外遊帳 2009 秋

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12月30日(水) ハッピバースデイ ボ〜ク〜♪

今日は私の39回目の誕生日だ。
クリスマスも誕生日も祝う習慣のない我が家なので、まつさんとワカサギ釣りに行った。
まつさんのテントは前よりも窮屈に感じたし、彼のお腹は前より巨大に育ったように感じたけれど、気のせいかな?

最初にアメマスが釣れ、その次にサクラマスを釣った。
ワカサギはあまり釣れなかったが、料金の回収に来た人が、「みんな釣れなくて帰ったよ。さっきの人は12匹だ」というので、それよりましだ。
まつさんの釣ったワカサギと合わせて70尾ほど。まつさんが釣った分もくれたしサイズもまあまあだったので、今日食べる分としては十分だ。サクラマスも3匹もいる。




帰りがけに妻からメールが入った
「具合が悪いから、なるべく早く帰ってきて」
とのこと。

帰ると、妻はぐったりと寝込んでいた。
仕方がないので、ケーキ用の生クリームとイチゴを娘と買いに行き、唐揚げやら何やら夕飯を急いで作り、生クリームを泡立ててホットケーキに塗り、「パパ、誕生日おめでとう」と言われ、娘たちを風呂に入れ、寝かしつけたら、23時を回っていた。狭いテントでのワカサギ釣りで腰が痛くなっているところに、帰ってからずっと立ちっぱなしで料理とケーキ作りと、洗いものをしたのでくたくただ。



ケーキは、私を驚かせようと、私の留守中に妻と娘とで作るはずだったそうだ。
娘のサプライズさせたい気持ちを踏みにじらないよう、常に、「何ができるのかな?」と、とぼけた顔で、生クリームを買いに行ったり、泡立てやらデコレーションを手伝ってやらねばならないのは、勘弁してほしい予想外の誕生日プレゼントであった。
さらに言うと、台所で飯を食べつつ洗いものを終わらせた後に、ケーキ作りをし、その後生クリームでべとべとになったボウルやら何やらをもう一度洗わねばならず、「やってられるかあっ!ケーキなど食いたくねえよ、明日にしろ!明日に!」と言いたい気持ち120パーセントだったのだけれど、妻は力なく「ごめんね」などと言っているし、娘は「どう?どう?」と目をきらきらさせているし、さすがの私も今回ばかりは、そこまで鬼畜にはなれず。「美味しかったよ、ありがとう!」などと心にもないことを言ったりしたのであった。














まあでも、幸せな味だったよ。













これは、余りで作った小さいケーキ。大きいほうはなんと5段重ね!そんなに食えるか!


12月5日(土) 寒かったあ。

金曜日に飲み会があった。
二日酔いでへろへろと釣り場に向かった。
11時前に釣り場に着き釣りを始めたが、ヒドイ寒さだった。
12時をまわっても、数投でガイドが凍りつき、ラインもすぐにバリバリになってしまう。
寒さで固くなったラインは、滑りが悪くなるので小さな結び目ができやすくなる。
この日も、開始からしばらくして結び目ができてしまったのだが、そのまま放っておいてキャストを続けた。
ガイドの穴が凍りで詰まってくると、できてしまったラインの結び目がひっかかってキャストがままならない。何投かごとにガイドの氷をとりつつ釣りを続けると、ほどなく50cmほどの魚が釣れた。
無釣果も覚悟した今日の釣りだったから、この一尾は嬉しかった。



寒さのせいか、ポイントのせいかわからないけれど、魚の反応は極めて少なく、今日はさっきの魚だけで終わりかなと思った矢先、下流に投げた22gの蛍光黄色のスプーンにドンという重いアタリがあった。
瞬間アワせを入れ、「根掛りかな?」と思ったのが、きっと1秒以内、「魚だ!でかい!」と思ったのも1秒以内、「鮭かもしれない、いや、アメマスだ!」と思ったのも1秒以内だったと思う。少し強引にロッドをあおった時に上がった水しぶきは、間違いなくトロフィーサイズだったけれど、プッっという糸の切れる感触とともに、その魚は消えてしまった。スイベルの結び目で切れたかなと巻き取ってみると、切れた場所は、面倒くさくて放っておいたライン途中の小さな結び目であった。
その後、65cmのアメマスを1尾釣ったけれど、ばらしたあいつはもったいなかったなあ。


