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埼玉/二子山西岳中央稜
(2004年8月21日)


 先月の三ツ峠に続き、U田さんと二子山西岳中央稜に行くことになった。先週は御岳で3級のボルダーが登れるようになったので、6ピッチでV級が2ピッチある中央稜も楽しく登れるだろうと考えた。また昨日までの暑さは一段落するという予報もあり、暑さも大丈夫だろう。また最近1週間くらい雨が降ってないので、岩も乾いているだろう。
 朝7時に飯能に集合し、R299を進むと2時間半くらいで股峠に到着。埼玉の北西端とはいえ、思ったより近かった。車は一台しか止まっていないので、順番待ちも無さそうだ。夏にはあまり登りに来る人はいないらしい。天気は予報通り涼しく、薄曇り。
 少し登ると峠になり、東岳・西岳の分岐があって、さらにそのまま少し下ると右にローソク岩の分岐があるので、そちらに向かう。トラバースから急な登りになる。上を見ると先行パーティが中央稜の3ピッチ目あたりを登っているのが見えた。明瞭なクラックだ。

 20分くらいのアプローチだが、久々の急登で疲れた。取り付きは小さい広場で、ゆっくり準備する。1ピッチ目は僕のリードする番ということになったが、見上げると傾斜がある割に全然ピンが見えない。登っていくと、ガバの連続でまったく簡単だった。途中からバンドで右上に上がるが、そこの岩を乗り越える時だけちょっと難しくIII+くらい。そのままバンドを歩いて灌木を越えたころにある確保支点でビレイ。

 2ピッチ目は、ガイドでは右の凹角でなく左のカンテを登るとあり、V-になっている。見ると傾斜の緩いカンテにピカピカのボルトが光っている。U田さんは簡単そうに登っていく。続いて僕も登ると、ガバホールドの連続でフリクションもよくきき、IVくらいのピッチだった。



 3ピッチ目はこのルートの核心で、見上げると傾斜は強くないが、幅広の明瞭なクラックが走っている。ここはリードさせてもらう。登ってみると、クラックといっても左側はフレークになっており、レイバックの体勢となってなかなか面白い。そこを過ぎるとクラックは細くなる。そこを越えるところがこのピッチの核心だが、左手ジャムで登りたいが、右手のホールドとフットホールドがよいのがない。フットホールドは、RCCボルトがちょうどいいところに打ってあって、皆が使っているためピカピカ光っている。少し悩んだが、そのボルトに立ってみると、次のガバホールドに手が届いた。もう少し考えれば、ボルトの上に立たなくても登れたかもしれない。ここはワンポイントだがV+くらいあるのでは。その上はガバホールドの多いチムニー状でグイグイ登れて快適。ザイルが重くなったころ、広いテラスに到着。ローソク岩が見下ろせる高さになる。のんびり休む。

 4ピッチ目からは、大まかな岩の積み重なった幅広い岩稜となる。ピンは1本しかとれないが、特に問題となることはなくIIIくらい。5ピッチ目も幅広くいろいろルートはとれそうだが、左手のクラックの走る岩を登る。ここはIVくらいで快適だった。4ピッチ目と5ピッチ目は1ピッチでも大丈夫だろう。最後の6ピッチ目は、ほとんど歩きに近くなって大まかな岩を越えるところがIIIくらい。


終了点に出たところ


 全体として3ピッチ目以外は容易で、2時間くらいで終えることができた。ホールドが大きも大きく、乾いていたせいかフリクションもよい岩場だった。フレンズも持ってきたが、必要なところには残置ハーケンなどがあるので、不要だった。ユニークなのは、岩が取手状となった石灰岩特有の支点?があって、そこにシュリンゲが残置されていたのは笑えた。

 最後に、せっかくなので山頂に立ち寄ってから歩いて股峠にもどる。またせっかくなので東岳のフリーのエリアも見学に行ったが、スケールのある前傾壁に圧倒された。


山頂から6ピッチ目を見る




林道の途中から西岳中央稜がよく見える