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九州/屋久島・開聞岳・霧島
(94年3月14日〜3月21日)


3/13:JRで九州へ

 卒業旅行として九州の山に行くことにした。とりあえず屋久島へということで、出発。6:30名古屋駅を出発し、東海道線から山陽本線を経由して博多へ普通列車で向かう。博多には夜9時頃に着く。博多からは夜行の特急で鹿児島へいくが、博多での時間待ちが長く、寒かった。

3/14:鹿児島から屋久島〜三本杉へ

宮之浦港12:55−13:45楠川−15:55三本杉

 14日早朝鹿児島に到着。さらに鹿児島駅から鹿児島港北埠頭へトボトボ歩く。フェリーに乗るのは久しぶり、というよりは記憶にある限りでは初めてだ。開聞岳を見送って屋久島へ向かい、12:30ようやく屋久島の宮之浦港に到着。縄文杉を見るなら、タクシーで白谷林道に入った方が速いが、一人なので下から歩くことにする。
 とりあえず登山口のある楠川まで車道を歩くが、荷物が多くてなかなか疲れる。楠川から楠川歩道に入る。途中で屋久シカに出会いつつ、今日のテント場三本杉に到着。

3/15:三本杉〜縄文杉〜高塚小屋

三本杉6:48−8:29辻峠−11:19大株歩道入口−13:35縄文杉14:00−14:08高塚小屋

 三本杉からしばらく進むと白谷林道を横切る。さらに進むと白谷小屋となり、辻峠に出る。せっかく登ったが、また250mほど小杉谷へ下る。縄文杉を見に行く人は、日帰りでかなり歩かないと行けないから、結構たいへんだ。小杉谷からしばらくは森林軌道跡を歩く(写真)。傾斜はないが、枕木の上を歩かないと行けないので、歩幅が合わずに疲れる。北沢を左下に見ながら歩いていくと、森林軌道後から離れ、右手の尾根に取り付き、急登になる。

 やがて江戸時代に伐られた杉の切り株、ウィルソン株(写真)に到着。ウィルソン株の中からは水が湧きだしており、なかなか神秘的な場所だ。しかし江戸時代にこの杉を切り出して海岸まで運ぶにはどれだけの労力が必要なのだろうか。



 さらに1時間ほど進むとあの有名な縄文杉である(写真)。樹齢7200年というが、本当だろうか。このころはまだ直接縄文杉に触れることができたが、現在では柵ができてしまっているらしい。五月の連休の頃は大量の登山者で賑わうらしいが、今日は僕一人だけである。大きすぎて写真に入りきらない!!
 縄文杉から10分ほどで尾根上に出て、高塚小屋が現れる。この辺りでは標高1300mほどで、ガスって風も強くてかなり寒い。しかも樹氷ができてる!!。こんな南の島にきて冬景色に出会えるとは幸運だ。水場は小屋の裏にあったが、非常に貧弱でもうすぐ凍りそうだった。
 高塚小屋はかなりぼろく(最近は新しいのができたらしい)、寒いので小屋の中にテントを張る。小屋の中ではもう一張りテントが張ってあった。屋久島のエアリアマップを広げると、海岸沿いには「サンゴ礁」「亜熱帯植物園」などと書かれているのに、山の上ではこんなに寒いとは、不思議な島である。

3/16:高塚小屋〜宮之浦岳〜淀川〜鯛の川徒渉点

高塚小屋6:00−9:44宮之浦岳9:52−13:48淀川14:08−17:33鯛の川徒渉点

 朝起きると快晴である。樹氷がきれいだ。しかし天気予報によれば、午後には崩れる予報なので、長持ちはしないだろう。晴れているうちに展望の利くところに出たいので急ぐ。上部ではしだいに笹原になって展望が出てくる。宮之浦岳が真っ白でとても美しい(写真)。なんか冬山みたいですごく得した気分になった。

 均整な宮之浦岳と対称的に、ネマチなどの岩峰を従えた永田岳はなかなかの迫力である(写真)

 しかし快晴はあっという間に終わり、縦走路に出た頃にはすっかり曇ってしまった。右の写真で見て分かるように、下は氷が張っていた。ここで軽アイゼンを装着し、カチカチに凍った登山道を歩く。九州最高峰の宮之浦岳では、もうすでにガスってしまい、視界はなく早々に南下を続ける。これ以南の縦走路はピークを巻くようにつけられている。花之江河の湿原もガスの中で、さっさと淀川(よどごう)へと下る。  澄んだ水の美しい淀川の脇には、快適そうな小屋があるが、さらに下る。すると林道に出る。宮之浦岳に登る一番手っ取り早いルートはこの林道から登るルートである。ここからタクシーに乗れば手っ取り早く下山できるが、僕は一人の上に、ここには電話がない。しかしさらに鯛の川方面に下る道はと見ると、「昨年9月の台風により道が荒れているので、通行しないで下さい、云々」と書かれているではないか。  ちょっと迷ったが、ここまでのルートにはそんな荒れたような様子はなかったので、そのまま下ることにした。さらに、途中にある鯛の川の問題があった。鯛の川は結構幅が広いらしく、雨が降ると渡渉不能になるらしい。予報によると夜は雨となってるし、実際雨もポツポツ降ってきた。今日中に鯛の川を渡っておいた方がいい。

