F4用ウエストレベルファインダー(DW-20)


DW-20を装着したF4を前から見たところ。
上部プレートを前に跳ね上げると、遮光板が四方を取り囲み、
ファインダースクリーンへの外入光を避けることができる。
  ご存じのように、NikonのF一桁は、Fの頃からの伝統として、ファインダー交換式を採用しており、F4にもマルチフォトミックファインダー(DP-20:標準装備)、アクションファインダー(DA-20)、ウエストレベルファインダー(DW-20)、高倍率ファインダー(DW-21)が用意されている。ウエストレベルファインダーとは、カメラを腰の位置(ウエストレベル)に置き、ファインダースクリーンを上から覗くタイプのファインダーである。マミヤやハッセルのような中版カメラでは良く見られる方式であるが、35mmカメラで利用できるのはごく限られた機種になるし、AFカメラではF4、F5でしか利用できない類い希な?ファインダー方式である。

 さて、この方式は何が良いかというと、ファインダースクリーンを上から眺めるため、写真を撮っていることを意識されない点である。つまり、スナップ撮影に適しているわけだ。標準装備のマルチフォトミックファインダーを外してしまうためマルチパターン測光は使えないが、ボディ内のスポット測光が利用できる。また、F4はAF機能を持っているため、フォーカシングもカメラ任せでできる点が大きい。広角系レンズであれば、ある程度絞って、目測でフォーカシングを決められるが、AF機能を用いれば、中望遠レンズでもウエストレベルで撮影可能である。正にこの点が、AFカメラでウエストレベルファインダーを利用できる大きなメリットであり、Nikonユーザだけに許された特権なのだ。
 
 

後ろからDW-20を望む

上からDW-20を望む。
拡大鏡(ファインダー倍率1倍)がポップアップ
されている

  さて、上部プレートを跳ね上げると遮光板が立ち上がってファインダースクリーンの四方を遮光するため、日中でもスクリーン像の確認が容易に行える。さらに前部遮光板の上部中央を押すと、ルーペ(ファインダー倍率1倍)がポップアップし、ファインダー像のフォーカスが確認できるようになる。この辺の機構は中版カメラのウエストレベルファインダーと同一である。
 
 


ルーペを用いずに、ファインダースクリーン像を
眺めたところ。左右逆像になっている。
また、緑色のイルミネータを点灯させている

    このファインダーを装着すると、ペンタプリズムを用いることができないため、左右逆像になってしまう。スナップ等に用いる場合は、多少トレーニングが必要になると思われる。
 

2002/1/16


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