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楽譜(参考運指つき)
楽譜(音の高さと長さの情報以外はほとんど削除した状態)

フランス組曲 4番 変ホ長調 BWV815 〜 ジーグ

これを弾こうとすると、間違えて、6番のジーグ主題を変ホ長調で弾いてしまうことがあります。
左手の主題が入るあたりで指がもつれ始め、ようやく間違いに気づく。
それぐらい記憶に残りにくい曲です。

「ジーグらしいリズム」ってのがはじめから決まっているぶん、曲には個性を持たせにくいのかなと、つい作曲者に同情してしまったりしますが、とんでもない話。
バッハの他のジーグがどれだけ個性的か考えれば、これが「はぐらかし工作」の一環であることは明らかです。

これの良いところは演奏がさほど難しくないこと。
ジーグってのは難しいものが多いんですよ。
演奏の容易さでは2番のジーグといい勝負です。
これに限らず全体にとっつきやすい曲が並んだ4番ですけど、アルマンドからジーグまで一気に全部おぼえて何か達成感を味わおうなんてことは考えないほうがいいです。
曲の中身とは無関係に、このタイプの達成感って、何かむなしさを伴うんですよ。
適当に年月をおいて、弾きたいと思ったものだけ気楽に一曲ずつパラパラっとおぼえていったほうがトクです。

ちなみに自分は2番で一気まるおぼえをやり、達成感だけ味わって、その後数年間2番は弾かなくなってしまいました(結局、もったいないからと全部おぼえなおした)