このコーナーは筆者がMMCのワイン会以外で飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(54)
Domaine des Douves 2001
la Gravette de Certan 2000
Chateau Lafleur du Roy 1999
Clos des Litanies 2007


ドメーヌ・デ・ドゥーヴ 2001 2010年4月16日

全く知られていないポムロールです。
しかし、生産者は有名なChateau Beauregard (シャトー・ボールガール)です。
これはシャトー・ボールガールのセカンド・ワインなのでしょうか?
しかし、セカンドとしてベンジャマン・ド・ボールガールがあります。

これはどういう位置付けになるのでしょうか?


1987年のドメーヌ・デ・ドゥーヴ。
下にSte Civile du Chateau Beauregardと書かれています。

今回飲んだ2001年はネゴシアン・ボトルのようです。
瓶詰めはAndre Quancart (アンドレ・カンカール)と書いてあります。

つまり、シャトー・ボールガールどころかセカンド・ワインのベンジャマンのレベルにも
達しないバルク売りのワインなのでしょうか?

フランスのebayオークションで19.71ユーロで買いました。
送料は20ユーロです。(コリッシモで3本60ユーロ)

やや紫を帯びたルビー・ガーネット。小豆色。
よくある古いタイプの古典的な香り。土臭く、古めかしいメルロの臭さが感じられます。
しかし、この香りを嗅ぐと、
田舎のポムロールの小さな庭で年老いた職人がゆっくりと畑仕事を行っている情景が浮かびます。
この老人は周りや流行に左右されること無く、頑固として自分のスタイルを変えることなく50年以上も
この仕事に誇りを持ってやってるんだ!と言わんばかりのお爺ちゃんです。

2001年であるけれどももっと古い年代のワインを感じる癒し系の味わいがあります。
(しかし、それは決して熟し過ぎているという意味ではありません。)

ミディアム・ボディ。派手さも無く、パワーもないワインですが、
酸味とタンニン、そして控えめではありますが果実味のバランスが非常に良いです。
素直で、嘘っぽくないところが気に入りました。
飲んで落ち着くワイン。
もっとこんなタイプのワインが入ってくると嬉しいですが・・・


ma note : 84


ラ・グラヴェット・ド・セルタン 2000 2010年5月??日

la Gravette de Certan ラ・グラヴェット・ド・セルタンはご周知の通りヴィユー・シャトー・セルタンのセカンド・ワインです。
もともとはシャトー・ラ・グラヴェットという名前のシャトーがあったようですので、
調べる事にしました。

ボルドー・ワインのバイブルとでも言うべきBordeaux et Ses Vins 第11版(1949年発刊)では、
Clos de la Gravette (G. Thienpont)・・・・・・・・・(生産量)10トノー (1トノーは900gつまり100ケースとなります)
と紹介され、1946年にヴィユー・シャトー・セルタンの所有者であるムッシューG.ティエンポンが所有した事が書かれています。
(ヴィユー・シャトー・セルタンは1924年から所有しています。)

その後第13版(1982年発刊)ではClosからChateauに名称が代わりChateau de la Gravetteで明記されています。

Bordeaux et Ses Vins 第11版の地図で畑の位置が確認できました。
ちょうどプティ・ヴィラージュの向かい辺りです。

そういえば2002年にこの辺りをうろうろしているときにGravetteと刻まれた門柱を発見しました。






現在の新しいポムロールの地図では la Gravette の畑は記されていません。
それはこの畑はヴィユー・シャトー・セルタンの一部の区画とされ吸収されているからでしょう。

グラヴェット・ド・セルタンはこの区画のものだけをセカンド・ワインとしてリリースされているのか
どうかは解りませんが、今度機会があれば聞いてみましょう。



少し褐色を帯びた暗いルビー。
燻した香りや花の香り。そして熟成からかる苔。(かすかにセロリも感じられます。)

