シアトルの豚
@Sep/'01 Seattle USA


シアトルの豚


アメリカ西海岸、美しいリアス式海岸に深く切りこむ湾と織りなす半島のシルエットが映える。 マイクロソフトやボーイング等の先端技術産業の盛んな街でもあるシアトル。 イチロウはシアトルマリナーズですっかり全米の人気プレーヤーになっている。 滞在先の Brewster も同州(ワシントン州)にある。 フリーウエー2号線、或いは90号線でカスケード山脈を超え、シアトルには2-3時間で簡単に来ることができる。




Cascade山脈に入る手前のリゾート街 Libenworth
私はこの町をスイス村と呼ぶ、サイン等は全てドイツ語だ



Brewster はアメリカの代表的な田舎町であるが、シアトルはアメリカ的な大都会。 休日を利用して何度か訪れた。 さすが車社会。 パーキングは至るところにあり、簡単に停められる。 料金の支払い方が面白い。 係員は殆どのパーキングに居ない。 パーキングの片隅に投票箱のようなものがある。 2時間5ドルとか書いてある。 料金箱には番号がずらりと並び、それぞれの番号の上に小さな穴がある。 料金は紙幣を小さく丸めてこの穴から挿し込むのだ。 全くの自己申告制、ヨーロッパの乗り物と同じ感覚である。 日本では恐らく普及しないであろう。 一般的に日本人は欧米人にくらべ、約束を守る意識が低いのではないかと思う。 電車のキセル、皆さん身に覚えはないだろうか。 欧米人は誰も見ていなくても、自分達で決めたことはかなり真面目に遵守しているように思う。 スピード違反もしかりである。 米国の田舎道、広い通りだが時速25マイルでのろのろ走る大きな乗用車をよく見かける。 ハイウエーは、60マイルで淡々と走る。 これは契約社会とナーナー社会の違いであろうか。



シアトルの海岸通り: スタバ1号店はこの市場通りにある


海岸通りのスターバックスコーヒー1号店の店番号1


海岸通りにて


海岸通りの市場界隈を歩くのが好きだ。 ごみごみしていて、生活感が濃く漂っていてとても居心地が良い。 いかがわしい店もある。 人間の性(さが)はどうしようも無いものらしい。 そんな店には進んで入ろうとも思わないが、そのような店があるほうが、街がしっくり見えるから面白い。 海岸通りには人間ミイラや南米の shrinked head(縮小人頭)等を売っている店もある。 今は世界各地に躍進中のスターバックスコーヒー1号店もこの海岸通りの市場街中ほどに、その小さな店舗がある。 早速入ってみた。 やはり日本人の若い女性が多い。  世界の有名観光ポイントは殆ど日本人の若い女性に占領されている様子だ。 このパワーを持って日本の控え目なマナーと伝統文化を、世界に広めてくれると凄いなーと思ったりする。



スターバックスコーヒー1号店の前で
店先の軒の上にもコーヒー袋から出てきた豚が



そうだ、豚の話である。 先日、ヨーロッパの小国ルクセンブルグを訪れたら、そこは”牛”だらけであった。 インドの ”牛”とは多少違う趣であったが。 街角の至る所にカラフルな実物大の ”牛”彫刻が散乱しているのだ。 その意味は短い数時間の滞在では、ついぞ知りえなかったが。 今度行ったら是非その意味を正してみたい。 ここ、シアトルでは、それが ”豚なのだ。 その数は実におびただしい。 様々な色、模様、装束でたむろする。 シアトルの ”豚” の由縁もわからずじまい。 あれはいったい何なのだろう。 意味は分からなくとも何か強い街のアイデンテイテイを感じるのであるが。



市場: 魚屋では威勢よい掛け声で売りさばかれるのは何処も同じ
ここのフィッシュマーケットでは魚さばき職人が大声を上げながら魚を遠くまで投げるので有名



海岸通りの市場: カラフルな野菜が豊富に陳列されている




歩き回っていると腹が減った。 気の利いたレストランを探す。 いざ探すとなかなか見つからない。 それとなく入ったイタリア料理店。 これが大当たり。 入った1階席は普通のレストランだったが、螺旋階段を昇り2階席に行くと広い空間の全体が吹きぬけの高い天井。 席はテーブル毎に適度なパーテイションで区切られていて少し高級な感じがする。 せっかくだからワインを含め、フルコースにした。 ワインに少しうるさい同僚の ”T”氏がホストテーストを行う。 うまいワインとパスタを楽しんだ後、ウエートレスに ”Thank You” と月並みなお礼を言ったら思わぬ返事が返ってきた。 ”Absolutely”、随分気取った純英国風の返事だ。 アメリカでこんな英語を聞くとは予想しなかっただけに新鮮な驚きであった。




   

 
シアトルの豚達


エリオットベイの波止場



2/Sep/'01 林蔵@Seattle USA (Updatede on 13/Feb/'08)#053

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