この魚が出たところには、何匹も溜まっていたようだ。

結局この日釣りあげた魚は2尾。あたり数回とばらしが1回、追いが2回。終日ガイドの氷と戦かう寒さの中だから、まあ釣れただけでも良しとしなければいけないね。
随分長く流域を歩いたけれど、一人の釣り人にも出会わなかった。結局釣りを終えるまで若干頭痛がしていたが、それが二日酔いのせいなのか、寒さのせいなのかはわからない。いずれにせよ、広い河川を独り占めできた今日の釣りの満足度は高い。
ばらした魚をとれていればともおもうけれど、まあ、それは釣り人なら誰でも思うこと。

夜は、今日で6週にわたってこちらに来ているというHiroshiさんと呑んだ。
いつも楽しいが、今回も格別に楽しかった。
Hiroshiさんと呑むのも、今年は最後だろう。来週は本州に旅行に行くと言っていた。
私の地元アメマスは、ラストかどうかまだわからないけど。


11月29日(日) 地元大河へ

久しぶりにNさんと釣りに行った。Nさんの娘婿殿とも一緒だ。
婿殿は、最近Nさんの影響で釣りを始めたそうだ。おおかた、
「釣りもいかないようなヤツに娘はやらん!」
とか脅したに違いない。全く災難だ。
まあ、妻は選べても、その父親までは選べないので仕方がない。運命だと思って釣りにはまってほしいと思う。

朝のうちは極めて寒かった。ガイドは凍り、指先が痛んだ。
夕方まで釣り、23匹のアメマスを釣ったが、納得したのは最後に釣れた1尾だけだった。
沖でかけたその魚は、おもわず「でかい!」と声を出してしまうほどいいファイトをしたが、上げてみると50cm前半の魚だった。太く銀色の魚体は完璧で、この魚が数本出れば満足なのだが、今日の他の魚はどれもいまいちだった。

あるポイントでは魚が群れており、20尾釣るのに2時間くらいしかかからなかったと思う。しかし、アベレージが小さかったし、ロケーションもいまいちだったためテンションもあがらず、あまり面白くなかった。飽きて色々なルアーを試したり、昼飯を食べたり、根がかり回収機が絡んだのをほどいていたりしなければ、まだまだ釣れたと思う。
それでも、サムライをフォーリングさせて食わせるというテクニック(というか遊び?)はテクニカルで面白かった。


最後に釣った納得の魚もサムライで釣れた。


久しぶりにNさんと釣りができたのも楽しかったし、Hiroshiさんやシロさんなど色々な人に出会えたのも楽しかった。昨年カラフトマスにご一緒させてもらったTさんに再会できたのもうれしかった。
しかし、釣りとしては今回はちょっと消化不良だ。

今年は、〆に相応しい釣りをして終われるかな。


11月22日(日) 勤労(キンゾー)感謝の日 の前日に釣りに行った。

初めてキンゾーさんと釣りに行ったのが、2000年の11月23日だ。
それから9年、年に少なくとも3回は一緒に釣りをしているだろうから、少なくとも30回以上は一緒に釣りをしているのだろう。


この日もキンゾーさんは型の良いアメマスを釣っていた。

9年間で釣りの技術やら、女の悦ばせかたやらをたくさん教えてもらった。おかげで妻とは今でも良い関係だし、二人の子どもも授かった。全てキンゾーさんのおかげである。
9年前も道東湿原河川だった。
「ずーっとおんなじことばっかやってるよな。」
とキンゾーさんが言った。

ゲートの前に車を止め、トランクから自転車を下した。ここから川までは4kmほどある。以前自転車を漕いだ時には、川に着いた途端、自転車こぎに疲れ切ったまつさんがギブアップ宣言をした。
今回は、キンゾーさんのバギーに自転車をけん引してもらい、釣り場まで向かった。楽は楽なのだが、これがなかなかの冒険であった。

道は固くしばれており、その上に雪が数センチ積もっていた。
少し油断するとハンドルが取られそうになるので、しっかりとグリップを握っているのだが、その手の感覚が寒さでなくなってくる。釣り用のグローブなので、むき出しの指先は氷点下の風を直接受けることになるのだ。さらに。バギーのタイヤから小石が飛んできて顔に当たるのも痛い。
土手から取り付け道に降りていくカーブで見事に転倒した。
スピードは出ていなかったので大したことはなかったが、寒さと痛さで少し立ち上がれなかった。
車にひかれたカエルのように無様にうつ伏せになっている私の頭には、背中にしょっていたランディングネットが見事にかぶさっていた。このランディングネットでこの先これ以上の大物を掬うことなないだろう。きっとこれはとても面白い絵になっているに違いない。私だったら、まずはそんな面白い姿で転倒している人間をカメラに収めただろうが、キンゾーさんは大丈夫かと私を心配してくれた。長年の付き合いの中で、もう少しヒドイ人間だと判断していたので、これは意外な対応であった。



