霞ヶ浦マラソン
@Apr/'00 土浦 茨城



メイングランドで開会式準備


JR土浦駅から歩いて5分。 会場は川口運動公園陸上競技場である。 霞ヶ浦のヨットハーバーに併設された運動公園で、アクセスのすこぶる良いところだ。 4月と言えば走るには時期は最高なので、この大会には都合の付く限り参加している。 今回のゼッケンは10225番だ。 参加者の数の多さがこの大会の人気を物語っている。 この大会は国際盲人マラソンも兼ねている規模の大きい大会である。 盲人のランナーには必ず伴走者が付く。 伴走者は全てボランテイアである。 日本の社会もだんだん成熟度が増して来ているのが、感じられ嬉しく思う。 ちなみに、この大会は米国オレゴン州のポートランドマラソンと姉妹レースの提携を結んでいるらしい。 

遠くから車で来るランナーも多い。 そんなランナーの為、臨時の駐車場が郊外のスポーツグランドに儲けられている。 そこからは専用の無料送迎バスが利用できて便利だ。 私も毎回利用させて貰っている。

会場グランドは既に大勢のランナーや関係者でごったがえしている。 着替えをして荷物を預ける。 万人単位の荷物を預かるのも大変な仕事に違いない。 地元の学生たちがボランテイアで荷物預かり役をこなしている。 見ていると、ちゃんと番号順に置き場所を整理している。 指導者が居るとは言え、なかなかなか大したものである。 感心することしきり。 一人で参加するランナーに取っては大変助かる。

地元高校の吹奏楽部が、大勢でグランド中央部に陣取り演奏サービスをしている。 軽快なリズムが会場に響き渡る。 気分をお祭り騒ぎに仕立ててくれる。 サンバ・ブラジルだ。 その練習風景を眺めているのも面白い。 打楽器のグループは女の子をリーダーらしく、数名の男子生徒がリーダーの合図で何度も同じ動作を繰り返している。 きっと、その部分だけが未完成なのであろう。 プロにはまだまだ及ぶべくも無いが、十分(失礼)楽しめる。



多くのランナーで埋め尽くされる会場


今回のゲスト・ランナーには、有森裕子とケニアのイカンガ-選手が出ている。 こんなトップランナーと一緒に走れるのも素晴らしい。 有森はスタート前の準備体操の時間には、壇上で模範演技を披露している。 彼女はこの大会では競技に本格参加はせず、盲人ランナーの伴走役で走るとのこと。 この大会に参加して発見したことがある。 それは、盲人ランナーのスピードだ。 半端では無い。 僕など到底お呼びではない。 盲人ランナーの伴走をするには、相当の実力がないとできないことをまざまざと見せつけられた。 以後、申込書に伴走可の所に丸印を付けるのをやめた。

レースがスタートした。 先ほどの地元高校の吹奏楽部の生徒達が場所を移動し、 ランナーが会場の運動公園から駆け出て行くコーナーで、軽快な”ブラジル” をメロデー風にアレンジして応援してくれる。 気持ちがいよいよ高揚する。 一般道に出た。 街中、農道、農家の庭先を通って会場に戻ってくる。 私がエントリーしたのは10マイル(16km)のコースだ。 沿道では土地の人々が手造りの応援をしてくれる。 どこの大会でも、多くの中・高生がボランテイで大会運営の支援をしているのも頼もしい。 10マイルを走り切り、会場グランドに戻ってきた。 ここでも地元高校生の吹奏楽団が、今度は穏やかな、静かな曲で迎えてくれる。 疲れた体をやさしくいたわってくれる。 気分が一遍に晴れる。 小憎らしい程の演出に拍手喝采。



16/Apr/'00 林蔵@霞ヶ浦 茨城(Updated on 7/Feb/'08)#047

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