| どうしてサギにだけ大中小がいるのだろうか。一般の方は「シラサギ」で一まとめにするというのに |
| である。生態的にそんなに変わることもなくチュウサギが個体数的には少ない位ではないか。 |
| さらにダイサギにはさらにチュウダイサギとオオダイサギに区分けされる方がいる。 |
| そんなに分けなくてもいんじゃないと私はいつも思っている。 |
| しかしダイサギの首はどうしてあんなに必要以上に長いのだろう。アオサギよりも長く思えるのだ |
| がメリットはあるのだろうか。水を飲むとしてもうまいと感じるまで時間がかかるし、魚を食べても |
| うまいと感じるまで時間がかかるだけではないか。 |
| ダイサギも飛ぶときはあの長い首を折り曲げている。ひょっとして一番邪魔に感じているのは彼ら |
| 自身ではないかと真剣に思う。 |
| 正直にダイサギは被写体としては余り興味がない。川上緑桜氏だったと思うが、サギ類の美しい |
| 写真集を見たことがある。とても美しい!、が同じような写真を私は撮りたいとは思わないのだ。 |
| あの不必要にも思える首の長さに嫌悪感を感じているのではと自身冷静に分析している。 |
| カメラマンの中では大中小を一緒に撮る事を念願にしている方がいるが、私にはその意味が理解 |
| できない。余り興味がないのがわかるのか、いつもダイサギはやたら近くまで寄って来る。寄って |
| 来たらカメラマンの哀しい性かシャッターを押してしまう私がいる。 |
| 漢字で書くと「大膳」となる。なんとなく侍のような響きがあり、それだけでも大好きなチドリである。 |
| 当初は私はカメラだけではなく、ビデオも一時撮影していた。甲子園浜で撮影すると風をもろに受けて |
| しまってブレにブレた。結局、一度に二つのことが出来ない私はビデオの方を断念した。ところでこの |
| 野鳥は餌の獲り方が面白い。であるから、写真よりもビデオの方が断然面白いのである。チドリ科の |
| 種類は基本的に千鳥足のように歩いてはいるが、そうしてゴカイ等を油断させておいてしっかりと獲物 |
| を手に入れる(口に入れる)のである。ダイゼンはチドリ科では大きいのでゆっくりと採餌する場面を |
| 我々に見せてくれる。当時のフラフラのビデオでもダイゼンだけはしっかりと捉えていた。見ないフリ |
| をしながら餌を獲る姿は正に詐欺師のようである。 |
| また、ダイゼンは夏と冬は服装が全く違うので、とても楽しい。そしてややこしい。同じ科にムナグロと |
| いう野鳥がいるが実に冬羽の場合は似ている。大きさはダイゼンが大きいが、一匹だけならなかなか |
| 判別しにくいのである。それと夏羽は目のあたりが真っ黒けになるので、非常に撮影に困ってしまう。 |
| もう少し近づければ良いのだが、彼らはなかなか近付いてはくれない、私にとっては薄情な野鳥であ |
| るが、餌一つも持ってこないクセにとダイゼンにツッコミを入れられてしまえば、グウの音もでない。 |
| 冬鳥として真っ先に頭に浮かぶのがツグミである。私は冬の撮影時における究極の目標をこの |
| 野鳥のベスト写真にいつも置いている。それほど好きな野鳥であり、魅力的な被写体であると思って |
| いる。ツグミは春先にとても綺麗な声でさえずってくれる。ある年の3月末に京都の深泥池で坐って |
| いると、聞いたことのない美しいさえずりを聞いた。それまでに山渓の野鳥の声というテープを何百 |
| 回も聞いていたのだが、聞き覚えのない声である。アカハラに似てはいるが、ずっと声量があって |
| 聞き惚れてしまった。そこにこの池の主のような知人が現れた。「いい声でさえずっていますが、あの |
| 声は何と言う鳥ですか?」「ああ、あれはツグミだよ。」「エッ!」 |
| ツグミは冬鳥でさえずらないという先入観があった為に、彼らがさえずる野鳥ではないと決め込んで |
| しまっていたのである。その日は機嫌が良かったのか長い間さえずってくれた。 |
| あれ以来、私はツグミを見直してしまった。「冬の地味な地面ばかりチョロチョロする鳥」ではなく、 |
