
『第1部』
Black Star Evil Eye Brothers Trilogy Suite Op.5
より第一楽章 Blitzkrieg
<上記各曲オーケストラ・アレンジ:斎藤恒芳>
『第2部』
マルムスティーン:エレクトリックギターと管弦楽のための協奏組曲
変ホ短調 作品1「ミレニアム」<世界初演> Y.J.Malmsteen
: Concerto Suite for Electric Guitar and Orchestra in E-flat Minor Op.1
"Millennium"
T.Icarus Dream Fanfare U.Cavalino
Ranpante V.Fugue W.Prelude To
April X.Toccata Y.Andante Z.Sarabande [.Requiem \.Vivace ].Presto
Vivace XI.Finale
〜 PROGRAM NOTES(各曲解説) 〜
特別な夜。
他にどう形容する言葉があるだろうか。そう、これから自分は歴史の目撃者になるのだ。
王者
を追いかけつづけ早10年、 これから彼の音楽家としての集大成、大きな大きな悲願の達成という瞬間を共有する、これ以上の幸せはない・・・興奮を押さえきれない私は会場に着く前から「気が動転・パニック」状態に陥りやけに落ち着きが無く挙動不審。パトロール中のおまわりさんがいたら間違いなく
職質されていたに違いない。
錦糸町、墨田トリフォニーホール。開演15分前、会場の雰囲気は一種異様な空気に包まれていた。
それは言うなれば、「とまどい」。
上品かつ荘厳な雰囲気の会場に見事なまでにミスマッチなむさいメタラー千人超(もちろん(?)クラシックの会場は初めて)。もう時間がないのに今ごろ必死こいて高速フレーズを繰り返し(20回以上)復習するフルート奏者(どうも運指が巧くいかないらしい)。落ち着いて早々と席に付いている数人の別の奏者は、もの珍しそうにこちらを眺めている。
向こうにしてみればこちらは上野のパンダだ。
あああ、なんだか落ち着かないよ〜
時間になり、オーケストラのメンバーが席に付く。100人はいるだろうか。そして開演のアナウンスと場内暗転。
シーーーーンと波を打ったかのように静まり返る場内。
「ポロン・・・」ハープによる黒★のイントロだ。 そして激しい指揮に合わせて、いきなりトップギアの激しい演奏!
「凄い・・・なんだ、この高揚感は!」
オーケストラのみといえど、オリジナルに勝るとも劣らない、「グルーヴ」!そして「悲壮感」! まるでプロレスの入場テーマ曲! 王者の登場を今か今かと待ち構える・・・
そして、遂に王者登場!!!

やべ、こんなに痩せてねーや。どーもすんまそん。
満場の拍手に手振りでこたえる王者。そして指揮者とがっちり握手。
ん?
いつもの無邪気な笑顔に若干陰りが見える。 どうやら王者、相当緊張しているらしい。彼も人の子なんだ・・・
オケアレンジされているとはいえ、 お馴染みの各曲でところどころ歯車が狂う王者とオーケストラのコンビネーション。 一曲終わるごとに吹き出る汗を忙しくタオルでぬぐう王者。 指揮者は必死にアイコンタクトを試みるが、王者がそれに答えるのも最初の数曲のみ。 観客にできることといえば、はらはら・どきどき・ただただ見守るのみ。 咳払いも遠慮がちにさせるその緊張感漂う中、逆に喉飴を詰まらせて咳き込む最低な俺。
そんなこんなも束の間、楽曲はコンチェルトに突入。 40人のクワイアも登場して、より迫力と輝きを増す楽曲の数々。
王者にも若干の余裕が・・・ ていうか徐々に自分の世界へトリップしつつあるのが手に取るように分かる。 アクションは派手になり、顔でチョーキングしちゃったりなんかして、 紡ぎ出すメロディーは幾分暴走気味ながらもほどよい狂気を含み、確実に観客のハートをわしづかみ!!! こうなったらもうこっちのもんだぜ状態の王者! 前半とは打って変わってスウィーーーングしまくる王者とオーケストラ!!!

極めつけはアンコールのFar Beyond The
Sun! この至高の名曲を誇らしげに弾きまくる王者のその姿は、
まさに現代のパガニーニ!!! そう、歯弾きが飛び出してもパガニーニ!!!
「ぶらぼーーーーー!!!」
大大大歓声と拍手!!!
スタンディングオベーーーーション!!!
まったくよー誰だよ、「奴は終わってる」なんて言ってる奴は(怒) 今日のショーは最高だったぜ。今まで数限りなく行ったライブの中でもダントツだ。
ああ、そうだ。 「イタリアからはるばる着たんだから、王者に会わせて〜」
と一介の受け付けに迫っていた、
ロマノ・ヴルピッタ(仮名)さん 、
会えましたか???
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