延暦寺
第三十三番
寺名 延暦寺
山号 比叡山
宗派 天台宗総本山
所在地 滋賀県大津市
SPOT
根本中堂  国宝
比叡山の中心は根本中堂(こんぽんちゅうどう)である。長さ90mの回廊は重要文化財。
正面の石段からの写真。霧が多いらしいが、霧の写真は五木寛之さんの本に載っています。

世の中に 山てふ山は 多かれど
山とは 比叡のみ山をぞいふ (慈円)


標高848m余り、観光地化しつつあるとはいえ、周辺を散策すると霊峰比叡を肌で持って感じる、全体があまりにも大きいために、俗化した分はごく僅かである、それ程に、深い山である。1994年ユネスコの世界文化遺産に選ばれている。

比叡山には、延暦寺という名の堂塔はない、この辺り、すべてが延暦寺である。
京都の鬼門に当たる、この場所は、いまも京都を守っている。
最澄が開祖であるが、数々の名僧が比叡山で修行したことから、「日本仏教の母山」と言われている。比叡山で修行した僧は、法然(浄土宗)親鸞(浄土真宗)栄西(臨済宗)道元(曹洞宗)日蓮(日蓮宗)。

延暦寺は、大きく三つの地域に分かれる。東塔(とうどう)、西塔(さいとう)、横川(よかわ)。
今回の行程は、京都から比叡山に入り、「田の谷峠料金所」から東塔へ、次に西塔、横川と巡り、峰道レストランで昼食。東塔に戻り「瑠璃堂」へ。ロテル.ド比叡でお茶。再び京都に戻った。このドライブウェ−だけで、料金3,120円。


Snap shot
駐車場で降りると、まず目に付くのがこの石碑。
最澄の言葉「一隅を照らすこれすなわち国宝なり」

自分の生きているところ(一隅)において精一杯生きることによって、一人ひとりが心豊かになり、明るい未来を実現していこう。ということ。
大講堂
鐘楼
お布施を出すと撞ける。いい音色が出る。
根本中堂への坂道
お寺は、奥に行くほど上がって行くのが普通ながら、ここは下って行く。参拝者を大きく受け入れるように。
根本中堂正面の石段
ちょっと躊躇するくらいの急勾配。
ここからの景色がトップの写真。
文殊楼
左の石段を登るとある。比叡山の総門。
楼上に登れるが、これまた急な梯子。スカ−ト厳禁である。智慧の文殊菩薩を拝む事が出来る。
戒壇院
最澄が定めた天台宗の戒律を受ける日本唯一の根本道場。最澄入滅後6年、ようやく建造を認められた。
法華総持院への階段
雰囲気のある階段。52段ある。人が悟りを開くには52の段階が必要とされる。「成仏への階段」である。
法華総持院
東塔と阿弥陀堂
法華総持院
灌頂堂
昭和59年、佐川急便の会長の御寄進により再建と立て札があるが、何故か立ち入り禁止。少しお邪魔して撮影。
西塔
常行堂の前の素晴らしい苔。
弁慶の担(にな)い堂
常行堂と法華堂は渡り廊下で繋がっている。
弁慶が、渡り廊下を肩に、両天秤のように担いだという逸話から両方合わせて弁慶の担(にな)い堂と呼ばれる。有りがちな話し(笑)
釈迦堂への階段
弁慶の担(にな)い堂から釈迦堂への階段を振り返って撮影。
ここも下って参拝である。
釈迦堂
織田信長の比叡焼き討ちにより焼失したのを、豊臣秀吉により、三井寺の金堂を移築した
椿堂
見落としそうな所にある。聖徳太子が入山した時に、杖にしていた椿をさして帰ったところ、根を下ろしあたり一面に育ったとか。大きな椿の木がある。
ひっそりした渋い堂である。
浄土院への参道
この素晴らしい参道。自然のあるがままに感激。
浄土院
伝教大師御廟。最澄が眠る、比叡山で最も清浄な聖域。東堂から歩いて参拝する場合は、ここが西塔の入り口になる。
ちりひとつなく完璧。ここに仕える僧は、待真と称され12年間、ここから一歩も出ない。毎日午前3時起床。気の遠くなるような修行である。
横川中堂
石垣の上に立つ、清水寺の舞台と同じ、いわゆる懸造り。

参道には石仏がある。
西国三十三所巡礼が出来るようになっている。
これは、第二番紀三井寺。
恵心堂
「往生要集」の著者、恵心僧都源信が籠もったところ。
あまり誰も立ち寄らない雰囲気。
ひっそりと静かに建っている。心が落ち着く
元三(がんざん)大師堂
おみくじの発祥の地とある。ならばおみくじと思ったが、先客があり、寺側の対応を見てると、退いてしまった。おみくじも軽々に出来ない。
絵は、角大師(つのだいし)の厄除け護符
由来を書いた石碑。
これももらい損ねた。比叡山の奥の奥。もう少し温かく迎えてくれてもいいのに...。
元三(がんざん)大師堂
四季講堂
元三(がんざん)大師堂
これは、回峰行(比叡山の峰々をぬうように巡って礼拝する修行)の時、の蓮華草鞋(行者草鞋)だろう...何かを語りかけてくるような..芸術的な写真になりました。
杉の皮を剥いたばかり...。
裏参道を歩くと、こんな景色が面白い。
峰道レストラン
もうお腹が空きすぎた..。期待出来そうにないメニュ−。食事時を過ぎているとはいえ閑散過ぎるな〜..。
出てきた、カツ丼。フタを開けてガックリ、一口食べてカツの堅さ、油に辟易。とにかくお腹をふくらして早々に退散。
瑠璃堂
再び、東堂の駐車場に車を停めて、約15分。道路に沿って山道を歩く。誰にも行き交わず不安一杯。
突然道が開けて、断崖の下に、忘れ去られたような小さなお堂がある。
信長の焼き討ちを逃れた唯一の建物。
徹底して破壊した、信長軍さえ見落としたような場所にある。妙に納得。室町末期の建築物がここに残ってる。
長い道のりも相まって、必要以上に感動した。
ロテル.ド.比叡  ホテル
フランス風でなく、フランスです。
とパンフレットで豪語するだけあって設備、接客も万全。
お昼のお口直しにお茶。
二人でクッキ−セットとハ−ブ茶。
料金は昼食代より高くなるのが難点(笑)

朱印
 

五木寛之の一言
「山にはいる」ということ。それは、日本人にとって古代から、特別な意味をもっていたのではないか。「山に霊が宿っている」という感覚は、こうして山中に身を置くと実感できる。
kazu_sanの一言
比叡山にはススキが似合う。

万葉集に、「秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七草の花。萩の花、尾花、葛花、撫子の花、女郎花また藤袴、朝貌の花」(山上憶良) と詠まれた秋の七草。
今風には、
@ハギAキキョウBクズCナデシコDオバナ(ススキの事)EオミナエシFフジバカマ
春の七草は全部お粥に入れて食べることが出来るが、秋の七草は食べられない。
萩も咲いていたが、ススキがいい。


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