Ai ED Nikkor 180mm F2.8S
photodo rating = 4.1 |
EDレンズを使用した大口径高性能望遠レンズである。鏡胴部には、EDレンズ使用を示す金色リングが誇らしげに光る。このレンズはAi 105mm F2.5Sと並んで名Nikkorレンズの誉れ高く、このレンズを使うためNikonシステムを選んだという話も良く耳にする。実際、各社の高性能ぞろいの200mm F2.8レンズの中でもきわめつけの高性能レンズである。描写は開放から大変シャープで、周辺光量も豊富で周辺光量低下など無い。この辺がズームと大きく異なるところであり、周辺光量低下を無くそうと思うと80-200mm F2.8では1-2段絞る必要があるからだ。 逆光にも比較的強く、昼間の太陽を直接入れなけいればまず問題は無い。ボケ描写も自然である。AFでも同スペックのレンズがあるが、IFにレンズ設計が変更されている。こちらも劣らず高性能と聞くが、中距離で二線ボケが出る場合があるようだ。Aiのこのレンズはそのような傾向は無く安心して使える。
このレンズ、 近接性能にも優れており、中間リング(PK-12、PK-13)を併用するとワーキングディスタンスを稼ぎながら簡単なマクロ撮影ができる。花壇の中や、高い木の枝などをアップにしたいときは、100mm程度のマクロレンズでは引き寄せきれないからだ。引き寄せが弱い場合は、F開放F値が一段暗くなるがテレコンバータ(TC-14AS)も使える。この時の画質は驚くほどシャープだ。 テレコンバータは画質を劣化させるので非常用として嫌う人は多い。実際マスターレンズとの相性で、画像が甘くなったり、周辺がケラれたりすることが多いようだ。しかし本レンズと×1.4のテレコンバータ(TC-14AS)との相性は抜群で、250mm F4として開放から十分利用可能である。実効開放F値はF4なので、ISO100のフィルムで日中1/1500のシャッター速度は稼げる。日中の日陰でも1/350だ。焦点距離が250mmなので手持ちも十分可能である。ところが×2.0のテレコンバータ(TC-201S)を付けてしまうと、360mm F5.6になるので、ISO100のフィルムで日中1/750のシャッター速度は稼げるものの、日陰では1/200になってしまう。こうなると三脚が必要になり使用が制限されるので、テレコンバータは専ら×1.4の物を用いている。
さてこのレンズ、描写性能もさることながら堂々たる風格を持ち質感がすばらしく、まさに持つ喜びに満ち溢れている。一度この質感を味わってしまうと、AF Nikkorをを買う気持ちがさらさらなくなる....(高級タイプのAF Nikkorですら鏡胴はプラスチックだし、ピントリングにバックラッシュのあるものが多い。それでも他社のAFレンズに比べれば、AF Nikkorは高級感で勝っていると思う).....。内蔵フードはかなり立派なもので、繰り出すとクリックストップがあってカチャッと確実に固定される。長さは短い嫌いがあるものの、純正で外付けフードは用意されていないので内蔵フードを利用している。
2002/1/20
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