西湖ロードレース
@Jun/'00 足和田 山梨


朝霧の西湖


富士五湖の一つ、西湖。 山梨県足和田村の中央に横たわっている周囲10km、高原にある風光明媚な湖だ。 夏には多くの若者や家族連れがキャンプやドライブを楽しみにやって来る場所でもある。 毎年、父の日、6月の第2日曜日に、この恵まれた夏の避暑地でロードレースが開催される。 ランニングを始めてから雑誌 ”ランナー” でこの大会を知った。 我が家から適度な近さにあり、当日参加が出来ることもあり数年前から2周コース(20km)にエントリーしている。 せっかくエントリーしておいても出張等で参加できない年もあるが、日本に居る限り都合を付け参加を心がけている大会だ。 日帰りでも十分な距離であるが、当日の朝ゆっくりし体調を整える為に前日から出かける。 大概は湖畔でキャンプをする。 キャンプは幾つになっても童心に返ることができる不思議な営みだ。 6月第2週の日曜ともなれば、キャンプにはすこぶる良い季節だ。 利用者数は夏場にはとうてい及ばないので、広いキャンプ場を我が物顔に使用できるのも嬉しい。

食料は隣町の河口湖町のスーパーか、セブンイレブンへ買い出しに行く。 携帯コンロで、コーヒーとスープを作り、走りに備える。 こんな非日常生活がとても楽しいから男って変な動物だ。 前回はバイクで来てキャンプしたが雨で難儀したので、今回は車でキャンプ場にやってきた。 6月の第2日曜日と言えば、梅雨時の最中である。 雨も降ろうと言うもの。 1、500円の利用料を支払い適当な場所を確保した。 バイク用の一人用テントを張り、寝袋を広げ、携帯コンロを組み立てる。 ガス灯を灯し、小さな腰掛兼テーブルを広げる。 これで準備完了だ。 雨を心配してきたが、今回は心配が外れ嬉しい快晴だ。




会場の民宿グランド



翌朝、キャンプ場特有のうるさい鳥達の鳴き声で目覚める。 湯を沸かし、コーヒーを入れる。 パンとヨーグルトのいつもと変わらぬ朝食。 体育館内に設けられた受付で、ゼッケン、パンフ、参加賞のTシャツ、記録測定用のイエローチップを受け取る。 早速イエローチップを靴紐にくくりつけた。 貴重品等を入れたリュックを, 体育館の前に設置されている荷物預かり場に預ける。 会場の民宿組合グランドに出ると、既に多くのランナー達、関係者、模擬店等で大賑わいだ。 スタートに先立ち、大会主催者からの挨拶やメッセージがある。 会場の山寄りに設けられたステージでは開会式の式典が始まった。 毎年恒例になっている選手紹介が面白い。 一番遠い北から来たランナー、一番遠い南から来たランナー、一番高齢ののランナー(男女)、一番若いランナー等の紹介がある。 今年の最高齢ランナーは、86歳の横浜からやって来た男性ランナーだ。 (ちなみに女性の最高齢ランナーは76歳)  壇上に上がり挨拶と自分のランナー生活を喋るのだが、実にしっかりしている。 マラソンは60歳から始めた。 72歳でフルマラソン10回出場。 今でも年に幾つもの大会に参加するとか。 地球に国境は無いという文字を背中に書いたTシャツを着て走る。 その気骨には脱帽。   

親子ちびッ子3kmレース、西湖1周コース(10km)、西湖2周コース(20km)、 中学生以下コース(5km)と順次スタートする。 今年も6、000人を越す参加者。 スタート地点は正に芋の子を洗う状態である。 最近は何処の大会でもタイムは、靴に付けたイエローチップで測るから、スタート時どの位置にいても、自分のタイムは正確に測定される。 ”予定完走タイム2時間” とサインのあるボードの後ろに並ぶ。 中には、赤ちゃんと一緒に走る若い人もいる。 ハワイのホノルルマラソンに行っ時に見かけた幼児ランナー用乳母車に赤ちゃんを乗せ、シートベルトで固定し押して走る。 ランナーのライフ・スタイルもだんだんと多様化している。 今日も多くのランナーから、素晴らしい刺激と元気をたっぷり頂いた。



オートキャンプ場にバイクテントを張る





18/Jun/'00 林蔵 (Updated on 3/Feb/'08)#043

{林蔵地球を歩く}[頁の始めに戻る]