エリザベス・サンダースホーム @Dec/'11 大磯, 神奈川 大磯駅前にあるエリザベス・サンダースホーム 師走も押し迫った12月のある日、仕事のシフトが空き、久しぶりの湘南ランニングにやってきた。 湘南でのランニングはいつも花水橋から東に向かう。 今日は反対側、西に向かって走ろう。 花水橋は今丁度、国道134号線の4車線化工事が始まっている。 来年の6月には工事が完成し4車線道路がお目見えするらしい。 橋のたもとにある無料駐車場が少し狭くなっていたが朝早い時間なので駐車には問題ない.。 車の後部ハッチを開け素早くランニングウアーに着替える。 海岸沿いの堤防を西に向かってランニング開始。 天候の崩れはなさそうだが、少し厚めの雲が上空にかかり陽光は望めそうにない。 気温は6~7度、北風が冷たい。 身体が温まる迄、往路は大磯の街中を走ろう。 大磯漁港と併設する大磯ビーチ: 日本最初の海水浴場との看板があった JR大磯駅前に三菱財閥の創始者岩崎弥太郎の孫娘である岩崎美喜が財産税の物納として没収されていた岩崎家大磯別邸を募金集めで買い取り、大戦後、主に進駐軍との混血私児、或いは強姦や自由恋愛等で行き場を失った孤児を救済したエリザベス・サンダースホームがある。 戦後60年の歳月が過ぎその佇まいは樹木の生育と共に重厚さと優しさをかもし出している。 だがその成り立ちの歴史は重い。 今この平和で恵まれた社会に身を置き、数えきれない多くの祖先の方々がになった苦労や努力に敬意を表すと共に深い感謝の念を持たずには居られない。 駅前のウエルカムアーチ 大磯は東京に近く温暖な気候と風光明媚な地形で、江戸の昔から高級別荘地として需要が絶えず、文化人や政治家のゆかりが高い。 街を歩くと洒落たカフェやパテイスリーに出会う。 島崎藤村邸や吉田茂の別荘がその姿をさりげなく街の風景に溶け込ませている。 洒落たカフェの軒先には昔から地域のコミュニテイーで使われていた雁の井が今もその機能を果たしていることが説明看板に記してあった。 大磯ロングビーチ(プリンスホテル)で折り返し、復路は海岸沿いの自転車道を戻る。 晴れていれば紺碧に輝く相模湾を右手に見ながら走れるのだが、あいにく上空には冬空の重く冷たい雲が立ち込めている。 北風がやや強く気温は朝からあまり上がっていない。 洒落たカフェ: さざれ石 その軒先には雁の井 島崎藤村邸 血洗川: 源頼朝が八幡宮に参拝した際、狼藉をはたらいたものがおり梶原景時の子悪太郎景義が疑いを受け お参りにきた際、畠山重忠に打たれるが、地蔵に帰依していた悪太郎に傷は無く、代わりに地蔵が刀傷を負ったように血を流していた その血を洗い流したことより血洗川の名がついたと言われる 大磯漁港を走りすぎる時だった。 めしや大磯港の看板が漁港入り口に立てかけてあるのを発見。 看板には準備中のカードが貼ってある。 時刻は10時半、恐らく11時頃にはオープンするのだろうか。 今日はここで昼食を取ろう。 めしやは漁師向けの食堂だが一般にも開放していて誰でも利用できる。 たしかその日取れた魚だけを使って料理を出すお店だと何かで聞いたことがる。 その味を試してみよう。 相模湾: 重く冷たい冬の雲が垂れ陽光をさえぎる 今も残る国道一号線沿いの東海道松並木 その多くが松食い虫の犠牲になり昔ながらの松並木は細る一方だ 周囲4.3mの黒松 花水橋の駐車場に戻り着替えを済ませ、大磯漁港に向かう。 花水橋からは目と鼻の先だ。 漁港の駐車場に車を止め、波止場に降りる。 既に数台の車の客がめしや大磯港の前でたむろしている。 めしや大磯港の案内人(漁師の方だろう)らしき人が何やら説明している。 開店は11時30分だと言う。 後30分程度ある。 手には手作りの小さなカードを持っている。 これが注文書らしい。 めしや大磯港の前の道路中央部には置き看板が出ていて本日のメニューが手書きで書かれている。 メニューはその日に揚がった魚の種類によって毎日変わるそうだ。 看板メニューを見るとメニューは4種類、それぞれ準備できる皿数を記してある。 流石に漁港のめしやだ。 その日に取れた分しか出さないのだ。 花アマダイの煮付けを注文することにした。 花アマダイのカードをもらって寒風吹きすさぶ港の波止場で待つこと20分、気持ち前倒しで11時30分少し前に店のドアーを開けてくれた。 料理は意外に早く出てきた。 メインは花アマダイだが、刺身と鯵のフライ、そしてきゅうりとわらびの漬物に味噌汁が付く。 結構ボリューム満点だ。 これももともと厳しい荒仕事をこなす漁師の為のメニューだからうなずける。 味は? 旨い。 特に刺身の切れの大きさと新鮮さ、鯵の天麩羅の味もこれまで食べたどの鯵の天麩羅ともまるで違う。 これはいつか家族も連れてくる場所が発見できたと一人気を良くする。 大磯海岸: 湘南バイパスの橋げたにビーチ美化運動の一環で描かれたアート作品
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