帰りの画像。雪も解け、気温も上がっていたのでホントに快適だった。

自転車のチェーンは外れ、ハンドルが変な方向に曲がっていたが、体は軽い打ち身ぐらいですんだ。さらに、あまりの寒さで痛みを殆ど感じないのも良かった。こういうとき、私は決まって笑ってしまう。こういう人間の心境っていうのはどういうものなのだろうと考えるけれど、まあ、それはどうでもいいな。

朝はガイドが凍りつく寒さで、ぽつらぽつらと釣れた魚は、アタリがとても小さかった。ゴミか水草が触っているのだとアワセなかったら、でかい魚を2匹ほどばらしてしまった。手前で反転して消えていった魚は、後から釣れた60cmUPよりもずっと大きな魚だった。ああ、あれがアタリなんだとわかってからは、今度は底の木にアワセてしまい、大切なミノーを3つもロストしてしまった。


このお気に入りのラパラも倒木にとられてしまった。

昼をはさんで全く釣れない時間帯もあったが、帰り近くに何本か連続で出たので良かった。何より三連休の中日なのに、釣り人に一人しかすれ違わなかったのがいい。日が高くなってからは暖かく気持ちの良い日だったし、満足度の高い釣行であった。


太く強い魚だった。63cm。

キンゾーさんは、20本ぐらいで最大が66cm。私は丁度10本の魚が釣れた。9年前のあの日は8本釣ったので、9年間でアメマス2本分上達したという計算になる。来年の十周年記念釣行、ちょっとラブラブな感じでどっかに行きましょうね。キンゾーさん。


そうそう、夜は十勝に釣りに来ていた遠くの方々と、帯広で呑みました。
私が地元を避けて釣りをした夜に、地元で地元以外の方と呑むっていうのは不思議な感覚でした。
一番遠くから来た工場長さんは、一睡もしていないとおっしゃっていましたが、パワフルだったなあ。

11月8日(土) さよなら 愛竿

夜2時に家を出て、さっさとコマイを大量に釣って、朝からアメマスを釣ってというプランだったんだけど、コマイはどっかに行っちゃったようで、さっぱりあたりがない。
夜空を見ながらのビールやウイスキーはうまかったけれど、何のために早起きしたのかわからない。まつさんがぽつらぽつらと3尾ほどコマイを釣りあげた後、やっと私の竿にもあたりがあった。で、上げてみるとアメマス。。。うーん、キミは後で川で釣るのだから、この竿にはかからなくていいよ。で、次に釣れた魚が小さいカワガレイ。で、次に釣れた魚がウグイ・・・。やってられるかー!


この時間が一番幸せだったな。これから釣れるって信じていたから。

10時過ぎまで粘って、二人で11尾。さみしい結果となった。釣った魚をまつさんの実家で捌かせてもらったところ、ほとんどメスだった。今回は卵巣ごと干してみようと思う。

午後十勝川へ入り、最初のポイントですぐに1尾釣れた。40cmに満たないサイズだった。まつさんも2匹ほどポンポンと釣りあげた。
場所移動したポイントで、60cmUPのアメマスが釣れた。遠くで掛ったのでやり取りが面白かった。
途中、あきらめて、すーっと寄ってきたので、もしやウグイかもと思ったが、だいぶ寄ってから激しく抵抗し始めた。この一尾でこの日は満足だ。

小さな木が川面に張り出しているポイントでルアーを投げたら、ロッドが枝にぶつかり、竿が折れてしまった。スミスのお気に入りのロッドで、今はもう手に入らない竿だ。3年前にユーコンで折られたのと同じ竿。不覚。修理するか、この際新しい近代的な(?)竿を購入するか迷うところだ。

手尺で3つ分ありました。

まつさんにロッドを借りて、3つ目のポイントに入った。ここは夕方になるとなぜか魚が出始めるポイントだ。ウグイのライズが多いのでどうかなと思ったが、短時間で4本のアメマスが釣れた。

