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7:15のモーニングコール前に目が覚めて、マドリッドの朝を散歩する。旅行初日の朝は、空気のにおいも違う。6時を過ぎているはずなのにまだ暗い。スペインは、夏時間を使用しているので 朝が遅い。広い通りを 4〜5ブロックほど歩く。たまに古い中世風の建物があるが、ほとんど近代的なビルの街並みだ。あとで鈴木さんが説明していたが 18世紀にカルロス3世が整備した街で、約200年と歴史は浅い。
少しずつ人通りが増えてきた。昨夜の酒が残っているのか 大声をあげている人もいるが、物騒な感じはしない。ゆっくりと明るくなってきた。

今日は イスパニアディで、スペインの祝日らしい。コロンブスが 1492年アメリカ大陸を発見した日だ。スペインは、その後 インカ文明を滅ぼすほどの大略奪を経て、世界帝国を築いた。ポルトガルと地球を2分する トルデシリャス条約を ローマ教皇に承認させたりもした。キリスト教徒の横暴は、昔も今も変わりない。

マドリッドの夜明け

スペインは、またイスラムとの戦いの地でもある。キリスト教徒が、イスラムを アフリカ大陸に追い戻した いわゆる レコンキスタだ。これから巡る都市も その戦いにゆかりの深いところらしい。
今まで スペインは地味な国で 意識が薄かったが、今回の旅で少しは知識が深まりそうだ。海外旅行の効用だ、百聞は一見に如かずである。

マドリッドでは連泊なので、今朝はトランク整理不要。ゆっくり朝食を済ませ、9時集合のバスに乗り込む。午前中 市内観光。午後は近くの古い都市トレドの観光予定だ。

プラド美術館隣の聖堂


街の北側に位置するホテルを出発し、まず プラド美術館で絵画鑑賞。地下含めて3フロアの広い美術館で、ゴヤやルーベンス、レンブラントなど有名な画家の大きな絵が展示されていた。ここは 手で触れるくらいの近さで観賞できる オープンな美術館だ。ただ絵心のない当方は 時差ぼけもあって そのすごさを理解する前にくたびれてしまった。
 約1時間の観賞の後 再びバスで スペイン広場へ。

王宮

第1巻第4号

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