レンズの代わりに、針の穴のような小さな開口部から光を採り込んで撮るピンホールカメラを使い、パリの市場で見つけた野菜や果物を撮影しました。
17世紀の静物画には、「カメラ・オブスキュラ」と呼ばれるデッサンの補助道具を使って描かれたものがあります。現在のカメラの前身でもあるカメラ・オブスキュラ」には当時既にレンズがついており、これを使って描かれた
絵は、筆で描かれてはいるものの写真的な味わいがあります。
それでは、人間の眼でもカメラのレンズでもない、純粋に針穴を使って
じっくりと光を表現すればどのようなものになるのだろうか、という関心から
ピンホールカメラで静物を撮ってみたというわけです。撮影には8x10インチの大判のネガフィルムを使用し、印画紙に密着焼付けしました。
田所美惠子
パリのマルシェから
ピンホールカメラによる静物写真 |
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2000年8月31日(木)〜9月5日(火) |
ドイ・フォトプラザ(渋谷) |
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