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雑記帳
歌垣

 太古の昔、日本には”歌垣”(うたがき)という風習がありました。上代、つまり奈良時代の前期の頃の話です。男女が野に山に出て、木の実や草の実、鳥獣などで食欲をみたし歌を詠みかわして踊り遊んだりの行事が”歌垣”です。
 それだけではなく、これは一種の求愛の形で、性的な解放も目的とした行事でした。そこで詠みかわされた歌というのは三十一文字(みそひともじ)の和歌であったと言われています。
 もともと和歌というものは、文字で書き記す文学的なものではなくて、口承文学つまり人の口から口へと語り伝えたものでした。現代でも詩吟など、朗詠という形で詠われています。

盆踊り〔精霊をもてなす儀式〕

 盆の行事は地方ごとに様々あるが、全国的に一番よく知られているのは「盆踊り」であろう。盆踊りはもともと娯楽として始まったものではない。祖霊やその他の精霊を迎えてもてなす意味がある。そのもてなしにも、さまざまあり精霊棚を設けるのもそうだし、仏壇を供物で飾るのもそうである。

 盆踊りでは霊魂を慰撫するための踊りで、両手を下方で左右に揺らす所作がその表現である。慰撫が特に必要なのは神仏や飢餓仏である。それは迷える霊であり、恐ろしい存在でもある。これを必要以上になつかせないように、祀る棚も仏壇と分けたりもする。踊りでも慰撫はするが、かといって後々まで依りつかれては困る。時々それを拒否して払わなくてはならない。手のひらを顔の前に左右交互に立てる所作が、その表現である。笠をかぶったり、仮装をしたりして踊るのも霊魂の憑依を未然に防ぐため、とみることができる。
 盆踊りは基本的にはこの2種の手の動きを大事にするものであった。それに派手な手振りや足運びが加わり、鉦(かね)太鼓や笛も加わって、時代と共に芸能として発展した。

 盆踊りは集団の踊りで、その様式にも2通りがあり1つは
輪踊り。櫓(やぐら)や篝火(かがりび)の周りを輪になって音頭に合わせて踊る。音頭とりと踊り手が歌と合いの手をかけ合う形もその場に彩りを添える。
もう1つは、
行列型で、もともとは家々を巡って踊っていた。輪踊りよりも古い形式で町場では通りを群行しえ踊ることになった。最近どの地方でも踊られるようになった阿波踊りは、その最も大衆化した事例である。

二十四節季

 「二十四節季」立春・雨水・啓蟄・春分・清明・穀雨…。明治になる前までの日本で長く使われてきた太陰太陽暦(旧暦)での季節の目印である。この二十四節季の一部を新たに置き換えてみようという計画が、日本気象協会で動き出した。
どうして改変雄必要があるのだろうか。その理由に触れる前に、まずは暦そのものや二十四節季についての周辺を整えておこう。夜空の月の満ち欠けをベースにした太陽暦では、地球が太陽の周りを回る一年との間に差が生じる。その誤差(進みすぎ)を2~3年位一度、約約30日の閏月をはめ込んで調整していたのが太陰太陽暦である。現在の太陽暦だと去年の3月14日と今年の3月14日の日中の時間は同じだが、軸足を月に置いていた太陰太陽暦ではそうはいかない。
 太陽暦の運行から割り出された二十四節季は、田植えをはじめとする農作業のスケジュール管理にも不可欠のマーカーであったのだ。二十四節季は2000年以上前の中国で考案された。個々の名は、寒冷な北部地域の気候を基準に命名されたものである。それが暦法と共に古代日本へ伝わったのだ。だから我が国の季節との間にずれの目立つものもある。
 氷が解け雪が雨に変わる「雨水」最も暑い「大暑」暑さが収まる「処暑」雪が降り積もる「大雪」最も寒い「大寒」などの言葉である。たとえば「雨水」の場合は、2月19日頃なので、日本では最も寒い時期に当たり、現実とそぐわない。「大暑」も7月23日頃なので同様だ。二十四節季をさらに3等分した「七十二候」という5日単位の区分もあるのだが、その名称については日本の季節感を取り入れた「本朝七十二候」が江戸時代に提案されている。日本気象協会によると「二十四節季」の中の小満や芒種などの言葉も日常生活でつかわれる場面が減っている。
 これらのことを背景に「日本版二十四節季」の構想が浮上してきたのだが、二十四節季のうち、天文に関する「春分」「夏至」「秋分」「冬至」などの言葉には手を付けていない。検討の対象は季節を表す言葉のみである。
協会では4月から天文学や気象学言語学などの専門家の意見を取り入れつつ、シンポジュームを開いて多様な発想を織り込んだ新しい季節の言葉を来秋までに提案する計画だ。世界一の短詩の俳句に見るように日本人の季節感は
繊細だ。
 先人は節分や八十八夜、入梅、土用といった独自の雑節を作って用いてきた。今回の試みはこの流れをくむ検討で興味深い。気象変動問題に対処する上でも季節感覚を磨いておくことが必要だろう。近年の日本列島は、春と秋が短く夏と冬だけの二極化気象の感がある。まずは言葉の力を借りて、四季の彩りの輝きを取り戻したいものである。