まつさんがウグイ専用ルアーで、ウグイ釣りをしていた。
釣り方は専門的で、彼は次々に良型のウグイを釣りあげていた。
専門的にカスタマイズされたルアーで、専門的な誘い方をする、専門的な釣り方が楽しそうだったので、私もまつさんに「1回やらせて」と竿を借りてやってみた。
大型のウグイは、その日に何本か釣れた40cmほどのアメマスよりは明らかに強い引きをした。
コイじゃないの?と思えるデカうぐいは、最後まで激しく抵抗した。サイズを測ると46cmあった。太いので、サイズ以上に大きく見えた。けど、こんな釣りしてるってバレルとキンゾーさんが遊んでくれなくなるかもしれないな。


グイだって狙って釣れば、外道とは言わない。

夜は職場の友人が家族で遊びに来てくれたので、コマイの白子ポン酢や、卵巣の醤油漬け、バター焼きなどの料理を作って宴会をした。殆ど寝ていなかったので、だいぶ酔っ払ってしまった。失礼なことを言ったりしたりしていないか心配だ。

11月2日(月) 東の川に車を押し?に行った。

東の方の川に着いたのは昼前だったかな。
まつさんの軽自動車が河原で埋まってしまって、1時間ほどかけて脱出に成功した。
ジャッキで車体をあげて、石や木をタイヤの下に入れて、えいやっと押して出した。
ボクの服は泥だらけ。まつさんのウエーダーはソールがはがれたりなにやらで廃品に。
脱出できてよかったなあ。

釣り?したっけかなあ。

10月31日(土) コマイを釣りに

結局のところ、夏のカラフトマスの撃沈がこんな時期まで影響しているということなのだ。
毎年恒例の旬の魚を、今年は満足するほど食べていない。冷蔵庫のストックもない。
ということで、コマイなのだ。


気温は低かったが、穏やかな日であった。

前回夕方少しだけ遊んだ砂浜に、今度は日の出前に付き、午前中いっぱい釣りをした。
急に冷え込むとの予報で、覚悟していったが、それなりの服装をしていたので、なんとも感じなかった。
厳寒期に川に立ちこんで釣りをしたり、氷の上で釣りをすることを考えればなんでもない。風も波もない穏やかな海岸でのんびり過ごした。
何漁なのだろうか、時折、網を引いた漁船がたくさんのカモメとトビにまとわりつかれながら、浜のすぐ近くまで寄ってきた。遠投すれば届くのではないかというくらいの距離だ。



ひっきりなしというほどではないけれど、飽きないほどに釣れ続け、最終的には27匹のコマイが釣れた。40cm級も少し釣れたのがうれしい。白子も卵巣もどっさり取れた。コマイは当日は鍋にし、次の日はそこに味噌を入れて味噌汁にした。余った切り身は別の日、小麦粉をまぶしてバターでソテーした。卵巣は前回は塩漬けにしたが、今回は醤油漬けにしてみた。これもなかなか旨い。

今、物置の前では、まだ20尾ほどのコマイが干されている。3時ごろに家に着いたのだが、それから全ての調理やら片付けが終わったのは8時ごろだったと思う。さすがに疲れた。でも、これからしばらくは酒の肴には困らない。


卵巣は醤油漬けにした。


白子は茹でてから冷凍した。


カレイの刺身と、茹でて形の崩れてしまった白子で作ったたち(?)ポンが今夜のおつまみ。



10月24日(土) 拝啓 まつ様。この卑しいわたくしめをば・・・。

例によって前日飲み会であったが、まつさんに朝4時に迎えに来てもらい、早朝から釣りに行くことにしていた。飲み会の次の日になぜそんなに朝早くから出発するかというと、シシャモがどうしても釣りたいからだ。実は先週、どうせ少しくらい釣れるだろうと、夕方近くの港にふらっと行って、見事にシシャモボーズを喰らっていたのだ。色々聞くところによれば、シシャモは夜釣りが良く、それには投光機なんかも必要だというけれど、そこまで大がかりな釣りは難しいので、日の出前に現場に付き、少しでもおいしい思いをしたい。いや、そこまでいかずとも、なんとか夕食分くらいはゲットしたいと目論んでいたのである。

「ん?明るいぞ」
と気が付き、時計を見ると6時50分であった。
酒臭い息を身にまといつつ、急いで寝室から階段を駆け下り、携帯のディスプレイを表示する。

04:01 爆釣です。
家に着いたというメッセージだ。聞けばこの後、携帯をならしても、インターホンを押してもなんの反応もなかったそうだ。その後も、メールが何件か入っていた。


