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中ア/太田切川本谷〜東熊沢遡行〜檜尾岳
(99年8月4日〜5日)


メンバー:谷謙二、他二人

日付
 
地点と
 発着時間
コース・行動の状況
 
8/3
 
集合
 檜尾橋
名古屋市芸術創造センター=中央道=駒ヶ根IC=菅の台
菅の台=バス=檜尾橋
8/4

晴れ























曇り





















 
発 6:35


着 7:15
・檜尾橋から太田切本谷までは取水口巡回路を利用する。道は水平で、よく整備されていて歩きやすい。本谷に出ると吊り橋で右岸に渡り、また左岸に渡ると取水堰堤。フェンスを乗り越えて上流に出る。
 取水堰堤上
  1300m
★この地点で左から悪沢がナメ滝となって合わさる。遡行準備をする。花崗岩の白くて明るい沢だ。
発 7:50





着 9:03
・出発してすぐ大岩を左から小さく巻くと、ナメ滝になる。ナメ滝の左側に5mほどの大岩が二つ並んで間にトラロープが垂れている。右側の側壁には切れたトラロープが垂れている。ルートは左の岩しかないが、ハングしていて登れない。早くも敗退か??40分ほど悩んだ末、流木を立てかけ、トラロープにアブミをセットして空身でようやく越えることができた。その上は左のトラロープを使って越える。このあたりはこの古いトラロープかないと通過困難だ。
 魚止め滝上★これといった特徴はない小滝だが、ここからゴルジュが始まる。


着 9:37
・糸ダル沢が左から入ると側壁が大きく立つ。しかし太陽が真上から照っているので圧迫感はあまりない。数メートルの滝が続くが渡渉とへつりで抜けられる。一カ所左から泳いで越える部分がある。
 休憩★思ったより容易なゴルジュで安心する。
発 9:53

着 10:40
・一カ所右を10m確保して登り、5m懸垂下降する部分があるが、それほどの困難はない。
 
梯子ダル沢出合★右側から40mの滝をかけて梯子ダル沢が合わさる。美しい滝だ。
発 10:55

着 12:45
・6mの滝を左から越えると、あとはゴーロとなる。白く明るい沢を、左右から合わさる30〜40mクラスの滝を眺めながら歩く。途中で30分ほど休んで釣りをしたが釣れなかった。
東熊沢出合★右側から東熊沢が広いゴーロとなって合わさる。東熊沢に向かう
発 12:50














着 15:50
・ゴーロを10分ほど登ると、きれいな二段30mほどのナメ滝が現れる(登山大系では省略されている)。左側から登るが、意外とテクニックがいって面白い。左側からは水煙があがっていよいよ40mの大滝だ。
・豪快な直瀑である。右側のルンゼら巻くことにする。流水のあるチムニーをアンザイレンして谷リードで登り出す。一見簡単そうだったが、左足のスタンスがないため気が抜けない。ナッツとチョックストンで中間支点を取る。微妙なバランスで10mチムニーを登るとガレたルンゼになり、さらにザイルを伸ばして45mでようやく立木でビレーする。後続はザイルが動くだけで落石が起きる。中村のザックに一つが直撃して中のタッパーが割れた。さらに2ピッチ目はブッシュとガレたルンゼを20m登る。
・そこから左にノーザイルで灌木帯をトラバースしていくが、急なザレ帯に入って一瞬失敗かと落胆した。しかしなんとかトラバースでき、ヤブに入ってしばらくで滝の落ち口すぐ上に出た。この高巻きで2時間を費やす。
 40m滝上★何とかゴーロまで抜けなくてはいけないので急ぐ


着 17:00
・すぐに10mナメ滝が現れる。谷はノーザイルで左の垂壁を直登。他の二人は左を少し回りこんで右上バンドから登るが、時間を費やす。それからはようやくゴーロになる。
 1900m地点

 
★岩が多くてなかなか快適なテン場は見つからないが、整地して何とか三人分のスペースを作る。長い一日だった。薪は豊富でよかった。
8/5

曇り





















 
発 6:35




着 8:14
・5:00起床。ゴーロを登ると左から40mくらいの滝をかけて支流が合わさる。やがてゴルジュになり、10m滝は左から小さく巻くがバンドのトラバースがちょっといやらしい。すぐ上には20m滝がかかる。左のフェースを谷リードで登る。岩は硬いが、支点がとれず怖い。結局支点無しで登り切り、チョックストンでビレイする。
・そこを過ぎるとゴーロとなって間もなく二俣。東熊沢本流は右。
大滝沢出合上★背後には空木岳が大きいが、山頂はガスっている。
発 8:30





着 10:40
・ここからはもうひたすらゴーロが続く。浮き石に注意して登っていく。9:14〜9:30休憩。ずっと詰めていくと水が涸れ、二俣になる。右は檜尾避難小屋直下につめる沢で、左は鞍部に詰める沢。左に入る。背の高い草をかき分けて登っていくと、お花畑の中を登るようになって気分がいい。しかしその上はハイマツの海。ハイマツを避けて右の小尾根に登る。10mほどの岩峰は左から巻く。もうすぐ避難小屋だが、疲れてきたので開けた場所で休む。
避難小屋直下★縦走路を行く登山者が間近に見える。
発 11:15

着 11:40
・ハイマツの上を歩いてまもなくで檜尾避難小屋。避難小屋はなかなかきれいで快適そうだが、トイレはない。避難小屋から10分ほどで檜尾山頂。
 檜尾岳
 2728m
★空木はあいかわらすガスだが、三の沢岳、宝剣岳ほうめんはよく見える。
発 11:53

着 15:25
・後は檜尾根を1500m下る。長いが、500mごとにピッチを切って3ピッチで下りきる。曇っていたのでそれほど暑くなく助かった。道は歩きやすいが、展望はほとんどないので登りはつらそうだ。
檜尾橋バス停
 
★バス停についてすぐにバスがやってきた。「こまくさの湯」に寄る。













































































 
 
 
・出だしのチョックストンには参った。トラロープがなければ突破不能?
・太田切本谷ゴルジュは、水量が少なかったせいかそれほど問題になる点はなかった。ウエットスーツを着たが、それほど寒くなかったので不要だった。
・東熊沢の40m滝は予想よりずっと困難だった。プロテクションをセットしながらなので、岩場で5級をリードできないとトップはきつそうだ。岩も脆くて落石があったりして困難な高巻きだった。
・全般的には、難しい箇所と容易なゴーロの部分に明瞭に分かれた沢だった。人数が3人を越える場合や初心者がいる場合は、二泊三日の行程にした方がよい。
・なお、東熊沢を詰めるより、本谷を忠実に登って木曽殿乗越に出た方が容易である。

太田切本谷ゴルジュの渓相
意外と穏やかだ
梯子ダル沢出合の40m大滝
本流の滝は小さく、左右から落ちる大滝を眺めながら歩く。
東熊沢40m大滝
これも豪快だが、右から巻くのに2時間もかかった。
東熊沢40m大滝の右手のルンゼを登る
右側のルンゼから巻くが、見た目よりもかなり悪い。
下部の水の流れるチムニーをキョン足で登る私。
上部はガレガレで落石頻発注意。
東熊沢20m滝を見下ろす
階段状だが、リードはプロテクションが全く取れないので非常に怖い。
東熊沢上部
傾斜のきつい草原になる。