このコーナーは筆者がMMCのワイン会以外で飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(51)
Chateau Certan Marzelle 2006
La Petite Eglise 2005
Le Clocher de Rouget 2004
Chateau Clinet 2006


シャトー・セルタン・マルゼル 2006 2009年10月11日

この畑はもともとシャトー・セルタン・ジローでした。
第一のパーセルはシャトー・オザンナとしてリリースされ、
第二パーセルはシャト・ネナンに売却され、
そしてこの2ヘクタールでメルロ100%の第三パーセルはシャトー・セルタン・マルゼルとしてリリースされました。
ファースト・ヴィンテージは2000年です。

土壌は粘土質の基盤の上に小石、砂、粘土がよく混ざった土壌で、
ブドウの樹齢は平均して25年です。

管理と醸造はペトリュウス、トロタノワ、オザンナと
同一チームで行われ、熟成に際しては新樽が50%用いられます。
生産量は1,000ケース程度です。
  

セルタン・マルゼルはヴィンテージにもよりますが偉大な年で12,000円、オフ・ヴィンテージで7,000円位で
販売されていますが、
この2006年は5,000円以下で購入する事ができました。

大いに為替レートに起因しているのですが、何故かボルドーの2006年は
人気がなく、業者さんも値下げをしなければならない状況で、
さらにお買い得な価格になっています。
また、この2006年のセルタン・マルゼルの裏ラベルを見ると、
アメリカ向けのラベルでした。
アメリカ・マーケットからキャンセルになったのかもしれませんね。
このような理由で嬉しくなるような価格になったようです。

少しガーネット帯びたルビー色。
樽の香りと、ミネラル、赤いフルーツ。
やや酸が強く全体的に軽く感じられます。
ミディアム・ボディ。
シャトー・オザンナのような偉大さは感じられませんが、
上手にバランスよく仕上がっています

ma note : 87


ラ・プティット・エグリーズ 2005 2009年10月18日

シャトー・レグリーズのセカンド・ワイン。
シャトー・レグリーズのクリネは昔々(30年ほど前)はほとんど市場で見かけることなく、
知る人ぞ知る、本当のワイン通のみが知るポムロールでした。
その当時から評判は良かったのですが、生産量が限られていた為入手困難なポムロールワインでした。

まあ正直言いますと、当時ワインに携わっていた人達がこのワインの存在を知らなかったから、
日本に入って来なかったのだと思っています。

シャトー・レグリーズ・クリネで最も印象に残っているのは6年ほど前の1985年でした。
ちょうど20年経ったレグリーズ・クリネだったのですがまだまだ力強く、凝縮した果実味が見事でした。
これはペトリュス1985よりも遥かに旨いワインです。

2005年のレグリーズ・クリネはロバート・パーカーが100点満点付けてしまった為に、
悲しい事に6〜7万円出さないと買えなくなってしまいました。
残念です。

せめて僅かながらの雰囲気を求めてこのセカンド・ワインで我慢です。



暗いルビー。
赤いフルーツの香りとエキゾチックな甘い香りがあります。
偉大な要素が感じられます。
シルキーでミルキーな口当たり。さすが上品に仕上がっています。
エキス分に欠けるのはセカンド・ワインだから当たり前ですが、
あと10年位は寝かせても良いかと思います。
最低2〜3年は待つべき。

ma note : 89


ル・クロシェ・ド・ルジェ 2004 2009年10月25日

シャトー・ルジェのセカンド・ワイン。
このシャトー・ルジェはセカンド・ワイン的なワインが多数あります。
Vieux Chateau des Templiers(ヴィユー・シャトー・デ・タンプリエ)
Chateau Cantereau(シャトー・カントロー)
Chateau le Carillon(シャトー・カリヨン)
そしてこのle Clocher de Rouget(ル・クロシェ・ド・ルジェ)

この各々のワインの位置付けはどうなのか不明です。
どの銘柄がセカンド・ワインと位置付けしているのか解りません。
残念ながら公式ページにも一切これらの銘柄には触れておりません。

(シャトー・カリヨンは最近取得した区画のようです。)



黒っぽい小豆色。
樽(古樽)の香りとバニラ、種子や茎っぽい香り。
下草、田舎の庭、少し腐葉土の香り。
果実味よりもタンニンや酸、アルコールが際立っている。
1本飲むには辛いかな・・・・
フリーラン・ジュースに多量にプレス・ジュースを混ぜたイメージ。
香りはいいのですが・・・。

ma note : 77


シャトー・クリネ 2006 2009年10月31日

2006年のボルドーは2005年の陰に隠れて人気の低いヴィンテージ。
価格が2005年と比べてさほど変わらない事も一理あるようです。

2006年ボルドーは天候不順の年と言われているようですが、
早摘みのポムロールではその難を逃れ、2005年と同様素晴らしいワインがたくさんあります。

今まで飲んできた2006年のポムロールの感想としては、天候不順(不作の年)を思わせるような
ことはありません。
これは醸造技術が昔と比べて格段に向上したことも事実でしょう。

参考までに、
シャトー・クリネの収穫は9月18日より若いメルロより収穫が開始され9月22日まで続き、
カベルネ・フランとカベルネ・ソーヴィニヨンは9月26日から9月28日まで続きました。

さて、ラベルに注目してみましょう。
2005年からラベルが小さくなって表と裏へのセパレート・タイプになっています。
最近の傾向ですね。

裏ラベルには生産者の住所、アルコール度数、容量など必要事項が記され、
表ラベルには商品名と産地と年号がだけが記され、デザイン重視になってきています。

また、近年ボルドー・ワインのラベルのサイズがだんだん小さくなっていく傾向にあります。
私はこういったモダンなラベルはあまり好きではありません。

ワインは農産物であり、工業生産ではありませんから野暮ったいラベルの方が好きです。
また、一目見ただけである程度の生産地が推測できる様なデザインが好ましいです。


少し暗めの赤いルビー。グラスに注ぐとききらきら輝いています。
グラスの中では濃い紫がかったルビー色。
バニラ香、ビターチョコレート、オーク、ミネラルの香り。
クリーミーでミッシェル・ロランのスタイル。
赤いフルーツの味。だが少しまだ未熟で、完熟した果実味の凝縮感が欲しいところ。
食しながら飲むとワインがクリーミーに感じられて相性が良くなります。

ma note : 91


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