04:07 爆睡ですか?
04:21 とりあえず起きたら連絡ください。近場で待機してます。

そして06:09に送られてきたのがこの画像だ。

 

釣り具屋の自販機でとりあえず餌を購入し、先に行って釣りをしていてくれたそうだ。
起床してから5分で家を出て、すぐに港に向かった。道中なんて言って謝ろうと思いながら運転をした。
現場に着くなり、堤防の上に土下座をして謝ったが、彼は笑って許してくれた。
今度、まあきち亭で、彼の好きなものを好きなだけご馳走しようと思う。

その後、午後から数時間、砂浜でコマイを釣り、家に帰った。
シシャモは全部で5匹、コマイは2匹という貧果だった。
まつさんは、自分の釣った魚を全部くれた。帰りに寄ったまつさんの実家では大根2本とかぼちゃ2個とじゃがいもをいただいた。これは、ほんとにまつさんに頭があがらないなあ。


はじめて釣ったシシャモは、透き通るような銀色をしていた。


外道で釣れたクサウオも持ち帰って干物にした。一応食えるという程度の味であった。


カレイの刺身とコマイの唐揚げ


今回は、コマイの白子の味噌汁が絶品であった。

家に帰って魚の処理をし始めると、まだカワガレイが生きていた。
娘が喜んで、「わーい、私の友達!」などと言って突っついたりするものだから、捌きづらかった。
娘は生きているカレイに包丁を入れ、それが刺身になるまでずーっと興味深そうに眺めていた。
そして、出来上がったばかりのかれいの刺身一切れをつまみ食いして、
「私の友達、おいしーい!」
と言った。

10月11日(日) 秋 湖にて

今週も、山のダム湖に行った。
といっても、ここは自分にとっては身近に感じる場所なので、山深いという感じは実際にはないのだ。手ごろな大きさの湖なのでカヤックを出すのに丁度よい。ヤマセミやカワセミに良く出会うのも好きなところだが、今回は出会わなかった。そのかわり、ヤマゲラに何羽も出会った。上品な緑色をした美しいキツツキだ。

ある私設レンタカー屋さんで、軽自動車をレンタルした。何時間借りてもタダ。時には缶コーヒーやサンドイッチ、おにぎりなどを無料でくれるという良心的なレンタカー屋だ。私の車では湖畔まで辿り着けないので、このお店なくしてこの湖の釣行は叶わない。まあ、無料と言っても、普段だいぶタダ飯を食べさせているのでよいことにしておこう。一応若干感謝はしているけどね。

昼から4時間弱で、20回ほど魚からのコンタクトがあり、10尾に満たないくらいをキャッチしたのではないかと思う。キャッチ率が5割に達しないのは私の腕のせいが多分にあるが、前回は5回ヒットして全て取れなかったので、それよりはマシになった。少し通えば、もうちょっとはキャッチ率もあがるだろう。



40cmオーバーのブラウンも数回出てくれたが、それらはすべてキャッチできなかった。
それでも今回は、35cmくらいのブラウンとニジマスを釣りあげることができたので満足している。
ニジマスは、1回のリトリーブ中に2回食い損なったが、アワセず我慢していたら、3回目にしっかりと食いつきキャッチに持ちこめたのでうれしい一尾となった。
紅葉の始まりかけた湖にカヤックを浮かべながら釣りをするのは楽しいのだが、この日は風が強かったので艇が流されて釣り辛かった。
来シーズンになると思うが、60UPを目指して、何度か通おうかと思っている。



夜は、午前中別の湖でアメマスを狙っていたHiroshiさんとshinyaさんが帯広に泊るというので、一緒に楽しい時間を過ごした。Hiroshiさんとはもう何回も呑んでいる。shinyaさんとも何度か呑んでいる。けれど、釣りを一緒にしたことは殆どない。特にshinyaさんとは皆無に等しいので、今年の秋こそは一緒にアメマスを釣って、その話で一杯やりたいものだ。

