ポムロール・ワインのスタイル

ポムロールの地理的背景は省略させていただこう。わずか総面積750ヘクタールのなかに生産著の数が185件ある。この地区のワインを制覇するには楽な数である。しかし、なんせ所有している面積が非常に小さいうえ生産量も少ない。従って日本国内に輸入される銘柄も限られてしまう。本年版の名洒事典に掲載されているポムロールのシャトー・ワインは36ある。掲載されていないものを含めても日本国内で流通されているポムロールのシャトーはおそらく50銘柄程度こと思われる。残りはもうフランスの現地で飲むしかない。どうせ飲むならただ淡々と飲むのではなく、土壌の性質、品種構成、製法、(特に最近のワインは新樽の使い方で味が左右される。)を見極めながら経験を積んでくると様々なポムロール・ワインのスタイルが見えてくる。

ここでは私の未熟な経験と偏見とイメージをあわせてポムロールワインを分類してみた。

(1996年3月に作成したものです。現在かなり状況が変化していることをご了承ください。)


1)偉大なワイン。豊富な果実味と長熟の素質を持つ。
☆☆☆☆☆: ペトリュス

2)ブーシェの割合が非常に多い。
☆☆☆☆☆: ラフルール
☆☆☆☆(☆): ラ・コンセイヤント
☆☆☆☆: レヴァンジル
☆☆☆: ル・ゲイ
☆☆: セルタン・ジロー
ヌーヴェル・エグリーズ

3)緩やかなタンニン。メルロ使用率が圧倒的に多いまたは100%。オークの風味を強調している。今流行りのスタイル。
☆☆☆☆☆: ル・パン
☆☆☆☆(☆): ラ・フルール・ド・ゲイ
☆☆☆: プラトー・セルタン
オー・トロショー

4)興型的なポムロールのスタイル。メルロ80〜90%。残りはブーシェのみ。教会に近い場所にある。
☆☆☆☆: ル・ボン・パスチュール
ラ・トゥール・ア・ポムロール
トロタノワ
レグリーズ・クリネ
☆☆☆(☆): ラ・フルール・ペトリュス
クロ・デュ・クロシェ
☆☆☆: ラ・クロワ・ド・ゲイ
ラ・ヴィオレット
?: ラグランジュ(Never tasted)

5)CSの割合が争い。ポムロールでは異端児的存在。
☆☆☆☆(☆): セルタン・ド・メイ
☆☆☆☆: クリネ
☆☆☆(☆): ヴィユー・シャトー・セルタン
プティ・ヴィラージュ

6)土壌が砂利質。早熟。柔らかい。中心部より離れている。
☆☆☆: ド・サル
☆☆(☆): ネナン
☆☆: タイユフェール



ざっと大まかに左の頁にまとめたが、お叱りを受けそうではある。ここ数年真面目にポムロールワインに取り組んでいなかった事を理解戴きたい。


ポムロール


今回の資料はオリジナリィを出す事が目的で、いつでもどこでも拾えるような著名なシャトーなどの資料は敢えて省いた。尚、作成にあたって限られた時間と、未熟な語学力のために不明瞭な部分も多々あることをもご容赦戴きたい。

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