このコーナーは筆者がMMCのワイン会以外で飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(43)
Chateau Gouprie 2005
Chateau La Fleur Petrus 2005
Chateau Trotanoy 2005
Chateau Grange Neuve 2004


シャトー・グプリ 2005 2008年7月5日

シャトー・グプリは随分前にネゴシアン・ボトルの1959年を一度飲んだ事のあるだけで、
そういった理由から初めてのテイスティングと言ってもいいでしょう。

ほとんど日本ではお目にかかれなかったこの無名のシャトーは、
ペトリュスから真東のサンテミリオンとの境界にあります。

この辺りにあるシャトーは、オー・マイエ、ル・ボン・パストゥール、
トゥール・マイエ、ヴィユー・マイエ、フラン・マイエ、ティボー・マイエ等がありますが、
どれも期待を裏切らないワインばかりです。

このシャトー・グプリはボルドーのワイン・コンクールにチャレンジしており
金賞を獲得しています。

ポムロールのシャトーでは非常に珍しい事です。
有名ワインやポムロールなどの上級アペラシオンのワインは
今さらワイン・コンクールなんかに出品し、メダルを獲得して宣伝しても仕方の無い事でしょう。

しかし、このシャトーは初心に帰って地味な努力をしているのでしょうか、
その意気込みはなんとなく新しくなったラベルから伝わってきます。

土壌:砂利と砂の表土。地下層はクラス・ド・フェール
品種:メルロ75%、カベルネ・フラン25%
面積:2.22ha
畑仕事:エフィヤージュ(摘葉)エクレルシサージュ(摘房)等を注意深く行う
収穫は手作業。
低温マセラシオン(14℃)を行い、トータル28日間の仕込み。
熟成:12-15ヶ月間。(新樽比率50%)


比較的濃い色。赤みのあるルビーでもあるし、黒っぽさもある。
赤いフルーツや黒いフルーツの香りに心地よい樽香。
いやらしさ、わざとらしさがない。
タンニンもある。しかも甘すぎない。これは非常に良いことである。
GOOD!
これはいいワインです。
スタイルはシャトー・オザンナに似ているような気がします。
スケールの大きさにおいては及びませんが。
今後注目に値するポムロール。

ma note : 90


シャトー・ラ・フルール・ペトリュス 2005 2008年7月12日

シャトー・ラ・フルール・ペトリュス2005年です。
いわくつきのシャトー・ラ・フルール・ペトリュスです(爆)

毎年毎年、当ワイン会のメンバーの方々と新着ヴィンテージのペトリュスを
テイスティングしており、知り合いのショップからその新着ペトリュス分けていただいておりました。

2002年、2003年、2004年と難なく分けていただいておりましたが
2005年は並行もの(一部の正規ものもあり)では考えられないほど、
全く馬鹿げた価格にまで高騰してしまいました。

では、正規物の価格はいくらになるのか、果たして手に入れることは出来るのか。
新着ヴィンテージのペトリュスのテイスティングは昨年限りで途絶えてしまうのか。
自己問答しておりました。

春先にムエックスの日本代理店のひとつである、N社はムエックス関連の商品を
1,148,400円(小売価格・税別)分購入すれば1本おまけでペトリュス2005年がもらえるといった、
いわゆる「抱合せ商法」を6年前から行っています。

私はこのルートからは入手しておりませんでした。
そのショップが取り扱っているペトリュスはM社輸入のものでした。

ところが、親は子を真似るって言うのでしょうか(??)
M社も同等の商法をとってきたようです。

M社はムエックス関連商品を50万円分(卸価格)を購入すればペトリュス2005年を購入できるといったシステムです。
ペトリュスを含めた総額は結局両社ともほぼ同じような金額になります。

ショップと相談した結果、ラ・フルール・ペトリュス2005を54本買うことに決めました。
しかし、一人で54本もいりません。将来価格が2倍に上がることが解っていても
今は、54本もいりません(笑)

