々ダムでせき止められ長い池のような様子を呈するコロンビア川に沿ってアップダウンの少ない田舎道とも言える国道97号を北上する。 前回も感じたが、アメリカの道は全てフリーウエー(無料)なので大きなキャンピングカーを引っ張って移動する人が多い。 ヨーロッパに比べてキャンピングカーのサイズが2倍位はあろうか。 中にはキャンピングカーが余りに大きく、普段の車をキャンピングカーの後ろに連結して牽引しているのをかなり見かける。 キャンピングカーの後ろに牽引している普段の車とて、我々の感覚からすると大型の乗用車、或いはピックアップトラックなのだ。 約1時間のドライブで Brewster に到着。 今回の宿も前回と同じ Apple Avenue Motel だ。 国道沿いの街外れにある小さな木造2階建のモーテル。 トップ・シーズンなので料金が前より高くなっている。



ブリュースターにある数少ないサンドイッチ・レストラン: 昼は此処かマックで取ることが多い



サイトのオーナーは以前と変わっていた。 USEIで はなく、VERESTAR になっている。 業界のM&Aの激しさを感じる。 オーナーは変わっても中で働くスタッフは以前と何ら変わらない。 局長以下、技術者、庭師に至る迄全て顔馴染みだ。 サイトへ入る専用道も “66C USEI Drive” から “66C Verestar Drive”に代わっていた。 局舎内の Verestar に関する説明書きを見ていると、あのスイスの Leuk地球局も今は Verestar の所有物と判明する。  そう言えば数年前、スイスPTT に居た私の長年の友人 S氏が口惜しそうに、 「Leuk の局もアメリカの通信会社に売却されてしまった。」と、語っていたのを思い出す。 私にとってもスイスの Leuk局は特に多くの思い出があり、 また手塩に掛けた局でもあったので感慨一塩の思いがある。 あの地球局も今は、このブリュースター局も所有する米国会社の手中にあるとは、業界の狭さと人生の因果を感じ少し複雑な気分である。 サイトの脇の牧場に住んでいた前オーナーは家を畳んで何処か南の島へ行ってしまったらしい。 馬小屋もランチ風住居も跡形も無く解体され牧場のみが残っていた。 サイトでいつも寝そべっていた大きな白い犬の姿も今は無い。 一緒に引っ越してしまったのだろうか。



ブリュースターからコロンビア川をほんの10km程度下った場所、
川幅が急に広くなった川岸にあるガソリンスタンド、売店を兼ねたリバーサイドレストラン


毎日メキシカン料理では飽きるので、車で一時間ばかり西に位置する、細長い湖の辺に開けたリゾート地 Cheran の Campbell へ食事に行った。 昨年来た時バーは酷く混んでいてサロンの方へ廻されたが、今日は陽気が良いのでテラスが満席。 バーの中は比較的空いている。 バーは重厚な木のテーブルに、インテリアがとてもくつろげる感じでお気に入り。 壁には “To fit into society, one must go to church or the Pub.” とある。 教会と居酒屋は切手も切れない相性が良いものらしい。 バーにはカウンターの上と反対側の天井の隅に大きなTVセットが2台あり、 シアトルマリナーズの試合が中継されていた。 この手のバーをスポーツ・バーと呼ぶらしい。 このCampbell のスポーツバーは流石高級リゾートホテルのレストランに付随するもので調度品も格式があり落ち着いている。 そう言えばシアトルマリナーズには、最近の人気投票で全米1になったイチローがいる。 隣のおじさん二人組みは、揃ってマリナーズの帽子をかぶり、ビールとワインを楽しみながら観戦している。 共にかなり熱狂的なマリナーズのファンらしい。 時々年甲斐もなく奇声が飛び出る。 C氏は食事の前の飲み物にビールを注文した。 すると、メキシカン系の若いウエートレスが、“ID please.”と言ってきた。 生憎、彼は Passport も写真付きの免許証も持っていなかった。 残念ながらビールはお預けとなった。 日本人は年嵩が若く見えるので、こう言う事態が発生するのである。  あのウエートレスには、C氏は未だ未成年だと見えたのだろう。



チラン湖畔に佇むリゾート・ホテルCampbell
レストランは木が基調で大変シック



Brewster は、コロンビア川にオカノガン川が合流する少し下流の平地に開けたりんごの集収地。 Dole や MAGI の所有する巨大なりんご貯蔵倉庫が国道97号添いに立ち並ぶ。 16輪の大型りんご輸送トレーラーが、倉庫に直着出来るようになっている。 りんごの収穫時には、多くのメキシコ系労働者が活躍する。 そんな訳か普段からメキシコ系の人々が多い。 通りの標識もスペイン語で書かれている。 村にはメキシカン・レストラン一軒と、マックが一軒しか無いとは Brewster の定番であった。 が、今回サンドイッチ屋を一軒新たにリストに加えることができた。



仕事場のアンテナ群: 太陽が赤いのは、当時大規模なウエナッチ山火事の為、
太陽を隠しているのは雲ではなく、山火事の煙






17/Jun/'01 林蔵 @Brewster USA (Updated on 17/Feb/'08)#058

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