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嵯峨の春

嵯峨方面に行く途中自宅からチャリンコで10分ぐらいのとある神社(地図リンク)に寄りました。

写真ではわかりませんが玉砂利の地面は桜の花びらで埋まっていました。もう市内は桜が終わりです。

左の写真の木の根元です。



蔵の前もこの通りです。
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嵯峨方面へは以前紅葉の時と同じように太秦の広隆寺の東側の土塀の道(地図リンク)を上がります。するといつのまにか太秦映画村の敷地に挟まれた道となり山陰本線の小さな踏切が前方に見えます。私はこの道が結構気に入っています。踏切を渡って左に折れると線路の向こうに撮影セットの怪物が見えます。

右が太秦映画村で左が京都東映撮影所

広沢池畔南西部付近。赤い花は椿?(地図リンク

広沢池東側

遍照寺山 拡大写真
住宅街を抜け新丸太町通を西へ、南野町の交差点を上がって広沢池畔に出ると池の背景に形の良い山が目につきます。遍照寺山です。昔は遍照寺という大きなお寺があったのですが現在は池から少し南へ行ったところにあります。
広沢池は平安時代より灌漑用の池として利用されていて冬場は水が抜かれます。周辺は嵯峨野の田園、大覚寺、大沢池等があり春、秋の嵐山や嵯峨周辺の人ごみから離れてのんびりしたい時に訪れたい所です。ただ池の東側は新興宗教団体の敷地になっているのが残念です。変な建物建っていないのが救いですが。
ここから東へ少し行くと親子3代にわたり桜守として知られる佐野藤右衛門さんの桜園があります。一般公開もしています。藤右衛門さんは先代と共に全国を歩き桜の品種保存に努めるだけでなく広く海外にも造園と桜の普及をされてきました。また昭和22年枯れ死した円山公園の祇園枝垂桜の後に現在の2世の桜を自園で育て移植したのが先代の藤右衛門さんです。

広沢池を西へ嵯峨野の田園風景を右に見ながら横切ると観月で有名な大沢池があります。秋の紅葉もいいですが春は池の周囲を桜が取り囲み華やかさを感じます。京都の雅な風景を代表するものと言っていいでしょう。もともと嵯峨という地名は平安時代嵯峨天皇(桓武天皇の第2皇子)が財力と政治の安定に物言わしこの地に贅を極めた離宮「嵯峨院」を建て周囲を開発したことに始まります。嵯峨天皇ありて嵯峨あり、という訳です。

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歌人が舟を浮かべて和歌など詠った情景を探しましょう。
水面に揺れる桜の木の影と光・・・・・ 想像力の世界なので後はお任せします。
 
 大覚寺の桜  
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大覚寺はもと嵯峨院の跡地だった建物です。
たまたま華道祭が行われていました。花を愛した嵯峨天皇の命日(15日)に写真のように女性が献花する儀式が行われます。
ここ大覚寺は嵯峨流いけばなの家元でもあります。

大沢池の東側より嵯峨野の田園地帯に戻り逆時計方向にUターンし(ようわからんわ)北の山側にそって散策、嵯峨鳥居本方面に向かいました。

嵯峨野をあるきましょう

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嵯峨野さやさや〜♪ そんな歌がありました
拡大写真北嵯峨の民家
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まわりは住宅地。このような風景がいつまで見られるのかわかりません。
大覚寺の北側は家が増えてきましたが市街に近い嵯峨野の田園風景はいつまでも残しておきたいとここに来る度に思います。

ミツバツツジが点在する山。山上の向こうに嵯峨天皇稜があります。
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右の写真は鳥居本の東の方。立派なお宅の周囲には桜が何本もあります。また塀から覗くミツバツツジの淡い紅が逆光に透かされてきれいだったので写真を撮りました。

この後昨年の紅葉で来た鳥居本へ。
手前はよくわかりませんが小松菜でしょうか?

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嵯峨鳥居本は秋の紅葉なら大勢の観光客が訪れます。しかし春は少ないです。下の写真と昨年秋の紅葉の写真を比べればよくわかります。
この後嵐山に寄ったのですがやはり先週ほどの混雑ではないものの多かったです。

紅葉の時撮った場所です。今回は左寄りからの角度から撮っています。
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萱葺きの民家は西山や北山の郊外に時折見受けられます。
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紅葉と竹林の組み合わせは多いですが桜と竹林はどうでしょう?
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ここまで来ると歩いている人が本当に少ないです。
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平野屋の前。これより西は清滝方面へ、この鳥居を右に折れ峠を越えると保津峡、水尾、越畑へ行けます。
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化野念仏寺です。この辺りは古来風葬(死人を野にさらし葬る事)の地で死者を弔う為に空海が建てたお寺。法然上人が後に「念仏寺」と改めました。 拡大写真

8月の盆、無縁石仏にろうそくを灯す千灯供養で広く知られていて嵯峨の夏の風物詩となっています。
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参道の帰り道です。秋の紅葉時はこの時間人がいっぱいでした。嵯峨鳥居本イコール紅葉のイメージが強いせいか春は寂しい。
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嵯峨鳥居本から嵐山へ向かうに従い人が多くなってきました。案の定天竜寺門前を過ぎると繁華街並みの人出です。やはり嵐山は春が一番?なんとも言えませんが。

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渡月橋上からの写真です。午後の逆光気味がかえって平凡な写真にならずに済みました。嵐山の風景写真は本や雑誌でよく見かけるので京都人の私は違った視点で撮りたいと思っています。
春になると日本人を駆り立てる桜とはなんなのでしょう?古来から和歌などで詠われてきた桜は数知れません。妖しく魅惑的ながらはかなく散ってゆくその姿に共感する、それが日本人の心なのかも知れません。