このコーナーは筆者がほそぼそと飲んだポムロールワインを紹介するコーナーです。

最近飲んだポムロールワイン(58)
Esprit de l'Eglise 2005
Chateau la Conseillante 2007
Chateau Hosanna 2007
Chateau Bois de Plince 1973


エスプリ・ド・レグリーズ 2005 2010年9月18日

エスプリ・ド・レグリーズはクロ・レグリーズのセカンド・ワインです。
クロ・レグリーズはもともとクロ・レグリーズ・クリネというプロプリエテだったのですが、
遺産相続の問題でレグリーズ・クリネ(ポール・ラビエ・モレオン Paul Rabier Mauléon)と
そしてこのクロ・レグリーズ(ルシュ Rouchut)に分かれました。

その後クロ・レグリーズはモロー Moreau家の所有に変わりますが、
いまひとつぱっとしないワインでした。

1997年に新しくシルヴィアンヌ・ガルサン・カティアール Sylviane GARCIN-CATHIARD の所有となり、
一躍スターダムに押しあがりました。
同時にセカンド・ワインも造られるようになりました。

グラン・ヴァンのクロ・レグリーズはメルロ70%、カベルネ・フラン30%の品種割合ですが、
セカンドワインは、

裏ラベルの情報によると、
このワインはクロ・レグリーズのセレクトされた区画。
メルロ100%。1年樽を使って熟成と書かれています。

紫の強い暗いルビー色。
強さは控えめですが、黒いフルーツ、ミネラル、ミント、そして樽香。
最新技術特有の香り。バランスが良さそうな感じがします。
ぐっと引き締まったタンニンとクーリーミーな味わい。
偉大なワインのセカンドらしさを感じます。

この所有者が変わり偉大なポムロールの仲間入りを果たしたクロ・レグリーズのセカンドを初めて飲んだのは1998年。
そのときの強烈な印象がよみがえってきます。
そのワインを紹介していただいたチャン・ツィーことK.O.さん。
ル・パンへの訪問の手引きも行っていただきました。
長い事ご無沙汰しておりますが、お元気なのでしょうか?

ma note : 90


シャトー・ラ・コンセイヤント 2007 2010年9月26日

シャトー・ラ・コンセイヤントもポムロールを代表するワインです。
このシャトーの名前の由来は今から300年前にこのエステートを運営していた、
カトリーヌ・コンセイヤン Catherine Conseillan という人物から来たそうです。

現在ニコラ・ファミリーが1871年から所有し名声を保ち続けています。
運営するのは5代目にあたるD.ベルトラン・ニコラとジャン・ヴァルミー・ニコラの二人です。

尚、2007年よりセカンド・ワインDuo de Conseillante デュオ・ド・コンセイヤントをリリースしています。
樹齢の若い樹から造られているようですので、当然、グラン・ヴァンのシャトー・コンセイヤントの
品質がさらにUPする事でしょう。



暗い紫色がかったルビー。
フルーツのコンフィ、プルーン、少しタールを感じます。
そして、樽の香り、ミント、ミネラル。香りが豊富なボトルです。
口当たりはエレガントで滑らか。スムーズ。
ミディアムボディ。
偉大なワインの要素は感じられます。
2007年というハンデキャップを背負っているせいか、
グラスを重ねるとアルコール分が強く感じられます。

ma note : 88-89


シャトー・オザンナ 2007 2010年10月1日

2007年というヴィンテージはあまり評価が良くない年であり、また人気があまりない年ですが、
その分、ワインが安く購入できます。
このシャトー・オザンナ2007年も例外ではありません。
愛好家にとって非常にありがたい事です。

1999年にジャン・ピエール・ムエックスが取得しすっかりここの顔となったオザンナです。
メルロ70%、カベルネ・フラン30%

さほど暗くない紫を帯びたルビー。
ミネラルが強く感じられることから引き締まったボディのワインであることが伺えます。
ミディアム・ボディ〜フル・ボディ。甘すぎない果実味、
良年のオザンナとしては軽いタッチですが、タンニンの質が良く、
喉をすいすい通ります。
右岸よりも左岸を思わせるタンニン。
美味い!辛口嗜好!!

ma note : 91

シャトー・ボワ・ド・プランス 1973 2010年10月3日

良く解らないシャトーです。
実はアペラシオン・ポムロールとアペラシオン・サンテミリオンと二つのエチケットが存在しています。
Cocks et FeretのBordeaux et Ses Vinsでは第15版で「サンテミリオンに2.3ha」だけと紹介されています。
その後16、17、18版では何故か消えています。

一方、Jeffrey Benson & Alastair MackenzieのTHE WINE PF SAINT-EMILION and POMEROL(1983年発行)では
ポムロールの項に0.42haと紹介されています。

しかし現在はポムロールのアペラシオンでは販売されていないようです。



サンテミリオンの地図でドメーヌの位置を確認したところ、41番になります。
赤い部分はサンテミリオンのエリアになりますが、この41番はポムロールのエリア、
名が示すとおり、シャトー・プランスの近くにあるようです。



この所有者はジャン・クロード・ヴェイシエール。
インターネットで調べてもなかなか出てきませんが、2002年がサンテミリオンのアペラシオンで販売されていました

このシャトー・ボワ・ド・プランス1973年はシャトー・ボトルではなく、ネゴシアン・ボトルです。
ルシアン・ベナロ(Lucien Benaros)というボルドーのネゴシアンです。

海外のオークションで購入してみました。
ボトル状態はあまりよくありません。
液面はハイ・ショルダーです。



褐色を帯びたガーネット。
澱は完全に沈んで濁りなし。
コルクを開けた瞬間、糠漬けの匂いがします。
期待できそうもありません。
漬物や鉄の匂い。
酸っぱい。かなり酸が強く感じられます。
果実味は感じられません。
グラスを思い切り振り回すとオレンジの香りが少し出てきます。

ボトルの状態が良くありませんのでなんとも言えませんが、

ma note : 55


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