ピタゴラスと天の音楽

 「三平方の定理」で有名な大数学者ピタゴラスは、音楽の面でも素晴らしい業績を残している。音階を構成する各音間の振動数の比を調べて、整然とした整数比になることを発見し(ドとド、ドとソ、ドとファ、ドとミの振動比はそれぞれ1対2、2対3、3対4、4対5である)さらにドの上にソ、ソの上にレと完全5度の音程で上へ音を積み上げていくと、順不同だが、1オクターブのすべての音が出てきて、12番目にまたドが現れることも彼が発見した。

 この発見から彼は素晴らしい霊感を得る。それは天体の運行に見る整然として数の秩序が、音楽の中にもあるという確信である。当時ギリシャの人は、精神と肉体の調和、或いは知性と感性の調和が健康のもとだと考えていた。そしてこの調和の崩れが病気であると見なした。彼は自分の発見から、音楽が病気の治療に役立つと考え、肉体と魂の調和の崩れを音楽の秩序で回復させようとした。

 彼は弟子たちに次のように言って、自分の作曲した歌を唄わせている。
「星空の秩序ある動きは、天に音楽が鳴り響いているからだ。君たちもこの歌で心を浄化し天の音楽を聴けるようにしなさい」。 なんとロマンチックな考えでななかろうか。ギリシャの哲人たちは、このようにして日常の憂さを晴らそうとした。

悪妻を持てば哲学者になれる

 「悪妻は百年の不作」世界三大悪妻の一人がソクラテスの妻サンティッペ。常に小言を云い、ある時は頭から水をぶっかけられた。ソクラテスは平然と「雷の後は雨がつきもの」といい、「良い妻を持てば幸せになれるが、悪妻を持てば哲学者になれる」とつぶやいたと云う。

 
 
珍姓集
 

   名前           読み          名前           読み

   十
   ニ
   正月一日
   小鳥遊
   四十八願
   一寸八分
   六月一日
   十時
   五月一日
   一ニ三

つなし
つぎ
あお
たかなし
よそなら
かまつか
うりはら
いねぬき
さつき
うたかね


子子子
月見里
十八娘
言語道断
五百歳
八月一日
十八女
五月十日
八月十五日

にのまえ
こねこ・ねこじ
やまなし
ねごろ
てくら
いおろい
ほずみ
さかり
つゆり
なかあき


   東南風
   入
   札
   首
   派
   施
   瀬
   陰
   牛糞
   火作
   百度
   金太
   砂金
   浮気
   菩薩
   釈迦如来
   釈迦牟尼
   一ニ三
   四十四院
   一口
   一合戦
   二十九日
   泉ニ

いなさ
かえるだ
ぬさ
おびと・おうし
みなまた
はる
いわた
きた
うくそ・ごこそ
こっくり
ずんど
かのう
いさご・すなご
ふけ
みぞろ
にぐろめ・にくるべ
にぐろめ・にくるべ
いじみ・うたかね
つるし
いもあらい
いちまかせ
ひづめ
もとじ







日日
小豆島
月出里
物集女
老馬
番長
紅白
殺陣師
金持
金玉
一ニ
一富士
一字
一品
一日宮
二十五里
三入

いき
かど
ふびと
みけ
みかづき
ひさし
たちごり
まめじま
ぬだち
もずめ
おんま
はお
いりまざり
たてし
かなじ
きんたま
ひふた・ひふ
たなべ
ようろこ
いっぽう
みのり
つゆひじ
みる

 
 
珍姓集の解説 

 十は「つなし」数える時一から九までは全部「つ」が入りますが十だけは「つ」が入らないので「つなし」です。 「一」はニの前だから「にのまえ」、「ニ」にはその他「つぐ」さんと「つぎ」さんという呼び名もあります。日本の苗字で漢字が二つつながっているのが10くらいあるそうですが、三つ重なっているのは「子子子」と書く「こねこ」さんと「ねこじ」さんだけです。
 「月見里」は「やまなし」月が見える里は山がないからということです。「小鳥遊」「たかなし」鷹のような猛禽がいないので小鳥が安心して遊べるからです。「一寸八分」は「かまつか」鎌の柄の長さです「八月一日」は稲の穂を摘む頃で「ほずみ」「十時」は十二支の中から亥と子を抜くと十なので「いねぬき」です。「五月一日」は「さつき」とか「あお」で時節を表わしています。
「五月十日」は梅雨入りが短くなって「つゆり」「一ニ三」は「ひふみ」と読めますが、どういうわけか「うたかね」と読み、「八月十五日」は「なかあき」秋の半ばということです。
 日本人の苗字でひらがなの入っているのが一つだかあります、「預」りと書いて文字通り「あずかり」と読みます。
 この他に「紅白」と書いて「いりまざり」、「釈迦如来」「にぐろめ」と読むなど、人の苗字と地名はなかなか読み方が分からない字が沢山あります。