このコーナーは筆者がMMCのワイン会以外で飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(42)
Blason de l'Evangile 2005
Chateau Mazeyres 1996
Chateau Rouget 2005
Chateau Providence 2005


ブラゾン・ド・レヴァンジル 2005 2008年5月25日

恐ろしい程に値段が高くなってしまった2005年のボルドー・ワインですが、
一流シャトーのセカンド・ワインも信じられないほど高くなってしまいました。

メドックの5大シャトーのセカンド・ワインは1万円超えが当たり前になってしまいました。

このシャトー・レヴァンジルは1万円は超えていないのですが、
それでも購買欲が失せてしまう6,000円台の価格までになってしまいました。



セカンド・ワインのブラゾン・ド・レヴァンジルは
メルロ65%、カベルネ・フラン35%、2年使用の樽で15ヶ月熟成させられます。

若さの象徴である紫色は少なめでガーネットを帯びたルビー色。
ヨーグルト風味、トースト香、シルキーな味わい。
偉大なワインの雰囲気を希釈したような感じで軽く仕上がっています。

貴族的で上品で優雅なワインではありますが、
ボディが軽い分、物足りなさも感じてしまいます。
今飲んでもOK。

ma note : 83


シャトー・マゼイル 1996 2008年6月1日

シャトー・マゼールは面積22haというポムロールの中では大きなシャトーのひとつです。
畑はポムロールの西はずれにあり、
粘土が混ざった砂利質と砂質の表土に、ポムロールの特徴であるクラス・ド・フェールという鉄分を
含む地下層で構成されています。

平均樹齢は30年以上のメルロ80%、カベルネ・フラン20%という、
これもポムロールの典型的な品種割合です。
収穫は手作業で行われ、丁寧に選別されます。

醗酵は温度管理された小さなステンレスタンクを使用、
熟成は新樽率40-50%の比率で18ヶ月行われます。
マロラクティック醗酵もこのバリックで行われます。



もう10年以上経っていますから、
エッジは少し茶色を帯びたガーネット色です。

香りはミネラルや海藻、磯が感じられます。
そして、残念ながら少しブジョネです。

さらに、古いタイプである熟成したメルロの香りが出てきました。
「メルロは嫌いだ!」と申される方のその理由がこの香りです。

派手なところも無く、大きな欠点も無く
シンプルな料理と一緒に飲むといいと思います。

ma note : 80


シャトー・ルジェ 2005 2008年6月8日

シャトー・ルジェもお気に入りのポムロールのひとつです。
何故ならば、品質の割にはまだ値段が高くないからです。

このシャトーは1992年よりラブリュイエール家の所有となり、
1997年にミッシェル・ロランを招き品質が向上しました。

プロフィールは以下です。
面積:18ha(3区画に分かれる)
平均生産量:6,500ケース/年 (50%はセカンド・ワインへ)
土壌:粘土砂利質 地下層 クラス・ド・フェール
品種:メルロ85%、カベルネ・フラン15%
台木:3309C、101-14
平均樹齢:30年
収量:30-35hl/ha
収穫:手作業 カジェット(小さな籠)を使用
醗酵:50-60hlの木製タンクを使用。 期間:20-30日間 温度:28℃-30℃
熟成:15-18ヶ月 (新樽率50%) マロラクティック醗酵
コラージュ:卵白を使用 濾過:軽く行う



濃い色です。ダーク・ルビー。

黒いフルーツ、スパイス、鉱物などの香り。
酸味も出すぎず、アルコールの強さも出すぎず非常にバランスの良い出来です。
飲み応えのある男性的なポムロール。
ミディアム・フル・ボディ。
GOOD!

ma note : 91


シャトー・プロヴィダンス 2005 2008年6月15日

待ちに待ったプロヴィダンス2005です。
普通に買うと20,000円を超えるポムロールです。
こんな高価なワインで、しかも2005年というあまりにも若すぎるワインは
私のような庶民にとって無謀な抜栓だと言えます。(苦笑)

しかし、自分にとって初物アイテムのポムロールであれば、
50,000円でも躊躇せず開けてしまうのです。

シャトー・プロヴィダンスはもともとシャトー・トロショー(Chateau Tropchaud)という名前でした。
その名前が示す通り、畑の場所はリュ・ディ "トロショー”という教会近くの
標高35-40mの高台にあります。ポムロールでは絶好の場所にあたります。
地図でお解かりのように
同じくジャン・ピエール・ムエックス社の所有するシャトー・オザンナの西向かいです。



シャトー・ラ・プロヴィダンスは1928年にデュピュイ(DUPUY)家の所有となり、
2002年にムエックス社と共同所有、
そして2005年に完全にムエックス社の所有となりました。



定冠詞のLaが無くなりシャトー・プロヴィダンスに名前が少し変わりました。

プロフィールは以下です。
面積:4ha
土壌:小石と砂利の粘土質
品種:メルロ90%、カベルネ・フラン10%
平均樹齢:30年
エクレルシサージュ(摘房)エフヤージュ(摘葉)などトラヴォー・アン・ベール(緑の仕事)を注意深く行う。
収穫:手作業
醗酵:温度管理されたステンレスタンクを使用
熟成:新樽30%にて18ヶ月間
生産量:15,000本



さて、ラベルですが、シャトー・オザンナと同様ちょっと変わったラベルです。
輸入元の資料によるとフランスの国立学術団体であるアカデミー・フランセーズのロゴに
ちなんだラベルだそうです。
写真で見た感じではコルクのような材質の紙を使っているようで
非常に高級感があるように見えたのですが、
実際ボトルを手にして見ると、
まるで下手くそな印刷技術のようで、性能の悪いカラー・コピー機で印刷したようなラベルでちょっとがっかりでした。

正面のラベル 背面のラベル

さて、テイスティングですが、
びっくりする程、赤い色をしています。
非常に輝きのある赤い、赤いルビー色です。
当然ながら香りも赤いフルーツ(チェリー、ストロベリーなど)が支配し、
微かにスパイスやシナモン、蜂蜜香りも感じられます。
口中では赤いフルーツを煮詰めたような凝縮した味わいがあります。
なるど、クリスチャン・ムエックスがこのワインは黒っぽいワインにしたくなかったというコメント通りのポムロールです。
チャーミングなポムロールです。
シャトー・ラ・フルール・ペトリュスに似たタイプのポムロールです。
時々、アルコール分の強さが感じられましたので、
もう少し抽出時間を長くしても良かったのではないかと思います。
ペトリュスに次ぐワインにしたいとの事ですから、
今後が楽しみなワインです。

ma note : 93


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