しし座の巻


しし座は春の星座ですが、これも星占いに出てきますのでみなさんよく知っていると思います。
動物や英雄の名前がついた星座は多いのですが、星の並びだけでその姿を連想できる星座は案外少ないもの。
そんな中で、このしし座は「なるほど」と思えるもののひとつでしょう。明るい星を単純に結んだだけで、何となくけものの姿が浮かんできます。
あとは馬でも犬でも何でも好きな動物すればいいのですが、やはりその姿からは、獅子=ライオンというのが直感的に浮かんで来て不思議ではないと思います。
(関連=星の見方・楽しみ方:「タイタニックの星空」)

この星座の中には「系外星雲」(銀河系とかアンドロメダ星雲のような巨大な星の集まり=小宇宙などともいう)の印がたくさんあるので、興味がどうしてもそちらに行ってしまいます。
実際、獅子のおなかのあたりにあるM95/96/105とか、腰のあたりにあるM65/66/NGC3628の二組のトリオは、望遠鏡で見るのにも、写真に写すのにも本当におもしろい対象です。

そのためか、この星座は星のほうの影がすこし薄いので、ここでは特別に、明るい素敵な☆たちも含めて紹介したいと思います。



純白の主星=レグルス
レグルスはこの星座の主星(α星)で、「いちおう」1等星なのですが、1等星の明るさランキングでは最下位という星です。
色は「白」としておきましょう。派手すぎない、かといって黄ばんでいない白という意味で。
この「白」をひきたてているのが、その西側に控えた橙色の小さなふたつの星。2匹のひよこを連れた鶏(白色レグホン)のお母さんってとこかな?




金色の二重星=γ星
レグルスの向かって左上、獅子の首の付け根に光っているのがγ星。小さな口径でも楽しめる二重星な のですが、これを大口径で眺めると素晴らしい「金色」のペアが楽しめます。ちなみに星の色で橙色あ るいは黄色といえば「光っているのだから皆、金色ではないか」といわれるでしょうが、ご批判は是非 ご覧になってからどうぞ!





小さな小さなネックレス=ζ(ゼータ)星(45p、179倍)
γ星の北に続くζ(ゼータ)星は、獅子の後頭部。この星を大きな望遠鏡で見ると他に暗い星(20pでやっとくらい?)6個、あわせて七つの星で作る小さな「輪」が見えると思います。
こんな小さなネックレスをつけるのは、きっと「獅子身中の虫」のお姫様?それともこのライオンがつけているピアスだったりして・・・。



























獅子の鼻先にある渦巻銀河=NGC2903 しし座の西のはずれ、λ星の南にあるNGC2903は、結構大きくて見やすい渦巻銀河です。
探すのもラムダ星からたどれば簡単ですから、もっと有名になっていてもよさそうなのですが、どうしたことかイマイチ知名度が低い気がするのはどうしてでしょうか?。
もちろん、眼で見ても写真のような細かな構造は判らないのですが、写真に撮るとなかなか個性的な構造をしているのがわかります。



獅子のお腹でぬくぬく渦巻銀河3兄弟=M65、M66、NGC3628 しし座の後ろ足の付け根、θ星とι星の中間あたりにある有名な南にある渦巻銀河3兄弟です。
上のNGC2903がイマイチ有名になれないのは、たぶんこの3兄弟があまりにも目立っているせいだと思います。
なにせ、ほんとうに不思議な形をしたものや、整った形のものなど、まるで渦巻銀河の展覧会よろしく3個まとまって見えるのですから、これらを見ない手はありません。 肉眼でもこのみっつは形が違っているのが判りますので、大変面白い対象です。










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