今回展示いたします「First Pinhole Photographs」の作品は、私がピンホール写真と出会った1990年から、富士フォトサロンで初の個展を開催した1993年までの間に試行錯誤をしていたピンホール写真で、その後の作品制作の土台となったものです。
近年は4 x 5インチのネガフィルムで撮影し作品をシリーズ化していますが、この当時は紙ネガ、ポラロイド、35ミリやブローニーサイズのフィルムなどを試していました。被写体はパリや静物ですが、普通のカメラにはないピンホール写真の融通無碍な性格を活かして、「何を撮るか」よりもむしろ「どう撮るか」ということに夢中になっていました。
今回はこれらの作品をプリントし直したり初めてプリントして発表いたします。初めての個展とピンホール写真の技法書出版という、私にとって記念すべき年から数えてちょうど10年の節目に、ピンホール写真の可能性を原点に帰って見直すものになりました。
最後になりましたが素敵な会場をお貸しくださいました浦野さん、今展を企画してくださいました柳本さんご夫妻に心よりお礼申し上げます。
田所美惠子
First Pinhole Photographs |
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2003年10月3日(金)〜26日(日) |
北鎌倉ワイツギャラリー |
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