10月4日(日) 秋 深山にて

秋に山に入ると、命というものを強く意識させられる。
春に感じる煌めく生命感としての命ではなく、どこか切なさを感じる命である。
それは、命の儚さのようなものに触れるからなのかもしれないし、生命の連続性に心を動かされているのかもしれない。
いずれにせよ、目にする生き物たちの生や死に触れ、感傷的になるのは私がヒトだからである。
過去や未来を考えるのはヒトだけだ。即ち自らの生や死を考えるのはヒトだけなのである。
鹿も熊も鱒たちも、明日の死など恐れてはいない。今の瞬間だけが彼らのすべてなのだ。

だから何だと言うと、別にどうということもない。当然だが、動物たちは素晴らしい、羨ましいなどいう安易な感想を持ったりもしない。たぶん、先日、また一人昔の友人が死んだことを聞いたことで、少し感傷的になっているようなのだ。

おっと、話が外遊帳じゃなくなってしまったので、今日の話に戻そう。

南十勝の山へ入った。メインの目当てはキノコ。それと、ちょっとだけ釣り。前の日にナメコとムキタケを少しだけ発見していたので、ちょうどよい時期かと思い山に入ったのだ。


前日、採ってはいけないところで見つけた、なめこ。

沢沿いをキノコを探しつつ上がっていく。
途中何頭かの鹿に間近に遭遇した。

沢の近くに、もう、すっかり白くなった鹿の足の骨を見つけた。付近を捜すと背骨と頭蓋骨もあった。
冬を乗り切れず死んだものか、熊に襲われたものか。



水中にある石の下を覗くと、ニホンザリガニがひっそりとうずくまっている。
冷たくて綺麗な水にしか住まないというこのザリガニが、この沢にはたくさん生息していた。



幅2m以下、深さ数十センチの沢に、何十匹ものサクラマスが遡上していた。
私に驚き、次々と背びれを出しながら上流に逃げる。どの魚も婚姻色がはっきりと出ている。真っ赤な縞模様を体側に浮き上がらせ、鼻先が曲がった大型のオスが、牙がむき出しにして浅瀬に腹をつかえさせていた。



さらに沢を登っていくと、倒木で流れが堰きとめられた場所に、2匹のサクラマスが寄り添っていた。あるいは夫婦かもしれない。2匹は次の増水を待っているのだ。そっと尻尾を掴み持ちあげると、春や夏の彼らに比べ、随分とやせ細っていた。



こんな山奥にという場所に、人工物でできた堰があり、その下の小さな深みには、さらにたくさんの鱒が遡上できずにたまっていた。



サクラマスが海から川へ入ってくるのは春だ。
それから食べ物を取らずに何カ月もかかって遡上してきたのだ。越えられぬ落差があれば、何日でも大雨を待つ。そうして、目の前のサクラマスたちは、山奥の小さな小さな沢まで辿り着いた。行きついた先が、こんな人工物だということに悲しみを感じた。

しかし、その人工物を越えたところにも鱒はいた。逞しさに感動を覚えた。



沢には、サクラマスの死骸もいつくか横たわっていた。
力尽きた鱒の体を裏返してみると、ニホンザリガニガ一匹くっついて、その肉を食べていた。
この沢に登るサクラマスたちが、この森全体に残すものは大きい。

気がついてみると、随分と山奥まで分け入ってしまった。
この鱒たちを貴重な蛋白源としているのは、ザリガニだけではないだろう。
ふと、この森のあるじが、どこからか私の様子をうかがっているような気配を感じ、沢を後にした。



左 ムキタケの刺身  右 ムキタケと豚肉の中華炒め

10月3日(土) お気に入りのうどん屋さん

病気で妻の実家に預けていた下の娘を引き取りに行くついでに、御影にあるお気に入りのうどん屋さんに寄った。うどんの味も店の雰囲気も文句なしのお店だ。
お店の名前は、「麦や」
日高の山が見渡せる絶好のロケーションの中に、ひっそりとある。周りにあるのは、森と小川と畑だけだ。

このお店で私が好きなのは「ごぼ天ぶっかけ」だけれど、妻の頼んだ「つけうどん」もまた美味しかった。
本当に最高の店だけれど、車通りの少ない場所にあるのが、ちょっと心配。
まあ、ご主人一人でやっている店なので、あまり混み過ぎても困るのだろうけれど。

十勝御影方面にお越しの方は、是非一度寄ってみて欲しい。


雰囲気のとても良いお店である。



今回は「えび天ぶっかけ」を食べてみた。 これも旨い!


妻の食べた、つけうどんの『ぶたごぼう』も今度食べてみたいな。


娘が食べた「かちんうどん」と、デザートに食べたカステラ