Nikon F4



大口径Ai Nikkorとの組み合わせは最高です。

 
小売価格 226,000
重量 1090g (電池別)

 
    1988年発売のNikon F一桁シリーズの4代目である。AFは機能の一つに過ぎないと言い放った多機能カメラである。AFの他には、FAで培った5分割マルチパターン測光、1/8000秒(1/250秒シンクロ)の高速シャッター、秒5.7駒の巻上げ速度等を誇る。このカメラで特徴的なのは、その多機能さをまとめるのに、従来からのアナログ操作を用いていることだ。この時代ですら既に、新機種でアナログ操作は貴重な存在となっていた。その操作性をF1桁シリーズに持ちこんだNikonは凄いと言うべきか、保守的と言うべきか?当時「かわ」は「良くやった、さすがNikon」と小躍りした記憶があるが、今でもその気持ちに変わりは無い。デジタル操作系搭載し、8年後に発売されたF5は全く別の雰囲気のカメラになってしまった。

それにしても何と手の込んだカメラなのであろう。

等、パワースペックもさることながら、信頼性・操作感向上に関する気配りがなされていることに気づく。またカタログスペックには表れないがシャッターフィーリングは最高だし、パワフルな巻上げ感がこぎみ良い。この辺の操作感は、10万円前後の中級機とは明らかに一線を画している。ファインダーは視野率は100%であるが、倍率がF3HPと同様の75%である。ファインダー内情報が多いので仕方ないと思うが、F2の80%と比べると見にくいのは否定できない。それでも像のクリアネスはさずがで、F5を含めた他のAFカメラを一歩引き離している。

 F3で問題となっていた操作性がことごとく改善されているのも好感が持てる。露出表示は±2段のバー表示(1/3段刻み)になって、マニュアル露出がとてもやりやすくなった。露出補正ダイヤルは右手で操作可能になり、補正値もファインダー内で確認可能である(但し、露出補正ダイヤルのロックがちょっと堅いので、「かわ」の場合バネを一巻き切って軽くしてもらっている)。F3の場合表示が出ないため、露出補正の解除忘れが多かったようだ。また、ファインダー内照明光源は麦球からLEDに変更され、ON/OFFスイッチも付いた。AEロックに関してはロック中を示す表示が加わった。などなど、F3の比べるとかなり使いやすいカメラに仕上がっている。

 反面、F3に比べ重量はかなり増えてしまった。しかしF3+MD-4に比べれば、ウエイトダウンしているのだが。また、サイズが大きくなったのも問題だ。「かわ」は手が大きいのでさほど不便に感じないが、手の小さな人ではホールディングが大変かもしれない。さらに重くなるが、連写パワーが欲しい場合ハイパワーバッテリーパック(MB-21)を装着してF4Sとすることもできる。またMB-21を装着すると縦位置レリーズが利用できるのもメリットだ。装着ガタは全く無く、とても満足できるものである。Nikonの場合、勘合部分の精度が高いため、安心して外付け部品を利用できる。以前某メーカ製の外付けのワインダーの装着ガタに悩まされただけに、Nikon製品のガタの無い装着感はとてもうれしい。しかし、サイズ的に大きくなってしまい、カメラバッグへの収まりが悪いので、最近、連射が必要な時以外はMB-21は外している。

 外装はFシリーズで唯一のエンプラだ。F3、F2と比べると質感が落ちるので残念であったが、F5を見てその考えが変わった。確かにF5は金属外装だが、F2やF3のような高級感がまるで無いのだ。ボディが曲面になってしまうと、どうやら金属の高級感は失われるようだ。それ以来、F4のボディは金属でもエンプラでもどちらでも良いと思うようになった。

 F4はファインダー交換式カメラである。マルチパターン測光はファインダー(マルチフォトミックファインダー:DP-20)で行うが、スポット測光はボディ内で行われるため、ウエストレベルファインダー(DW-20)に変更しても、スポット測光は利用できる。通常ウエストレベルファインダーはローレベル等の撮影に用いられるが、その撮影スタイルからして被写体にカメラを意識されにくいため、スナップ撮影等にも有効であると期待できる。そこで、最近ウエストレベルファインダー(DW-20)を購入してみた。実戦投入はこれからであるが、そのうちにインプレッションを報告したい。

 購入以来、もうかれこれ9年近く使っているが全く故障は無い。子供に蹴飛ばされたり、ショックを加えたこともあったが、何事も無かったかのように動いている。本当にタフなやつだ。

2002/1/20


 戻る