このコーナーは筆者がMMCのワイン会以外で飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(53)
Chateau Gazin 2007
Chateau Manoir de Gay 2001
la Petite Eglise 2007
Clos des Canton des Ormeaux 2007


シャトー・ガザン 2007 2010年1月31日

さて、2007年の登場です。
2005年、2006年とポムロールではいい年が続き、
2007年は夏の天候不順の為難しい年だと言われています。

シャトー・ガザンは有名なシャトーですから敢えて説明する必要はないと思います。
公式ページでは日本語でも紹介されています。

http://www.gazin.com/

光を通さないほど黒い色。
タールを中心とし、黒いフルーツの香り。
タンニンは渋くて、フルボディ。
アフターは苦味が残ります。
果実の甘み(旨味)が不足した感じがあります。
今飲んでもあまり楽しくはありません。
少し待ちましょう。

ma note : 87


シャトー・マノワール・ド・ゲ 2001 2010年2月13日

シャトー・ル・ゲのセカンド・ワインです。
シャトー・ル・ゲはかつてはシャトー・ラフルールと同じロバン姉妹が所有していたシャトーです。
姉のテレーズが亡くなり、最良の区画をラ・フルール・ペトリュスに売ってしまった為、
その後の品質は悪くなったようです。

その後、救世主ペレ・ヴェルジェ(Péré Vergé)家の所有となり、
シャトー・ル・ゲは素晴らしく変貌しました。
2006年のル・ゲはMMCのワイン会で飲みましたが驚く程旨くなっていました。

さて、このマノワール・ド・ゲはまだ飲んだことはありませんでした。
5年前数人でサンテミリオンのレストランで昼食したとき、ワイン・リストを覗くとにこの名前が連ねてありました。
当然の如く注文しましたが、残念ながら品切れでした。
今日は5年ぶりのチャンス到来です(笑)

当然日本には初お目見えです。
実はペレ・ヴェルジェ家の正規インポーターが決まり、シャトー・ル・ゲ、そしてこのマノワール・ド・ゲも一緒に入荷たようです。

ただ、残念なのは2001年はまだペレ・ヴェルジェ家の手によって造られたワインではありません。

黒っぽく、紫がかったルビー色。
ミネラル、タール、火打石など硬さを感じる香りがあります。
熟した果実味、ややかびっぽさも感じますが、ブショネではありません。

所詮、セカンドワイン。二番絞り的な味わいで柔らかい果実味に欠けてしまうのはいたしかたない。
しかし、複雑味がそれを補ってくれています。

ma note : 82


ラ・プティット・エグリーズ 2007 2010年2月26日

シャトー・レグルーズ・クリネのセカンド・ワインです。

近年、ますます磨きがかかっているドニ・デュラントーが造るワインです。

あまりいい年ではない2007年ですが、ドニ・デュラントーとなれば話は別です。
飲んでみなければならないのが私の使命です(笑)

エチケットのデザインが変わっています。
裏ラベルはドニ・デュラントーの妻で芸術家のマリー・レイヤックが描いています。
これは2羽の小鳥が寄り添っているイラストです。

サンテミリオンのサンテイムのラベルと同じイラストです。
http://www.eglise-clinet.com/oiseaux.html

尚、参考に、
Cocks et Feret のBordeaux et ses Vinsではプティット・エグリーズはレグリーズ・クリネのセカンド・ワインとしてではなく、
Autre Vin (その他のワイン)として記されています。

また、有名評論家はいつもこのワインを
La Petite L'Eglise として紹介していますが、
Egliseの前に「L」は付きません。

裏ラベル

メルロ100%

紫を帯びた濃いルビー色。
「うまい!」
セカンド・ワインとは思えない、しかも2007年とは思えないポテンシャル・・・
黒いフルーツ、スパイスの香り。
アルコール度数は14%の表示。
しかしエキス分がはるかに勝っているのでつんつんとしたアルコールは感じられない。
フルボディ。
時間が経つにつれてフローラルな香り、春の沈丁花のような甘い香りが立ち上がってきます。
ブラボー!
2007年のセカンド・ワインでこのレベルなら、同じ2007年のグラン・ヴァンを飲んでみる価値がありそう。
ドニ・デュラントーに会いたくなってきました。

ma note : 92


クロ・デュ・カントン・デ・ゾルモー 2007 2010年3月20日

新しいポムロールです。
2005年が初ヴィンテージの新しいポムロールです。
わくわくしてきます。
新しいポムロールを発見すると海外であろうとどこであろうと販売ルートを探しては購入します。

このシャトー(クロ)で非常に興味深いのは、醗酵を新しいバリックで行うことです。
もっと解りやすく説明しますと、普通、醗酵は大きなタンクや樽を用いますが、
ここでは225Lのような熟成用に使われる小さな樽(バリック)で行われることです。

イタリアではバリック醗酵を行って成功させたテスタマッタはあまりにも有名ですが、
ボルドーではバルテュスがこの方法を取り入れ成功しています。

この新バリック醗酵の特徴は、温度を上げることなく抽出することができ分
新鮮な果実味を維持できるということだそうです。

オーナー:Olivier Cazenave オリヴィエ・カズナブ
クロ・ルネの一部であった畑が返却され2005年がファースト・ヴィンテージ。

面積:0.27ha
メルロ:100%
樹齢:30年
土壌:砂利と粘土
栽培密度:7,000本/ha
生産量:3,000本(2007年)
収穫:手作業、除梗も手作業
醗酵:軽く破砕してバリック(225g、300gの新樽)で醗酵。
    タランソー、サンソー、ダルナジューの3社で特別に誂えた樽を使用。
熟成:12ヶ月間

このシャトーでは「ルミュアージュ・デ・バリック」という、そのまま訳すと「動樽」という手法が採用されています。
これは、樽の内側がスクリューのように細工されており、1週間に1回の割合でその樽を何回転かさせるのです。
そうです。これでバトナージュができるのです。

裏ラベル


赤々とした明るいルビー。
最初にオークの香りが現れ、すっと消えそして赤いフルーツの香り
確かにみずみずしい赤い果実の風味が感じられます。
それに土っぽさも感じられます。
ミディアム・ボディ。
あまり樽の風味もつかず、すっぴんのポムロールって感じでしょうか。
欲を言えば、もう少し凝縮感があればいいかもしれません。
時間が経つとワインに色気が出てきて、またオークの香りが強くなってきました。
今飲んでもピンと来ない感じですが、熟成させると面白いかもしれません。
今までと違ったタイプのポムロールが誕生して嬉しい気分です。

ma note : 87


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