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糖アルコールを用いた含浸保存処理法は、木製遺物や種実中の水分をトレハロースを主とする糖アルコールに置き換えることによって、遺物を半永久的に現状保存することができる画期的な保存処理法です。 糖アルコール含浸保存処理法は、微生物に侵されにくい非腐朽性の性質を持ち、熱安定性に優れ、加熱による着色も起こりません。また、蟻や白蟻による食害の危険性もなく、安全で比較的安価な方法です。また、PEG(ポリエチレングリコール)含浸法などの従来の保存処理法と比較して、含浸期間が短く、遺物本来の色調に近く、加工痕も残りやすいのが特徴です。 糖アルコール含浸保存処理法は、現在も精力的に研究・開発が行われており、複数の糖類を混合したり、含浸速度を促進する方法を開発するなど、新たな可能性に向けた研究も進められております。古環境研究所では、これらの最新の研究成果にもとづいて、各遺物ごとに最適な方法で保存処理を行っております。 |
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保存処理の状況 | 保存処理の状況 | 保存処理した出土種実 |