ミディアム・ボディで少し甘みも感じられます。華奢なワイン。
上品さや優雅さもかすかに感じられるのは、
偉大なヴィユー・シャトー・セルタンのセカンド・ワインが持ってるポテンシャルでしょう。
しかし今ひとつ全体的に印象がぼやけているのは流通に問題があったような気がします。

ma note : 85


シャトー・ラフルール・デュ・ロワ 1999 2010年5月22日

毎年花柄のラベルが変わるシャトー・ラフルール・デュ・ロワは何度かテイスティングしました。
偉そうなコメントを述べるほどこのワインをたくさん飲んでいる訳ではありませんが、
自分のイメージとして、このワインは流行にとらわれることなく、
自然にテロワールに対して忠実にワイン造りを行っていると思っています。

また、(最近飲んでませんが)メルロ100%、新樽を使って造られ「キュヴェ・プレステージュ」は一飲の価値があります。
1997年1998年と飲みましたが印象深いポムロールでした。

ここのワインは品質の割には価格はすごくお手頃です。お買い得です。

1999年は今飲んでも閉じてしまって中途半端な頃ですのであまり飲みたくありませんが、
ラベルコレクションの目的も含め飲むことにしました(笑)

ここのラベルコレクションも随分集まりました。 http://www.petrist.com/pomerol-h-l.htm#lafleurduroy

1999年のデザインは Iris et Tulipes アヤメとチューリップです


ややガーネットを帯びたルビー。濃度は中位。
赤い花や杉、土、森の香り。少し腐葉土。
果実味が全面的に出るタイプではなく、酸とタンニンが強く感じる。
全体的に閉じた味わい。
4〜5時間後ワインは円みを帯び酸も心地よくなります。
このタイプのワインは中途半端な時に飲むより思い切り熟成させた方がいいかもしれませんね。

ma note : 84


クロ・デ・リタニ 2007 2010年5月30日

このワインとの出会いはかれこれもう15年前になります。
ちょうどル・パンが注目を浴び始め、シンデレラ・ワインなどと喩えられるようになった時期です。
小生もこれにあやかり、メルロ100%新樽100%で造られるポムロールを追い求めるようになりました。

初めて飲んだヴィンテージは1992年ですが、
日本に初上陸したヴィンテージは1987年。
インポーターさんは逸早くル・パンを日本にインポートした高輪にあるO社のMさんだったと思います。

現在クロ・デ・リタニは数社よって日本に輸入されていますが、
某インポーターの商品コメントでは「ロバート・パーカーが絶賛した幻のポムロール。
残念なことに生産量が低いのでこのワインを見つけることは、ほぼ不可能である。」との記述がありますが、
これは間違いです。
ロバート・パーカーのクロ・デ・リタニに関しての試飲コメントは一切ありません。

そのコメントは同じジャヌエックス・ファミリーのシャトー・ラ・クロワ・サン・ジョルジュについて書かれているものです。
(しかしながら、クロ・デ・リタニはラ・クロワ・サン・ジョルジュと比べると生産量はたった1/5ですので、
もっともっと幻のワインになりますが(笑)

クロ・デ・リタニは生産量の少ない事からポスト・ル・パンだとか言われておりましたが、
味は全くの別物でした。
ル・パンは当時流行した味のスタイルですが、リタニはどちらかと言うと古典的なスタイルでした。

2000年代頃からジャヌエックス・ファミリーはミッシェル・ロランをコンセイユとして招き、
スタイルが変わりました。
ル・パンの味に近づいてきました。



紫の強い暗いルビー。
バニラ、オークの香りが顕著に現れています。
時間が経つとさらに焙煎したての香ばしいコーヒーの香りがあります。
柔らかなタンニンと2007年のわりには濃縮感のある果実味とのバランスがいいですね。
典型的なミッシェル・ロランのスタイルですね。
ミディアム〜ややフルボディですが余韻も最後まで果実味が残り素晴らしいです。
これは知らない間に1本空けてしまいます。
1987年のル・パンを思い出します。

ma note : 91-92


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