平成22年1月末をもって、稼働後6ヶ月を経過した。この6ヶ月間の発電量の推移に着目してみる。稼働し始めた8月をピークに総発電量は9月より下降している(図1参照)。当然のことながら太陽は南に傾く角度を増していき、日照時間も短くなってくるので、発電量が減少するのは分かるが、11月の発電量(81KW/H)は8月の発電量(135KW/H)の6割に減少している。また逆に日照時間の最も短いと思われる12月の発電量(97KW/H)と比較しても2割弱小さい。一方、今年1月の発電量(124KW/H)は冬至も過ぎ少し日が長くなったとは言え、この6ヶ月間中では昨年8月に続いて2番目に発電量が多い。これらの原因は何であろうか。 |
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図1 |
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発電量は日照時間もさることながら、天候によるところが如何に大であると言うことが11月(図2)、1月(図3)の実績より分かる。データより発電量が4KW/H以上は「晴れ」、2KW/H以下は「曇りまたは雨」、2〜4KW/Hは「晴れたり曇り、または薄曇り」と分類し、それぞれの日数を8月、11月、1月について、計数したのが下表である。 |
発電量 |
8月 |
11月 |
1月 |
4KW/H以上 |
18日 |
10日 |
24日 |
2〜4 KW/H |
9日 |
8日 |
3日 |
2KW/H以下 |
4日 |
12日 |
4日 |
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一般常識として11月は秋晴れの晴天の日が多いとされているが、昨年は晴れた日数が10日と月の3分の1であるのに対して雨または曇天の日が12日(40%)と異常な天候であったことが分かる。特に11月11日は発電量”0”KW/Hと全く機能してない日もあった。一方、今年1月は雨が殆ど降らず、晴れた日(24日)が多かったことが、良好な発電量を得る原因となっていることが分かる。
太陽電池の発電量は天候によって左右されることは十分承知しているが、日常生活で感覚的に感じる天候による明るさの変化に比べて、発電量の変化は想像以上に大きいので驚いた。よく考えれば当たり前のことで、我々は日常太陽の直射日光を見つめて生活しているのでなく、空中の散乱光の明るさを感じているのである。それに対して太陽電池は太陽の直射日光を受け、その光量を電気に変換している。即ち太陽と太陽電池上を結ぶ直線上に雲が通過するだけで障害物となり、即光量は減少する。これに対して、我々の目に入ってくる散乱光の変化は殆ど影響を受けないためである。 |
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図2 |
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図3 |
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次に自給率(発電量/消費量X100)について見ると、9月の43%が最大、12月の26%が最小である。6ヶ月通算では33%と丁度全消費量の3分の1が自給されていることになる。これは導入時に想定していた割合に相当するもので、 順調に期待値通りに稼働していることが確認できたようである。 |