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奥美濃:小白山山スキー(98年3月3日)


石徹白6:38−7:39和田山牧場7:53−9:03小白山谷源頭(1270m)10:35−11:38小白山北峰(南峰ピストン40分)12:35−14:28石徹白

 今シーズンは僕の記憶にある限り最も暖かな冬で、奥美濃の山スキーにとっては致命的なくらい雪が少なかったが、その中で唯一行ったのがこの小白山であり、石徹白周辺の山で僕に唯一残された未踏かつ未滑降の山である。
 3/2夜、1年ぶりに石徹白まで車で入る。例年ならこの時期の石徹白は深い雪の中だが、今年は本当に少ない。翌朝、快晴の下出発。久々の単独のスキーで、快調なピッチでとばす。林道はおおむね雪がつながっているが、固くクラストしているのでツボ足で歩く。実はこの日は地形図を忘れてしまったのだが、通い慣れた道でかつ快晴なので問題なし。記憶をたどって林道をショートカットし、1時間で牧場に出る。周囲の山々は残念なことにブッシュが目立っているが、西側の山々は何とかまだ滑れそうだ。東の芦倉の方はもうダメだ。
 小白山は石徹白周辺の山々の中で最も南西に位置しており、野伏のさらに南方である。ダイレクト尾根を横切り、広大な野伏平をトラバースする。周囲は背の高い灌木が目立つ。例年の積雪より3〜4mは少ないのではないか。浅い沢筋を横切るが、一つは水が流れていてやっかいだ。
 野伏平のトラバースも終わり、小白山谷を横切ったあたりである。なぜか急激に足の裏が痛くなってきた???とても歩けないので靴を脱いでみるが別に外傷はないようだ。足指を引っ張ると激痛が走る。ここで引き返そうかとも思ったが、痛くてブーツもはけないのでは降りようがない。ここはあきらめて、しばらく寝転がっていることにした。その日は無風快晴。僕が動いていなければ、動くものも無く、本当に何の音もしない、非日常的な世界である。しばらく昼寝して、気がつくとさっきより足の痛みが引いていた。これは強引にマッサージすれば乗りきれると踏んで、痛いのを我慢してマッサージをしたところ、痛みは完全に消えた。1時間半のタイムロス。  痛みが消えれば下る必要もないので行動を続けることにした。すると、目の前を真っ白い野ウサギが走っていった。はやいはやい。途中から急な尾根に上がってアイゼンをつける。雪が腐っていてダンゴになるが、雪をたたき落とすにはストックは貧弱であった。急斜面を登ってたどり着いた小白山北峰からは、南峰とそれに続く稜線が見渡せる。スキーをデポしてピストンする。寡雪のため雪庇はほとんどなく、快適な雪稜歩きで南峰1609.2mに到着。ここが石徹白の山々の南西端だ!
 さて滑降だが、数日前の新雪がこの暖かさで妙に重くなり、板が突き刺さってそれほど快適ではない。しかし僕は山スキーの重要度として山に登ることが6割、滑りが4割程度としているので、それほど快適な滑りは追求していない。連続ターンが何回か決まればそれで十分満足だ。
 林道の下りは速い。平日にもかかわらず、一人ツボ足で林道を下っている人がいて、追い抜く。こんな素晴らしい雪山を歩いて下りるなんて!もったいない!