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楽譜(参考運指つき)
楽譜(音の高さと長さの情報以外はほとんど削除した状態)


ゴルトベルク変奏曲〜第21変奏(7度カノン)

30曲中3曲あるト短調の一つ。
短調化したことで自動的に起こる変化を差し引けば、バスラインはそんなに崩れてません。
そうですか、そんなに崩れていないんですか、それが何か?
いや、なんでもないです。
ここまで変質したものつかまえて、お、まだ持ちこたえてる、なんて馬鹿すぎです。

短調の3曲は人気ないでしょうね。
通しで聴こうとしてもけっきょくそこだけは飛ばしちゃう人が多い気がします。
CDだとそれが簡単にできますが、ライブ会場だったりするともう眠るしかない。
変奏曲でずっと同じ調が続いたら退屈だろうからたまには調でも変えて、みたいな大きなお世話的サービス精神は伝統なんでしょうか。モーツァルトもベートーヴェンもみんなやってますね。
いきなりジメジメした空気持ち込むんじゃねえよボケ、と、思わない人がいたら顔が見てみたいです(ホントは見たくないです)
長調の変奏曲に短調混入だと不人気なのはまあ分かるとして、その逆はどうなんだろ。
短調の変奏曲ってのがなかなか思いつかない。
ベートーヴェンの作品番号なしハ短調なんてのがあったっけ。出だし以外おぼえてないけど。
シャコンヌやフォリアなんてのも一種の変奏曲か。バッハとコレルリのしか知らないけど他の人もつくってんのかな。
基本は定型繰り返しなんだろうだけど、たしかバッハのシャコンヌには長調部分があったような気がする。もしかしたらなんかいい感じ、かも。

この第21変奏、7度カノンは、聴くのはつらくても弾くのはけっこう楽しい。
いや、ほんとは聴くのだって楽しい。
正確にいうと聴く楽しさと弾く楽しさがいいレベルで一致してる。
ソプラノとアルトの離れ具合、7度ってのが絶妙。両者が何をやってるか完全にきき分けられる。
でもってアルトの位置が絶妙。とてもいいバランスで右手と左手に振り分けられる。
「おー、カノンだ、たしかにカノンだ」と無邪気におもしろがれます。