情報処理

 

この言葉を聞いて、みなさんはどのようなイメージを持たれるでしょうか?
わたしの母親は、”難しい仕事だね〜。優秀だね〜”と、あたかも研究所にでも勤めてるような感じを受けているようです。
わたしの現実の作業は、スーツを着ての肉体労働 ですね。
今でこそ、会社には各自1台ずつのパソコンがあり、全てがLANでつながっているのも、普通になっています。書類もわざわざ、印刷せずとも各々のパソコンで見れるし、プリンターだって高速レーザーが事務所に一台も普通ではないでしょうか。

が、1980年代 半ば。
当時は、コンピューター通信はありましたが、インターネットはありません。
電話も、モジュラージャックは出回ってなかったとおもいます。
だから、モデムというのは、業務用のコンピューター用しか無かったのではないでしょうか。
パソコン用といえばカプラーという、受話器を置くタイプのもので通信速度など 確か300ボーとか600ボーぐらい。(1秒間に300、600bit)
業務用モデムでも9600ボーでした。
ノートパソコンが徐々に出てきたころ、大企業の情報処理は一点集中型。
全国各地に点在する、支店、営業所、出張所や工場などから、発生する各種のデータ。
顧客データや発注データや配送データ・・・・とにかく、ありとあらゆるデータ全てがホストコンピューターにつながる端末と、磁気テープによって、毎日集められます。
それらデータを収集し、整理し、必要なところに、必要な形にして 滞りなくデーターを川の流れのように動かしていくのが わたしの仕事でした。
しかし、この量は半端でなく膨大な量で、特に印刷物の種類と量ときたら大変です。
また、毎日のデータのバックアップも磁気テープに移すのですが、この磁気テープはオープンリールで巻かれています。一本の重さは1〜2キロほどでしょうか。専用のカートで大量に運びます。
作業の大半は、このテープの入れ替えと、印刷の用紙の入れ替えで終始します。
作業はすばやく行わないと、後がつかえますので、重いものをすばやく、丁寧に そして大量にを 運びセットし、動かします。
汗、かきますよー。
もちろん、スーツなど着てやってられませんから、シャツをまくりあげて仕事してましたよ。
当時の情報処理は、”コンピューターを扱う”ではなく、”コンピューターに使われる”的な仕事だったんです。