statements

フランス語のRéflexion(レフレクシオン)には、光を含む物理的な反射の意味のほかに、熟考、思索、内省、また複数形のRéflexionsには、熟考の末の考え、意見、見解という意味があります。レフレックスカメラのReflex、映った姿、像、影に使われるReflet、条件反射のRéflexeなどもみな同じ語源です。

私はパリで15年前に針穴写真と出合い、名所旧跡を始めとするパリの街を主な被写体にして、シリーズで作品を発表してきましたが、すべてに共通しているのは「針穴写真とは何か?」、「針穴写真でしか撮れないものは何か?」という絶え間ない問い掛けです。

偶然の成り行きでパリが被写体となりましたが、普通のカメラで捕らえられた無数の映像が既にあり、世界中の人々にも馴染みのある街を針穴写真で撮って比較することで、針穴写真の特性をより明らかなものにすることができると考えています。

今展は、今まで「パリ、もう一つの視点」(1995年)、「ショーウィンドー」(1998年)など、シリーズごとに発表してきた作品を編集し、パリの光の「反射」とともに、針穴写真に対する私の「見解」をまとめた形で発表します。

                                                                    2005年5月    田所美惠子
田所美惠子針穴写真展
誰も見たことのないもう一つのパリ
誰も見たことのないもう一つのパリ チラシ
2005年5月8日(日)〜5月29日(日)
ポーラ ミュージアムアネックス 銀座
 
manual/material/monochrome pinhole photography by Mieko Tadokoro
by          Mieko Tadokoro
PINHOLE PHOTOGRAPHY