特殊ユニットって むずかしい?

2001.07.30 create

Aシリーズのシーケンサーは もう本当にいろいろな種類の特殊ユニットを出しています。特殊と言ってもですね、シーケンサーのX−Y入出力以外の入出力ユニットを指すわけですから ほとんどが特殊の部類に入ります。(だけど、X−Yでも通信で親子になっているものは特殊に入ってしまいます。)そうですねぇー、個人的な見解で特殊ユニット類を分類すると次のようになるのではないでしょうか。

  1. 通信関連
  2. アナログ信号の入出力
  3. 各種モーター等の制御関連

● 通信関連

それぞれ、説明していきますと 1の通信ではシーケンサー同士のデータ交換はもとより、いまでは“何でも通信でつなげてしまおう”なんていうような感じが見受けられます。通信方法も何種類かあり、装置の性格や、安全性を考慮して選べるし 通信ケーブルも何種類かの中から選択できるのです。が、しかし これがまたね、悩むのですよ。そんで、“めんどーだ 前回と同じでいいや”となる訳で実際には適材適所とはいきませんね。

そんじゃー通信で何がつなげられるかというと 例えば、

まあ、制御と名の付く物なら大抵は つなげてしまえると ゆーよーなモンでしょうか。
使い勝手の問題は多々ありますが、なにかと恩恵がありますので 長所、短所を説明させていただきます。

  長所 短所
X−Y入出力
  • 単純にX−Yのみを扱うI/O LINKユニットなら非常に簡単。設定作業は局番設定のみ。通信ケーブルも市販品でOK。
  • MINI−S3のシステムは比較的、古くからあるため、堅牢性、安定性が良いと思う。
  • X−Y入出力で速さが通信速度が必要ならCC−Link。距離もかせげるしね。
  • I/O LINKユニットは親機1台で64点までの入出力しか割り当てられない。(X−Yに同じ番号を使用するなら128点可能)
  • リモートI/Oユニットはノイズや静電気に弱い。
  • MINI−S3やCC−Linkはラダーシーケンスによる設定工程が不可欠。
  • CC−Linkの通信ケーブルは三菱電機指定のケーブルを必要とする。
シリアル通信
  • RS−232Cなど一般に知られた通信手順を使用できる。
  • ケーブル等も これまた一般的な物を使用できる。
  • 設備費用が安価に設定できる。
  • プロトコルなど最初の設定に専門的な知識が要求される。
  • 通信速度が遅い。(これは仕方ないよねぇ)
  • 自局や相手機器に通信用のプログラムが必要。(作るとなると結構面倒だけど予め用意されている機器もある)
CC−Link
  • 通信速度が速い!?
  • CC−Linkに準拠した機器が接続でき、その数が結構ある。
  • 総延長が最大1.5kmと長い。
  • 子局がダウンしても他局に影響無し。
  • 通信中に子局の取り外しなどが出来、メンテナンスに有利。
  • CC−Linkの通信ケーブルは三菱電機指定のケーブルを必要とする。
通信対応機器
  • サーボアンプやインバーターなど多くのパラメーターを必要とする機器は通信でデータを管理、制御できるから非常に有効。
  • 種類はやはり、限定される。
電話回線
  • やはり、サービス性でしょう。なにかしらのトラブルが発生したとしても遠隔地からパソコンでモニターが出来て、サポートが行えますからね。
  • 機器まで電話線を引っ張らなければいけない。
  • 携帯電話も取り付け可能だが普通は工場内って電波の入りは悪いよねぇ?

それじゃー個別に説明します。

(リモートI/Oユニット)

三菱電機にはリモートI/Oユニットと名のつくものが たくさんありまして、システムの違いでその使い方も形状も違います。
ここでは、X−Yの入出力しか出来ない”I/O LINK”と”CC−Link”の2種類を取り上げます。

(I/O LINK)
ご存知のとおり、Aシリーズのシーケンサーはユニットがブロック形状をしていて、スロットに差し込む方法になっています。1スロットあたりの最大割付点数は64点で通常のI/Oユニットはユニット自体に端子台なり、コネクタなりが付いています。
このユニットをそのまま、スロット側を親とし、端子台を子として 分離したのがI/O LINKです。シーケンス上の設定は無く、それぞれのユニットに付いているディップスイッチとロータリースイッチで親子のアドレスを設定するだけで、簡単に使用できます。
子機は4点、8点、16点の各入力、出力と分かれるものと、4点の入出力共用があります。
ただ、このシステムは親機1台あたり、64点と少ないので 制御する個所が広く分散している所には向かないでしょう。(コンベアラインなど)

(CC−Link)
ここ数年で急速に浸透してきた感のある通信システムで、リモートI/Oユニットはかなりの種類があります。
通信速度は10Mbpsから156Kbpsの間で数種類 選択でき、最大通信距離も1200Mになります。
I/Oの最大点数は2048点になり、ユニットは8点、16点、32点の各入出力、および入出力の混合ユニットになります。ユニットは最大64個接続が出来ます。
I/O LINKと違い、設定パラメーターが有り、シーケンスなどで親機に書き込む必要があります。
また、親機と子機との間で通信した内容は、そのままではシーケンサーには反映されません。
シーケンスにて親機とデータを読み書きし、デバイスの内容をスキャンごとに更新する必要があります。

● アナログ信号の入出力

外部のアナログ信号というと、まずセンサーが上げられますね。他のON−OFF入力と違い、アナログでの入力はダイレクトに伝わります。したがって、微妙な制御が必要なところや、ON−OFFの しきい値の変更が多いところなどに使用します。
一方、アナログでの出力となると、モーターやヒーターの制御となります。これも またダイレクトな(良い言い方をすれば微妙な、悪く言えば大雑把な)制御が可能です。
他には温調ユニットがあります。温度センサーからの信号で、ヒーター温度を一定に保つ、制御をします。

では、ユニットの種類を書き出して見ましょう。

  内容 仕様
A−D変換ユニット 一定時間ごとに 入力した電圧、または電流値を等分割してデジタル数値に変換します。 4〜10000msec/スキャン
DC0〜20mA(+−),0〜10V(+−)入力
分解能 4μA,1mV
最大8チャンネル入力
D−A変換ユニット 一定時間ごとに シーケンサーからのデジタルデータをアナログ数値に変換し、出力します。 25msec/スキャン
DC0〜20mA,0〜10V(+−)出力
分解能 最大1/12000
最大2チャンネル出力
温調ユニット 外部に熱電対などのセンサーを取り付けることにより、ヒーターの温度制御を行います。 熱電対または白金抵抗のいずれかを入力
温度調節はPID制御
外部にCT〈電流計)を取り付け断線検知が可能

以上がおおまかな、ユニットの種類です。
まあ、実際使うとなると、A−D変換ユニットぐらいで、他のは専用化になってますよねぇ。
特に、温調ユニットなんかは、オムロンやその他から、小型で使いやすいのが、結構 出回っているから わざわざ、シーケンサーには組み込まなくなりました。

● 各種モーター等の制御関連

最後にコントローラーですが、また、後日ということで・・・。

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