statements

 様々な映像媒体を通じて広く親しまれているパリを、ロウテク・ロウコストの「レンズなし」カメラでとらえたらどうなるか。

 小学校の授業で原理を学んだりして、誰もが一度は聞いたことがあるものの、
実践がともなわなかったり、作品を見る機会に恵まれなかったために忘れられて
しまった写真の原点「針穴写真」。

 展示作品はすべて、身近な材料を利用して手作りしたカメラ(暗箱)に針で
穴を開けて撮ったものです。時間のかかる古い手法も、手間のかかるハンドメイド
カメラも、不便さの裏側にあるシンプルさを活かして想像力を働かせれば、レンズ
付きカメラにはない利点が見えてきます。

 きわめて基本的な科学を基礎にしていながら、どこか神秘的で風変わりな針穴
写真によるパリの風景です。

 是非ご高覧ください。

                                                   田所美惠子
空き缶利用のレンズなしカメラがとらえたパリ
1993年7月23日(金)〜8月4日(水)
富士フォトサロン 銀座
 
manual/material/monochrome pinhole photography by Mieko Tadokoro
by          Mieko Tadokoro
PINHOLE PHOTOGRAPHY