菖蒲の花を求めて(2)


皇居東御苑
 皇居東御苑は皇居の東側に位置し、皇居付属庭園として解放されています。苑内は本丸、二の丸、三の丸の3地区がありますが、菖蒲は二の丸に造られている、回遊式日本庭園(九代将軍家重の時代の庭園図面をもとに復元)の一画にある菖蒲田に植えられています。

 ここの菖蒲は明治神宮の菖蒲園より株分けされた84種(84株)が植えられており、菖蒲満載の菖蒲畑としてではなく、回廊庭園の一部として菖蒲田が存在していると見て楽しんだ方がよいようです。一株一株毎に種類が異なり、また、それぞれの種類の開花時期が異なるため、訪れた時には早咲きの菖蒲30%程度が開花している状態で、その周辺の株は遅咲きと見え、蕾もまだ堅く当分咲きそうにない状態でした。庭園を飾るという意味では開花時期の異なる種類で長期間花を咲かせ続けた方が良いのだと思います。

 花の手入れは非常に行き届いて、一株一株が活き活きとしており、さすが皇居内の庭園であると感心した次第です。また東御苑は外国人向け観光ルートの一つとなっているようで、外国人の多いのも印象的でした。(平成20年6月5日)

小岩菖蒲園
 小岩菖蒲園は京成本線江戸川駅前の江戸川河川敷にあります。広々とした河川敷の一画にあるため、余り広く感じないのですが、100種類5万本の菖蒲が植えられています。同園は地元の人から寄贈された菖蒲を元に区が回遊式庭園にしたもので、昭和57年に開園されてます。訪れた時は第28回目の「小岩菖蒲園まつり」開催中で、丁度満開の見頃でした。(平成21年6月12日)


清 澄 庭 園
 清澄庭園は紀伊国屋文左衛門の屋敷跡と伝えられており、現在の庭園は三菱財閥の祖、岩崎彌太郎が社員の慰安や貴賓を招待する場所として造園、明治13年(1880)開園しています。その後、隅田川の水の引き込みや全国からの名石を配するなど改造が加えられた、回遊式庭園です。

 菖蒲は庭園奥の自由広場の一画に通路を挟んでL字形に植えられています。正直なもので日当たりの良い、一辺は丁度満開の時期を迎えているのに対して、他の一辺は木陰となっているために、咲き始めたばかりで、部分咲きといった感じでした。庭園敷地内ではありますが、場末の余剰地を利用のために造られた菖蒲畑のようです。菖蒲には申し訳ないですが、庭園内での役割がハッキリせず、一寸期待はずれでした。(平成22年6月11日)



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