| 「日本では世を忍ぶ仮の姿、実は素晴らしい歌手であるシックなエンターテイナー」と評価が変わった。 |
| なかなか満足出来る写真には今のところ撮れていないが、いつの日か素晴らしいシーンでの出会い |
| があると私は確信している。 |
| 余談だが、野鳥を昔食べた話ばかりしたがるバードウオッチャーがいたのだが、彼によるとツグミは |
| ツバメの飛ぶ姿を見ていて1日過ごせという課題が出ると、私は難なくクリアできると思うのだ。 |
| とにかく眺めていたい。彼ら彼女らが巣を作って、子育てしていてもである。であるから私には彼 |
| ら彼女らの写真がほとんどない。ツバメでシャッターを押したのは今から8年前位が最後である。 |
| 全く撮影の被写体として興味が湧かないのだ。でも見るのは大好きな野鳥ということさら矛盾が |
| いっぱいの私とツバメの関係である。 |
| であるから、ホームページでツバメの写真を載せている方を見るととっても羨ましいのである。 |
| 特に飛翔写真など見ると、信じられない気持ちでいっぱいになる。あんなに速く飛ぶツバメ達を |
| 撮るなんて信じられないのだ。私はオニヤンマの飛翔写真さえ撮ることが出来ないというのに。 |
| さらに、折角目の前で優雅にツバメが飛んでいるのにファインダーを覗いているなんて、とても |
| 考えられないのだ。私にとってはツバメは「見る」ものなのである。 |
| 最近、出勤時にある喫茶店の軒下で今年2回目の子育てが始まった。1回目終了後、店の方が |
| 落としてしまったのに、いつの間にかまた巣を完成させていた。これでまた当分はツバメを見る事 |
| を楽しむことができる。ツバメ=「見る」の私が8年ぶりにシャッターを押すにはどうすればいいの |
| か、どなたかいい案がありましたらご教授の程を(切実な願いです。) |
| ツリスガラの雄を見る度に秘密戦隊ゴレンジャーを思い出してしまう。(これに共感を覚える方は |
| 間違いなく同年代です。)それにあのチーチ−というオオジュリンの声をさらにシロップ100倍 |
| ほど加えた上に、チョコチップをまぶしたような甘ったるい声を聞く度に、体のどこかが痒くなる |
| のである。一種の快感さえ感じさせる究極の甘さが濃密な声であると常々思っている。 |
| 私の観察する地域では冬にいつも見られるということはない。が、冬も終わろうかとする時期に |
| なると、決まってあの甘ったるい声が聞こえてくるのである。 |
| 一度だけ、兵庫県伊丹市の昆陽池で間近で撮影することが出来たが、それ以来なかなか私を |
| 訪問には来てくれない。南港野鳥園にも毎冬決まって来てくれるのだが、いかんせん距離があり |
| すぎて全く親近感が湧かないのが悲しい。私のメインフィールドに昇格した淀川では、これから |
| ツリスガラが突然やって来てくれる時期だと伺っているのでとても楽しみにしている。ちなみにこの |
| 鳥はメジロより小さくて、僅か11センチしかない。本当に小さくて愛らしい野鳥であるが、その一方 |
| 長い距離を移動するたくましさも兼ね備えている。 |
| もうそろそろ彼らの渡りも終わりだろうか。当年生まれのように小さいことからこの名前がついたと |
| 言われている。オーストリア等からシベリア等の繁殖に出向く為に、日本を春秋に通過する。シギ |
| は関西では甲子園浜でしか撮影出来なかった為、撮影当初はよく出向いたものである。トウネン |
| は特に数が多かった。しかし、何しろ小さい姿の為に撮影にはとても苦労した。とにかくちょこまか |
| と動くものだからカメラを持って一生懸命彼らにまとわりつく。上から眺めている方には恐らく滑稽 |
| に映ったことであろう。また目線で撮影するには姿勢をとても低くしなければならないので、体には |
| 負荷がかかる。ところで彼らの中にはたくさんのフラッグを足に付けられた可哀相な個体も度々見 |
| られる。これは野鳥の研究者が調査をする為に、捕獲して無理矢理はめ込んでいるのである。私 |
