日立さくらロードレース

@Apr/'12 日立, 茨城


JR日立駅前駐車場脇の蒸気タービンオブジェ


今年の冬は寒かった。 その分春がとても待ち遠しい気持ちを抱いていたのは私だけではなく、多くの同胞、そして東日本の方々ではなかっただろうか。 楽しみにしていた日立さくらロードレースの日がやってきた。 ネットでエントリーしてあった。 会場に向かう途中、水戸にお住まいのJICAボランテイア時代の友人にもお会いしたい。 昨年の3.11東日本大震災から復興もままならぬ地域にも近い。 東日本との縁、絆を少しでも持てたらと思う気持ちもあって、日立さくらロードレースに気が向いたのである。 第12回目だと案内書にあった。 そして全国からの参加者は1万4千742人にもなることを知り、最近のマラソンブームに多少の驚きを感じ、健康的なイベントに参加する善男善女、同胞ともいえようか、の多さに感動さえする。 今回は前回、昨年11月、の大府市健康マラソンと同じカテゴリーの10kmにエントリーした。 甲状腺機能亢進症で4年のブランクの後のランニング再開中である。 それに歳にも逆らえない。 この程度が丁度良い。 先ずは走ることができる体力に、そして走ることができる境遇にあることをありがたく思い、家族と社会に感謝。
 




那珂川の河口、那珂湊港手前に架かる開門橋
蒼い海に赤く映える



ロードレースは日曜日に開催されるがこの移動距離になると、当日の移動はきつい。 土曜日から出かけ、会場に比較的近い大洗の簡保の宿に泊まることにした。 簡保の宿なら食事は夕も朝もばっちり、そして温泉大浴場付で、広いロビーもある。 ビジネスホテルに泊まって外食をするのと同程度の費用で、はるかに広い設備でゆったりくつろげると言うもの。 休日の高速道路ETC割引をフルに使って早速移動開始。 中央道の稲城大橋が一番近いインターだが、中央道を少ししか乗らないのに料金を払うのも癪にさわる。 国道20号を少し走って高井戸インターで首都高速に乗る。 新宿で左手にハンドルを切り、長い長いトンネル、山手トンネルに入る。 トンネルを走るのはあまり好きではないが、多摩から東北、常磐道に抜けるには、この長いトンネルで都心を潜るのがどうも一番早いと言うのが、私の乏しい経験から学んだことである。 それでもトンネルを出て、常磐道に繋がる小菅ジャンクション迄は毎回やや渋滞気味でのろのろ運転が続くことが多い。 今日もそんな調子だ。 それでも車の列は完全に止まることなく流れるので気分はさほど悪くない。 小菅ジャンクションを過ぎれば、高速道路の恩恵をフルに受ける運転を満喫できる。 快適な走りを楽しむことができる。 今回はバイクが故障中で四輪車での移動だ。 U-Car で手に入れたメルセデスBクラスだが私のような年配のへっぴり腰ドライバーには申し分ない走りを供してくれる。 常磐道に入って最初のSA、守谷SAに滑り込む。 スタバが入っている。 カプチーノを入れていただいた。 犬専用のプレイグランドでは、狭い車内から解放された犬達が嬉しそうに駆け回っている。 急ぐ旅ではない。 ゆっくり珈琲を楽しみ、やおら再び本線へ駆り出す。 JICA時代の友人宅には友部ジャンクションで北関東道を東北道方面(左側)に向かわなければならない。 実はその友人には、未だ今日の訪問を告げて居なかったのである。 守谷SAを出る前に電話を入れた。 懐かしい友人の声が携帯の耳元に聞こえる。 これから向かうことを告げると、友は私の突然の訪問にも関わらず即座に快諾してくださった。 ナビの案内のおかげで友人宅には迷うことなく午後2時前に着いた。 私より一回り程御年配の方だが、私など顔負けする程、好奇心旺盛、記憶力抜群、頭脳明晰で矍鑠とされている。 そんな友人に会う度に勇気と希望を授かる気がする。 奥様の暖かいおもてなしに甘んじて楽しい時間と会話を過ごさせて頂き、ようやく重い腰を上げ今夜の宿である簡保の宿大洗へ向け走り出した。 心置きなく他愛のない話をできる時間が持てる喜びに、そして心のこもった友人御夫婦のおもてなしに感謝しつつ。