 林道からは緩やかなアップダウンの尾根道となるが、時折倒木が現れるようになる。倒木といっても、小さい木ではなく、直径2mほどもある大木が根こそぎ倒れているのである。それを乗り越えたり、迂回したりして進まないといけない。はじめのうちはアスレチックのようで楽しかったが、次第にうんざりしてくる。ルートを見失うこともしばしばで、そのたびに少し戻ってルートを調べないといけない。尾根からはずれて南側の鯛の川へ下るが、南斜面はさらに倒木がひどく、時間も経つし、雨も降ってきてかなりあせってきた。鯛の川を見て正直ほっとした。増水していたら多分渡れないだろう。鯛の川を石飛びで渡って森の中でテントを張った。林道から鯛の川まで標準コースタイムでは2時間程度なのに、3時間もかかってしまった。今日はかなり疲れた。
3/17:鯛の川6:55−10:47蛇の口滝分岐−12:30尾之間温泉

 夜は土砂降りの雨で、昨日鯛の川を渡っておいて本当によかった。今日は一つ尾根を乗越て下るだけだが、また南斜面だからどうだろうか。しばらくは北斜面の下りで、倒木も無く問題なかったが、尾根を乗越して南斜面にはいるとやはり倒木が連続する。すぐに登山道を見失ってしまう。鈴川の源流部を下るが、何度も倒木をくぐったり、乗り越えたり、迷ったりして下る。やがてトラバース道になり、次いで尾根道になった時に急に視界が開けて海が見えた。蛇の口滝も見える。
 海が見えてほっとしたが、しかし視界が開けたのは、尾根の上の木がほとんど倒れていたからだった。すごい光景に呆然としたが、チェーンソーの切り込みを頼りに下っていくと、ようやく蛇の口滝ハイキングコースと合流した。コースタイムでは2時間半程度の下り4を時間近くかかってしまった。だいぶ倒木は少なくなり、歩きやすくなった。しばらく行くと、倒木処理作業をしている人たちに出会った。「ひどい道だっただろう」と言われた。
 大きなシダの茂るジャングルのような道を下ると、ついに尾之間温泉に出た。温泉につかり、この日は谷崎鼻の先端で海を見ながらサイトした(写真)


3/18:屋久島〜開聞岳山麓

 朝から快晴でポカポカと暖か。数日前の霧氷が嘘のようである。フェリーの出航まではだいぶ時間があるので、鯛の川河口にある「トロオキの滝」でも見に行こうと思い、出発する。山を見ると、本富岳の岩壁が素晴らしい(写真)。車道をテクテク歩いていると、車が一台とまってくれて、乗せてくれるという。ありがたく乗せてもらい、千尋の滝まで連れていってもらう。

 千尋の滝(写真)は鯛の川の下流である。鯛の川で流されると、ここまで流れてくるのだ。その後、車のおばさんに「タンカン」というみかんの一種をたくさんもらった。
 13:20、フェリーは宮之浦港を出発し、鹿児島へと向かう。屋久島の4日間の山行は、これまでになくたいへんであった。フェリーの中のコインランドリーで洗濯をして、乾燥機にかけていたところ、何と鹿児島港に到着してしまった。まだ乾いてないぞ!!
 次の予定は開聞岳ということで、鹿児島で時間をつぶした後にJRに乗る。夜8時ころ真っ暗な開聞駅に到着する。どこで泊まるか考えたが、開聞岳山麓の快適な公園でテントを張った。


3/19:開聞岳〜えびの高原

6:15二合目−7:50山頂8:20−9:24開聞駅

 テントを撤収して早朝開聞岳に出発。登山道はなだらかに山腹を巻くように螺旋状につけられている。途中から見た長崎鼻方面はぼんやりと霞んでいたけど、朝日がきれいであった。日本100名山といえども、開聞岳はわずか900mほどしかない。一回休憩しただけで山頂についてしまった。山頂はゴツゴツしたところで、少し風もあってあまりくつろげなかった。下山中にはたくさんの人とすれ違った。そうだ今日は土曜日であった。
 開聞岳の次は霧島である。JRで霧島神宮まで行き、そこから使いたくなかったがタクシーで林田温泉へ。さらにバスでえびの高原へ行く。えびの高原のキャンプ場は温泉付きでいいところだったが、濡れた髪の毛をEPIのガスで乾燥させていたら、一部焦がしてしまった。

3/20:韓国岳

キャンプ場6:25−8:03韓国岳8:27−9:34獅子戸岳10:58−11:21新燃岳11:44−13:10高千穂河原

 長かった九州の山行も今日で最後である。キャンプ場から500m登ると韓国岳に着く。遠方には均整な姿の高千穂峰(写真)が見える。これからは縦走で、獅子戸岳、新燃岳と越えていく。木がほとんど生えていないので、たいへん眺めのよい縦走である。高千穂河原に下ると、人でいっぱいだ。ここは道路がきているのである。高千穂峰はここから600mくらいの登りだが、どうも膝が痛くなってきたし、人がうじゃうじゃいるところに出てしまったために行く気が失せてしまった。
 ということで、九州の山行は終了した。この日は、熊本駅で野宿したが、あやしい人物にマッサージをされるよう強要された。ゲイだろうか?

3/21:雲仙普賢岳

 この日は三角線で三角港に向かい、フェリーで大火砕流後の雲仙普賢岳を見ながら島原に向かい(写真)、新幹線で帰宅した。