結局、メンバーの方々にも手助けいただき、またオークションでも転売することにしました。

ペトリュス2005年の入手が目的で、儲けは考えておりませんから、
不必要なものは原価でさばければ、それでOKなのです。

当然の事ですが、個人オークションとなれば、酒販店さんが販売される価格より
高く売れるはずがありません。遥かに安く販売されてしまう事もあります。

そうなるとその商品はイメージダウンとなってしまう可能性がでてきます。
これは非常に危険な事です。
ですから、抱合せ販売も良く注意しなければなりません。

また、純粋にワインをテイスティングしている方々の気持ちを裏切らずに、
十分に考慮し販売方針も考えて欲しいものです。

チャンスがあればムエックスに意向を聞いて見たいものです。



変な方向に話が反れましたが、
さて、テイスティングです。

予想通りの非常に赤みを帯びたルビー色しております。
ラ・フルール・ペトリュスの特徴です。
プロヴィダンスよりも濃い赤色です。
抜栓したコルクからは強烈なチョコレートケーキのような香りがあります。
ビターチョコレート、杉、シナモン、ブルーベリーや赤いフルーツなど。
少しアルコールのツーンがありますが、
何と言ってもこの滑らかさがいいですね。
クリーミーでエレガント。
ボディはあまり強くありませんが、
ラ・フルール・ペトリュス2005。いいですね。

ma note : 93




最近のスタイルなのでしょうか。
表ラベルは出来るだけ文字を少なくして
裏ラベルを使いそこにいろいろな情報が記されています。


シャトー・トロタノワ 2005 2008年7月26日

シャトー・トロタノワもジャン・ピエール・ムエックス社が所有する
ポムロールの宝石のひとつです。
高台の頂上にあるペトリュスから西へ約400m離れた場所にあります。
ここの土壌は砂利と粘土が混じりの土壌と重い粘土で構成されています。
従って雨が降ったあと土がコンクリートのように固まって耕しにくくなるため、
trop anoi(非常に面倒な)、trop ennuye(非常に憂鬱な)という言葉に由来し
Trotanoyという名前になったそうです。

品種はメルロ90%、カベルネ・フラン10%
樽熟成は新樽を50%使い18ヶ月間行われます。

2005年よりラベルが粘着シールのタイプに変わってしまいました。
今まで温水で簡単にラベルを剥がせていたのですが、
手間がかかるようになってしまいまいた。
おまけに裏ラベルもあります。

裏ラベル

参考までに、私はポムロールのラベル・コレクションは
透明の粘着シールのラベル・キーパーは使用していません。
何故ならば、まず一つがかさばってしまう事と、
ラベルをスキャナーするときに表のフィルムで画像が少しぼやけてしまうからです。

ですから、そのままボトルから剥がしています。
ドライヤーでボトルを温め粘着力が弱まったところで剥がしています。

剥がす際、引っ張る力が均一にならなくてラベルが伸びたり、シワになってしまうこともありますが、
しばらく水に浸けて自然にシワを伸ばし、
ラベルキーパーや宅配便の送り状などで使われているシールの(つるつるした)台紙に
ラベルを貼って水分をよくふき取ったあとティッシュペーパーを数枚乗せ、
不要になったカタログ雑誌等に挟み、重石になるものを乗せて乾くまで数日間待ちます。

さてテイスティングですが、
濃い暗いルビー色をしております。
最初にヴァニラ香りが飛んできます。
赤っぽくなく黒すぎない果実の風味があります。
チョコレート風味もあります。
プロヴィダンスやラ・フルール・ペトリュスと比べると
マスキュランなワインで堂々とした風格が感じられます。

ma note : 92


シャトー・グランジュ・ヌーヴ 2004 2008年8月2日

比較的名前が知られていないポムロールですが、
以前、1997年を飲んで気に入ったシャトーです。

畑はトロタノワから北西へ数100m離れた場所にあります。
面積は7haでメルロ95%、カベルネ・フラン5%が栽培されています。

収穫は手作業。テーブルでの選別。
温度コントロール可能なタンクを使用し最新の技術で醸造されます。
マセラシオンは長めで3週間行われます。
熟成は新樽比率40〜60%で18ヶ月間行われます。
そしてシャトーで瓶詰めされます。


暗いルビー色。黒いワインのイメージがします。
非常に濃い色でまだ紫色を帯びています。
ミネラルやスパイスな香りが強く、少し樽香があります。
どちらかというと果実味よりもスパーシーさがあって、
甘くないタンニンが感じられます。
非常にバランスが良くまとまりがあります。
デイリーなポムロールとしてお勧めです。

ma note : 84


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