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      千本釈迦堂、釘抜地蔵


北野天満宮を出て昼食のあと近くの千本釈迦堂や釘抜地蔵などを訪れました。
実はこのあたり昔は蓮台野(れんだいの)と呼ばれ鳥辺野(とりべの)、化野(あだしの)と並ぶ埋葬の地でお寺が結構多いのです。
その後は南に向かい市内の中心地を目指します。

近為、千本えんま堂地図リンク


千本今出川(地図リンク)を北に行くと
千枚漬けで有名な「近為」があります。
この先が千本えんま堂(引接寺)です。

千本えんま堂の鐘楼。周囲は駐車場?
本堂には閻魔さんが鎮座。
5月1日より4日間狂言が演じられます。
鐘(?)の上にあるのは閻魔さんの湯のみ茶碗で、ここに賽銭が入ると何万倍のご利益があるそうです。
挑戦しましたが15センチほど左にはずれました。


千本釈迦堂、釘抜地蔵
千本えんま堂よりやや北野天満宮よりに戻り千本釈迦堂(地図リンク)、その後、釘抜地蔵(地図リンク)と周ります。


千年の都と言われる京都ですが800年ほど前に建てられた千本釈迦堂(大報恩寺)の本堂が京都市内で一番古い建物で国宝に指定されています。
所蔵の仏像などはかなり貴重なものだそうで一般公開しています。

左上は北野経王堂願成就寺。足利義満将軍が将軍家に叛き明徳の乱(1391年)を起こした山名氏清とその兵及び味方の兵を弔うために建てた元は大きなお寺でした。その後解体され遺構の材木を使って移築された御堂です。

本堂を建てている時に大工の棟梁高次は計算ミスで4本の親柱の一本を短く切り落としてしまいました。困っている夫を見かねた女房の阿亀(おかめ)は他の3本も同じ寸法に切り揃えたら、と助言しました。高次はそのおかげで無事に工事をこなし本堂を完成させる事ができたのです。しかしそのお亀さんは棟梁の名誉を守ったにもかかわらずいずれ知られて名誉が汚れると思い完成の前に自刃してしまいました。悲しんだ高次はその阿亀の福面を作り供養と完成を祈願したと言われています。
供養塔は江戸時代中期に建てられ参拝者は建築関係の人が多いそうです。今でも京都では棟上の際”おかめ御幣”を飾り祀る風習があります。
このあたりは西陣の一角で下町らしさが見られます。 千本通りに面した石像寺(しゃくぞうじ)、通称釘抜地蔵の入り口は小さいので見落としやすいので車で行くのは避けましょう。だいいち駐車場がありません。
その昔原因不明の両手の痛みに悩んでいた紀の国屋道林という人がここを訪れ願をかけると満願の夜夢に地蔵が現れ、前世に人を怨んで人形を作りその両手に釘を打った因果であると説明し、その2本の八寸釘を取り除いたと言われ指し示した。目が覚めると両手の痛みが消えていたと言います。
境内は参拝者が絶えません。子供までも・・・・?

地蔵堂の周りには2本の八寸釘と釘抜が「御礼の絵馬」として納められます。
祈願者はかぞえ歳の数だけ竹べらをもらい、お堂をひと周りするごとに祈願し1本ずつ返していくのだそうです。
写真は地蔵堂の右側から撮っていますがお堂の背面に小窓が見えるのがわかるでしょうか?ここから竹べらを返します。

膏薬の図子、菅大臣神社

帰り道の途中市内のど真ん中に近い膏薬の図子(こうやくのずし)(地図リンク)と菅原道真ゆかりの菅大臣(かんだいじん)神社(地図リンク)に立ち寄ってみました。


図子とは旧京都市内の狭い裏道の事ですが、ここは路地裏というべきでしょう。
四条通りの賑やかな商店やオフィスビルの並びを眺めながら歩いているとそこだけ昭和20年代にタイムスリップしたかのように古い民家が並ぶ路地が目に飛び込んできます。その路地が膏薬の図子です。路地に入って50メートルもいかない民家の軒先に小さな祠がありますが、こんなめだたない所にひっそりと平将門が祀られています。平将門は四条河原で首を刎ねられこのあたりでさらされたが恐ろしい形相をして関東方面に向かって飛んでいき、かつて東京の大手町にあった神田明神の御手洗池に落ちたという伝説です。しかし将門の怨霊を恐れる民衆の迷信が生んだ話だそうで史実は上総の国で処刑されています。


平将門の祠

菅大臣神社

膏薬図子を南に行くと綾小路に出ます。左に行くと市内で一番大きな町家の杉本家があります。反対の右方向に行くと車の多い西洞院通りに出るのでそこを左(北)に折れそのまま200メートルほど行くと鳥居があります。参道の入り口です。参道の奥に天神さんがあります。ここには菅原道真の誕生の地とされ産湯に使った井戸もあるといいます。
道真公が左遷される時に詠んだ「東風ふかばにほひおこせよ梅の花 主なしとて春なわすれそ」と詠われた飛梅の地がここです。正面の東側の参道も南北の参道も路地で「とうりゃんせ」で歌われる「ここはどこの細道じゃ」とイメージが一致します。
ところが京都にはもう1つ誕生の地が御所の近くにあります。どちらが本当なの?
いつかもう一方の生誕の地を紹介したいと思います。