汎用大型コンピューター

 

情報処理をおこなっていた、コンピューターは富士通製のFACOMとよばれる大型のものでした。
一般のかたには、まず目に触れないと思います。
CPUと呼ばれる装置があり、(今CPUと言うとICのチップですけど)その周りに入出力装置がズラリと並びます。
入出力装置とは、DASD(磁気ディスク装置)、TAPE(磁気テープ装置)、CARD(パンチカード装置)、PRT(印刷装置)、端末装置 などを指します。
これらの装置はどれも大きく、結構な音量の作動音が出ます。また、発熱もすごいので、完全密閉の空調設備のついた部屋に全て収められます。(30度を超えると自動停止しちゃいます)
部屋の中は、はっきりいって うるさいです。耳栓がほしくなるほどです。(本当に耳栓してる人もいます)
”コンピューターは静かだ”は正解ですが、”コンピュータールームはうるさい”も本当です。

さて
当時、パソコンはDOSが一般的で、同時に複数のソフトは動かせませんでした。
この大型コンピューターは、マルチタスク処理で、同時にいくつもの処理が可能で、わたしは すごく驚いたのを覚えています。(Windowsが出てマルチタスクは一般的になりました)
処理とは”JOB”という処理の単位に置き換えられ、”データを加工し出力する”だけです。
”JOB”は”JES(JobEntrySubsystem)”というシステムで管理され、オペレーターの指示で実行されます。
もちろん、CPUの処理能力に限界はありますから、一度にたくさんのJOBを実行すると、システム全体に悪影響を及ぼします。(CPUはOSの下にたくさんのサブシステムが常駐しています)
したがって、オペレーターはCPUの空き具合を確認しながら、処理を行っていきます。
この、システムの凄いと思うところは、処理のプライオリティ(優先順位)が、JOB単位、システム単位で実行中でも変更できる所です。
CPUには直接アクセスできる端末が存在しますが、現在のパソコン型端末と違い、システム自体をCPUに依存しています。(だから、ホストのシステムが止まっていると、まったく動かない)
このシステムは”TSS(タイムシェアリングシステム)”といい、プライオリティは普段は高いのですが、CPUの処理が混んでくると真っ先に低くしてしまいます。(おかげで使用者から反発多数)
また、JOBも 処理の性格から、プライオリティは違います。
例えば、印刷するだけとかは低く、データベースを更新するような処理は高くします。
オペレーターは、その都度、全体のレスポンスを考慮しながら、プライオリティを上下して、データの流れが止まらないようにしています。