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奥秩父/廻目平から金峰山・瑞牆山
(2003年9月14日〜15日)


 久々にテント泊で夏山登山に行くことにした。テント泊などは、多分3年ぶりである。何と言っても準備が面倒だ。単独の夏山テント泊となると、10年ぶりくらいだろう。行き先は行ったことが無くて、近くて、有名な山ということで何となく金峰と瑞牆に決めた。

 金峰へは山梨県側からと長野県側からのルートがあるが、行き慣れた廻目平から登ることにする。朝7時前に到着したが、三連休ということで駐車場はいっぱい。林道脇に斜めになって何とか止めることができた。この山行で、駐車スペースの確保が一番難しかった。

 でも金峰への登山者はごくわずかのようだ。真夏のような日差しのもと林道を歩く。フェニックスの大岩など過ぎて、林道終点に着く。40分で着いた〜と思ったら、林道工事で迂回するらしい。20分ほど右岸を高巻くようにのぼり、以前の登山口に到着。

 ここで、金峰に登るか、八丁平方面に登るか、ちょっと迷ったが、八丁平方面への看板は全くなかったので、下りに使うことにして、今日は金峰から登ることにする(計画性がない(^^;))。初めは沢沿いを登り、あとは樹林帯の幅広い道を登る。久々の泊まり装備はつらい。だいぶ疲れた頃に金峰山小屋に着く。ここは森林限界で、眺めがよく、山頂の五丈岩が見える。山頂までは一登りで着くが、長野県側の登山道が比較的静かだったのにもかかわらず、山頂はすごい人である。やはり山梨県側から登る人が多いらしい。

 人は多いが、結構山頂は広いので密集というほどでもない。せっかくなので五丈岩に登ることにする。左側から登ってバンドを右にトラバースすると岩の上に出られる。難しい箇所にはホールドが刻んであるが、登れない人もいねようだ。さすがに岩の上は静かであった。

 金峰山頂にはボルダーがいっぱい転がっている。実はフラットソールを持ってきているのだが、大量の人に囲まれて一人でボルダリングするのはちょっと恥ずかしかった。ナナカマドの木の横の岩で、登山靴で登れる、右足でヒールフックしてマントリングする課題を作って遊んだ。一撃だったので10級くらいのグレードだろう。

 今日は大日小屋にテントを張ることにして、稜線を下る。雪のない稜線歩きなんて久々だなぁ。でも荷物が重いので足が疲れてきたということで、ダラダラと休み休み下る。「千代の吹き上げ」という岩場が稜線直下にあって、ルートがあるのだが、今時こんなところにクライミングしてにく人はいないだろうな。

 やがて樹林帯に入って、やたら広い登山道を下ると、大日岩に到着した。あまり期待してなかったけど、意外と大きい岩で、周囲にはボルダーが散在してる。山頂と違い、ここは登山者もいないので、登ってみることにする。

 マットがないので、手軽そうな2〜3mの岩2つにトライしてみる。下地は荒い砂地で、問題ない。丸い大きな岩は、フレークぽいところが簡単で、9級くらい。フリクションがよくきく。降り口は、隣の岩にジャンプするか、そこをクライムダウンする。その横のフリクションで登るところは、8級くらい。他にも登れそうだが、マットがないのでやめた。もう一つの、三角形の岩を登る。これはもっと簡単で10級くらいしかないが、写真映りがよい。




 あまり長居していると、テン場が埋まってしまうかも知れないと思い、もう少し遊びたかったが、下ることにする。下っていくと、大日岩の全貌が見える。かなり大きいが、傾斜は緩い。フラットソールだったら、手を使わずに歩いて登れるかもしれない。30分も下らずに、大日小屋に着いた。テン場には、テントは一張りも無かった。大日小屋の水場は、小屋脇の沢の源流で、鉛筆の先くらいの水流であった。たき火臭い水であった。


 翌日は瑞牆に登るのだが、行き方を悩む。一つは、富士見平小屋まで下ってから登るルート、もう一つは、稜線に登ってからいったん下り、登るルート。結局後者にすることにした。朝5時半くらいに出発し、昨日下った道をのぼり返して大日岩へ。大日岩の上からは八ヶ岳や南アルプスがよく見えた。

 大日岩から小川山方面へは、10年前発行のエアリアマップでは点線になっている。大日岩の頂上で小川山方面への道を探すが、どうも違うらしい。戻ってみると、岩の基部から右手に細い踏み跡が続いていた。道は岩の東側を巻いているが、そのうち新しい崩壊地で寸断される。ガレを横断すると、道が消えている。こういうときはたいてい上に道が続いているので、少しガレを登るとやっぱり踏み跡の続きがあった。後は倒木の多いヤブっぽい道を下る。平坦になると、廻目平への分岐があった。思いの外しっかりした分岐で、安心した。

 分岐に荷物をデポして、サブザックで瑞牆に向かう。荷物が軽いとやっぱり楽だ。廻目平への分岐から少し進むと、瑞牆方面への分岐になるので左に入る。緩く下ると、小川を横断する箇所があるが、ここはかなり雰囲気のよいところである。特に稜線のヤブ道を通った後では。水も美味しいので、大日小屋の水と交換した。この辺は八丁平と言うらしい。もう少し下ると、富士見平からの道に出るので、瑞牆への登りにかかる。荷物が軽いので、意外とあっけなく山頂に着いてしまった。



 廻目平への分岐に戻り、廻目平へ下山するが、この道は稜線のヤブ道よりもひどい。倒木を越えたりくぐったりして下ると、沢に出るが、沢に出てからしばらくは不明瞭である。それでも、沢を下るよりも道を探して下った方が楽で、左岸を見上げればだいたい見つかる。そのうちかなり高い位置を巻くようになる。枝沢を横断する箇所では、対岸が崩壊していて道が消えていたりする。でもそこを過ぎるとまもなく林道に出た。あとは林道工事の巻道を通って廻り目平に下山できた。

 今回は百名山といえども、ボルダーやヤブがあって比較的面白かった。