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カラオケ好きはボケ知らず

カラオケの効用

 人間は歌う動物です。歌うことは人間本来の欲求といっていいでしょう。カラオケという音楽への参加のしかたは、日本が生んだ素晴らしい文化です。社会が必要と認め、人々がそれを育て守ってきたものが「文化」だとすれば、カラオケは立派な文化といえるでしょう。歌っているうちに楽しさや心地よさに酔いしれて、いやな事もわすれてしまう…というのがカラオケの最大の魅力であることは間違いないでしょう。いわゆる、カタルシス効果(自己浄化作用)と呼ばれるものです。楽しみながら気持ちよく歌っている限りにおいて、カラオケは心身の健康維持に役立ちます。
脳の活性化に優れた効果があると専門家も太鼓判を押しています。
@歌うことは全身運動である
A歌詩を覚えることは脳のトレーニングになる「シーター波」
B友達が出来て楽しい
といったカラオケの利点はボケ防止にもつながります。これまでカラオケの効果としてあげることの多かった「ストレスの解消」ですが、なぜそうなのか充分な説明がありませんでした。ところが最近の大脳生理学や分子生理学の発達によって、そのメカニズムが分かってきました。

 

カラオケでボケの芽を摘む 

 人間というのは往々にして自分の身に起こる老化現象を認めようとしません。というより、いつまでも若いつもりでいます。勿論気持ちを若く持ち続けるのは大切なことです。「病は気から」と言われるように気持ちの持ち方ひとつでその人のあり方も変わります。たいていの人は「年をとるとボケる」と漠然と考えています。しかし脳の老化現象即、ボケに至るわけではなく、病理学的な原因によるものだといわれています。

 ボケの最大の原因は何と言っても「孤独」です。友達がいない孤独な人ほど脳への刺激が少なくなりますから、脳の萎縮を引起こしやすいと言えます。よくボケないためには趣味を持ちなさいと言われますが、それは趣味を持つことで頭を使うことはもちろん、趣味の先にあるものがボケを防ぐということです。

 例えば趣味があれば人と交わることが多くなり、外出のチャンスもあるでしょう。人と会うことが増えれば服装やオシャレにも気を遣い話題も豊富になるでしょう。何と言っても気分転換にもなるといったメリットが沢山あります。

 さて、ここでカラオケの出番となります。音楽が脳の活性化に効果があることは既に述べたとおりです。しかし、歌う楽しさだけをとってみれば、合唱サークルに入ってみたり、風呂場での「ハナウタ」も同じではないか」という人もいるでしょう。たしかにその通りですが、カラオケの特性として、「歌を通じて友達ができやすい」点があげられます。たまたま居合わせたスナックで、見知らぬ同士が打ち解けて楽しむということも良くあります。コミュニケーション・ツールとして大変優れた特性と言えるでしょう。

生きがいの喪失がボケの始まり

日常的にできるボケの防止として
@良き姿勢
A良き歩調
B人目を気にする
の三つの要素があります。
 患っている人に姿勢の良い人はいません。背筋を伸ばして颯爽と歩いている人はあまりいません。だいたいうつむき加減に歩いています。ネコ背の人はどうしても呼吸が浅くなってしまう。健康の秘訣は”呼吸”にありますから、酸素をきちんと取り入れることがボケ防止の第一歩なのです。人間は足腰から衰えていくといわれています。「歩いている時は寝ている時より10%も脳細胞の働きが盛んになっている」と説く学者もいるほどです。歩くことで血行が良くなります。全身の血行が良くなると、血液で運ばれた酸素や栄養が充分に脳にも行き渡るわけです。

 第Bの人目を気にするということですが、”スターはボケない”と言われます。何故かというと、常に沢山のファンの注目を集めていますから、ファンの期待を裏切らないようにと絶え間ざる努力と工夫を怠らないからだというのです。スターと全く逆がオバタリアンといわれる中年女性でしょう。込み合っている電車の隙間を目がけて割り込むといった光景を良く見かけますが、なぜ人目を気にしなくなるかといえば、色気を失ってしまうからです。

 女性の場合はやはり、いくつになっても自分のプロポーションに気を遣い、肌のたるみに気を使う人の方が”ボケ”という言葉から遠くなります。部屋に一人でいて人目を気にすることはありません。いろいろな人と交流することが、脳をビンビン刺激するのです。カラオケはその意味で、格好の機会を提供してくれます。人間にとって最大の刺激は異性の存在でしょう。男性も女性も大いにカラオケサークルなどにに参加してみることです。

 生きている以上は、健康で若々しい日々を送りたいと考えます。そのためには何らかの生きがい、目標を持つことでしょう。生きがいの求め方は人それぞれ歴史や価値観によって異なります。長続きするためには喜びが介在することが条件となるでしょう。囲碁や将棋だっていいし、ボランティア活動だっていいのです。勿論カラオケも…。一芸に秀でる人はボケと無縁です。

幸福ホルモン(ハピネスホルモン)

 私達が物事に満足したり、幸せに感じるとき、、脳から「幸福ホルモン」が分泌され、喜びが全身に広がります。幸福ホルモンは便宜上名付けたもので、「脳内モルヒネ」と呼ばれるベータエンドルフィンをはじめ、いくつかのホルモンが確認されています。この幸福ホルモンが盛んに分泌されているとき、人間の健康に絶大な効果をもたらすということです。すなわち、老化を防止し自然治癒力を高め、優れた薬事効果があり脳細胞の若さを保ってくれます。