| はこの調査はトウネンに関しては反対である。あの小さな体で数千キロを旅している姿を想像する |
| と足に装着されたフラッグが彼らの危険度をいかに大きくしているかは推して知るべきである。 |
| ハヤブサ等の猛禽類に狙われてもスピードが落ち、かつ目立ってしまうので犠牲になる可能性が |
| 高いのではないだろうか。トウネンはシギ・チの中でもハマシギと双璧に好きな種類である。シギマ |
| ニアにはヨーロッパトウネンなど珍しい種類を探すのを生きがいにしている変った人間も多いが、 |
| 直接に彼らに被害を与える訳ではないから良しとしよう。とにかく一生懸命に旅する彼らの姿はいつ |
| 私が撮影に手間取っている野鳥がこのトビ君である。トンビとも呼ばれるごく一般的な猛禽類では |
| あるのだが、未だに自信を持ってシャッターを押したことがない。結構、他の野鳥HPではこの鳥 |
| を風景的に美しく撮影されるのを見かけるのだが、それらに出会う度にもの凄く口惜しくなる。 |
| 本当に地味な味もそっけもない猛禽類で、おまけに雑食性で死んだトビを解剖したところ、腐敗し |
| たような強烈な臭い匂いが出て、それに立ち会った方々は一週間は匂いが取れなかったとも聞い |
| ている。ところが関東方面のある海岸ではトビ君たちが餌を目当てに、人間を急襲する為に困って |
| いるとニュースで見た。あの急降下爆撃機も顔負けの彼らが、でかい図体で突っ込んでくるのだか |
| ら、一般の方が恐怖を感じるのも当然である。が、これは最初にトビ君たちに餌付けをした人間達 |
| が悪いのである。基本的には人間を恐れない部類に入り、かつ何でも食べる雑食性のトビ君たち |
| は当然もらえるものとして嬉々として飛んでくる。それがユリカモメくらいの大きさならば、ああ可愛い |
| なと手からあげることも可能である。しかし、トビ君達はでかくてかつ猛禽類のツメと嘴を所有してい |
| る為に、問題視されるのである。とても可哀相でならない。よく見れば愛くるしい目をした可愛い野鳥 |
| だとは思うのだが。やはりトビ君は車から撮影する方法がベストだと思う。ということは、私には余程 |
| のチャンスがない限り満足する撮影は不可能であろう。プロの写真集に掲載されていた風景的な |
| トビ君の写真が私の理想なのだが。だが、場所は北海道だろうから無理であろう。いい顔撮らして。 |
| 私にとってのトラフズクは何と言っても南港野鳥園である。カメラを始めて何回目かに当時の平田 |
| 園長さんに教えてもらって撮影した写真(ネガ)をプリントしたものが今でも私の部屋に飾ってある。 |
| 初めて人にまともに見せることの出来る記念の写真であったし、何と言っても初めてフクロウの |
| 仲間を見ることが出来たのだから。当時は300mmしかなかったので小さいが、とても大事な |
| 写真である。それからは毎冬見ることが出来たが、ほとんど外に出て来ないので写真はそれから |
| はいい機会に恵まれなかった。ある年、緑道の表にトラフズクがいることを教えてもらって行って |
| みた。何と本当に表に出ているではないか。おまけに全く警戒心がないようでこちらは二人で |
| 1時間近く観察・撮影することが出来た。 |
| 羽づくろいや伸び、頭かきなどいろいろなポーズをとってくれてこの野鳥の魅力を全て出してくれ |
| たようである。そして首が回ること回ること。 |
| しかし、その年以降は彼らはほとんど野鳥園にいつかなくなってしまった。トラフズクを探す為に |
| ブッシュの中に無遠慮に入り込む人間が増えて、彼らが休憩する昼間にゆっくりとすることが出来 |
| なくなってしまったのだろう。(時々は1羽が不定期に入っているようだが) |
| 今年からは淀川でトラフズクとフクロウに会おうと一生懸命さがしてみようと思う。いや、もう既に |
| 見つけられた幸運な人がいるかもしれない。それも目の前で・・・・本当に愛すべき野鳥である。 |