ロードレース会場
大勢のボランテイアの方々が大会の運営を支えてくれる



簡保の宿大洗、2年前の5月にもJICA時代の仲間たちと利用した宿だ。 那珂川が太平洋に注ぎ込む河口岸の高台に立地する抜群の地の利を得る。 河口と海が溶け合う景観と漁港那珂湊、その手前に赤く映える那珂川を跨ぐ開門橋が映える景観を眼前に楽しむことができる。 夕食には十分時間の余裕をもってチェックインした。 一人なので洋室をリザーブしてあった。 海外での生活が長いせいもあり、ベッドで寝るほうがくつろげる感じがするのである。 夕食は6時半にロビー階のレストランで頂くことにする。 駐車場に止まっている車の数から施設は満室近い利用率が伺える。 定刻にレストランに行ってみると、成るほど家族客やプチ団体のお客様が大勢夫々の時間を楽しんでいる様子。 料理はコースで波の華を頼んであった。 豪華ではないが新鮮な食材に一流の調理人の伎が伺える。 味音痴の私だから、その料理を語ることはまったくできないが。 酒類を嗜まない私は、コース料理を一度に全部出して頂いた。 ドリンクはウーロン茶。 周囲の人々の楽しい会話を小耳にしながら、明日のレースをイメージしゆっくり食事を頂く。 ひとりだが美味しい食事を満足に頂けることを、そしてそんな我儘を支えてくださる多くの人々に感謝。
翌朝はいつもの時間6時起床。 出発の準備を済ませ、チェックアウトも済ませて、7時からの朝食をいただく為にレストランへ向かう。 ロードレースの受付は8時開始でレーススタートは9時5分だから、朝はあまり時間の余裕がない。 7時からのバイキング朝食をゆっくりではないが十分に頂き、そくさくと駐車場へ向かう。 JR日立駅をナビの目的地にセット、さー出発しよう。 国道6号を真直ぐ北上するだけだ。 幸い道は混んではいない。 これなら十分余裕をもって目的地に着くに違いない。




ロードレース開会式会場



今回の大会のタイトルは日立さくらロードレース
駅前の桜並木の桜は今年の冬の寒さで未だ殆ど咲いていない
その代わりではないがこの女性たちのコスチューム、実に華やか、レースの名にはまること100%


日立市は同名の企業の城下町だ。 駅前広場には大きな蒸気タービンの実物がオブジェとして展示されている。 日本の高い技術力を印象付けるオブジェだ。 技術者の片割れである筆者にはこの種のオブジェにはめっきり弱い。 大袈裟であるが身体が震える程の感動さえ覚える。 駐車スペースを心配していたが、駅前に広いコインパーキングが完備されているのを見て胸を撫で下ろす。 ロードレースの案内書に注意が促されていたせいか、参加者は極少数の例外を除いて電車等を利用して会場にやって来ているようだ。 極例外の一人が筆者であるのだが。 駅前のコインパーキングには数台の車しか停められていない。 コインパーキングにB200を停める。 その場でランパン、ランシャツに着替え、駅前広場の会場へ向かう。 寒い、気温は9.5度。 既に多くのボランテイア達がイベントスタッフとして大勢の参加者の便宜を図ってくれている。 夫々のサイズに合った参加賞の配布、会場案内、飲み物や食べ物の無料配布、開会式の準備等。 大会を支えてくれる多くのボランテイアや運営関係者のひたむきなサービス精神に、努力に感謝。 



レース、スタート
14、742人のランナーが一斉に走り出した


スタートは駅前の桜並木通りである。 広い一直線の桜並木通りの両側に並ぶ桜の大木は、今年の遅い春の気候で未だ蕾を枝に湛え、残念ながら殆ど開花していない。 スタート5分前、多くのランナーが桜並木の下にやってくる。 東北に近いせいもあり、昨年の3.11台震災から復興途中の街々から熱い願いを胸に抱いて参加している方々も私の前や後ろのお見かけする。 そして毎回走りを楽しくさせてくれる女性ランナー達の超派手なコスチューム。 今回はさくらロードレースにちなんだピンクの桜色のかつらに赤いさくらんぼのペンダントのようなものをちりばめた女性グループが際立っていた。 彼女たちは実に楽しく陽気に振舞いレースを盛り上げてくれる。 走るペースが私と同程度であったせいで、私はこのさくらかつら群の前後を走っていたことになる。 10kmコースはスタートした後、海に張り出した国道6号バイパスを走る。 気温は9.5度と低めだが、碧い海原からの潮風を受けながら走るのは気分爽快。 この市民マラソンの走るペースは実に私向きであり大変ありがたい。 美しい日本の国土をめでながら走る幸せを多くの人々と共有できるに感謝。




駅前の桜並木通りをスタートした後、太平洋に張り出した国道6号のバイパスを走る、
景観は抜群、気分は爽快




海の上の6号バイパスを走り終えると折り返し点が待っている



開会式会場の手前がゴール点だ、
今回も無事完走できた、記録は1h2m27s




開会式、閉会式会場でその場でプリントされる完走証をいただく
ラッキー賞(絵葉書セット)が当たった























林蔵@日立 茨城 8/Apr/'12 (Updated on 19/Aug/'12)#415
  

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