 反対に怒ったりイライラすると、脳から毒性の強いノルアドレナンというホルモンが分泌され、私達の生命力を削いでしまうのです。中国では「一笑一若」「一怒一老」という諺があり、日本にも「笑う門には福来る」という諺さえあります。また、新曲を覚えたり歌詩を暗記したりする時に、シーター波というホルモンが分泌されます。このホルモンは忘れていた記憶を回復させる効果があるので、ボケ防止に役立ちます。

カラオケは楽しみながら出来る呼吸法

 腹式呼吸が健康にいいには肺の「換気作用」を高めるからです。息を深く吸い込んだ時、お腹を前に出すと横隔膜が下がります。横隔膜が下がると肺は拡大できることになり、それだけ多くの空気(「酸素」取り込まれ全身をリフレッシするわけです。
 通常成人の呼吸は一分間に15〜20回くらいです。歌うときは両肩「鎖骨」を上げないように大きく深く息を吸い込んで空気をすっかり吐き出してしまうまで、長く余韻を残すような歌い方がいいでしょう。歌のテンポにもよりますが、ミディアムテンポの場合、一分間に5〜8回くらいの呼吸が要求されます。これにより血液の流れが良くなります。血液の流れは気の流れに通じ、これが乱れるといろんな病気にかかります。

カタルシス効果

 日常生活の中で自分の言いたいことや、やりたいことを100パーセント達成している人は極めて稀だと思います。そういう人がいればストレスは全く感じないはずです。しかし、言いたいことがあっても言えなかったり、やりたい事があってもやれなかったり、と言うほうが多いのが私達の毎日です。だからこそストレスが溜まるわけです。普段は自分の心にしまい込んでいる積もり積もった思いを歌で開放するいわゆる「カラオケで自己表現する」つまり、ある歌に託して心のメッセージを表現するわけです。これがカタルシス「心の浄化作用」というもので、音楽の持つ大きな作用の一つです。

 歌だから言える、これが歌を唄う事の大事な意味だと思います。たとえばサラリーマンの愛唱歌といわれる「昴」この歌を唄うと「なぜか気分が晴れ、自分の存在感も感じられる」という人も多いのではないでしょうか。この曲で注目すべきは「されどわが胸は熱く…」の「されど」でしょう。日々仕事に追われながらも、明日からは違った生き方をしてみたいしかし現実には明日も同じことやるだろうということも分かっているのが、世の中のサラリーマンたちだと思います。

 そういう自分の限界を知りつつ,それで終わらずに「されど」やるんだ、やらなければおれない、というところが胸にジーンと響くのではないでしょうか。つまりサラリーマンの皆さんはこの歌を唄うことで自分を励ましているわけです。カラオケはこうして歌に託して自分こころのメッセージを表現するというのは、実は日本人の国民性に合ったものと言えるでしょう。

 日本人は、控えめで目立たないことを美徳として考えてきました。ですからコミュニケーションの場でも「察し」「腹芸」「以心伝心」が尊ばれたのです。自分を表現したいという潜在的な欲求は誰にでも間違えなく存在しています。ただそれを表現する術がなかっただけです。「愛しても愛しても、ああ人の妻…」「抱いてください、もう一度」歌だから言える心のメッセージ「なのです。

脳を活性化する「快楽ホルモン」

 ジョギングしている最中は「ランナーズハイ」と呼ばれる状態にあるそうです。脳の中のベータ・エンドルフィン「内因性ホルモン」という化学物質が盛んに分泌され、本来苦しいはずの走行が何ともいえぬ気分になるといいます。ベータ・エンドルフィンは脳内の痛覚を伝達する神経を遮断し、「快楽ホルモン」ドーパミンの分泌を促進します。つまり、その結果として、苦しみが消減し心地よい快楽をもたらす訳です。「自分を誉めてやりたい」と感じる全身的、精神的な「快楽」です。心のエクスタシーと言ってもいいでしょう。有名なマズローの欲求五段階説によると、人間の欲求は豊かになるにつれて、衣食住などの「生存欲」「安全欲」(安定)「連帯欲」「自尊欲」「自己実現欲」と言うように段階的に高まっていきます。「自己実現」の欲求が満たされることが人間の全存在的な「快楽」だからでしょう。

カラオケは全脳のトレーニング

 人間の大脳は左右に分かれていますが、大雑把な分け方をすれば左脳が言語などの記号を処理しているのに対し、右脳がイメージなど絵画的な情報をあずかっています。一言で表現するならば左脳は「言語脳」であり、右脳は「イメージ脳」です。私達の普段の生活は左脳中心になっています。仕事、勉強、読書など、いずれも論理や言葉を使う作業が殆んどです。

 脳の特定部だけを使っていると、年をとってからボケが出やすいと言われています。常日頃から脳全体を使うよう心がける事です。左脳を本当に休ませるためには、右脳を刺激することが必要となります。そして、右脳の刺激にはなんといっても音楽が効果的なのです。右脳は別名「音楽脳」ともよ呼ばれているほどですから。

 歌っている時、脳は激しく働いています。歌詞のイメージを思い浮かべながら歌ったり、ちょっとした振りを交えたりして自分の歌を唄うことで、カラオケは全脳トレーニングになります。更に人前で歌うことは、適度の緊張感があり、気が引き締まりり、美しくなります。そして肩の力を抜いて日々リラックスして前向きの生活をする事が心身ともに健康の秘訣だとおもいます。

 

理性・知性・感性を磨いて高い人格の向上を目指すのが人である以上、
人生の目的(生きがい)をもってこそ、健全な精神を鍛えることができる。