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 昨年のポーラ ミュージアム アネックス企画展 田所美惠子針穴写真展では、『誰も見たことのないもうひとつのパリ』と題して、外光で撮影されたパリの風景や建造物などのシリーズを編集してご覧いただきましたが、2回目の今回は、撮影場所をパリのアパルトマンの中に移し、マルシェで買い求めた野菜や果物を被写体にして、8x10インチの大判カメラで撮影した静物写真をご覧いただきます。

 このシリーズは、カメラ・オブスキュラを活用して制作された17世紀の静物画に着想を得たものです。光の少ない屋内での撮影のため、1カットの露出には30分ほど要し、またファインダーがないので撮影直後に現像をして、一枚ずつネガを確認しながら次の作業に進むという方法で制作されたものです。

 撮影する対象も方法も前回とは異なりますが、この制作もレンズ付きのカメラにはない、針穴特有のソフトな描写やパンフォーカスという特徴を活かしたものであることに変わりはありません。「レンズでもなく、人間の眼でもない、針穴で描いた静物はどのようになるだろうか?」というのが今展のテーマです。

                                                                                              田所美恵子
田所美惠子針穴写真展
静物
静物 チラシ
2006年5月3日(水)〜5月29日(月)
ポーラ ミュージアムアネックス 銀座
 
manual/material/monochrome pinhole photography by Mieko Tadokoro
by          Mieko Tadokoro
PINHOLE PHOTOGRAPHY