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12月29日(日) 湿原に幻を追う カヤック釣行編

きんぞーさんとカヤックでイトウを狙いに行こうという話になった。

着いた時には辺りはまだ真っ暗だった。
満天の星で天頂付近には北斗七星が光っていた。
昨日までは、例年にない生温さだった気温も、今日はキーンと冷え込んでいる。帰ってから調べると、その時刻、現地の気温は氷点下15度ぐらいだったようだ。
しかし、冬はこのくらいの方が好きだ。冬は寒く、夏は暑いのがいい。らしくないのは、興醒めだ。

日の出前に、川にカヤックを浮かべ、ゆっくりと流れに漕ぎだす。
この季節に川を下るのは初めてだったので、川に出るまでは少し不安もあったのだが、漕ぎ出すとすぐにそんな不安はどこかへ行った。少しぬめっとしたように感じる水面を艇の先が静かにかきわけていく。だんだん明るくなっていくあたりの景色を見ながら進む。


やっと薄明るくなってきた頃、先に見えるのは、キンゾーさんの艇だ。

水しぶきがジャケットにつくとそのまま玉になって凍った。
パドルにはすぐに氷が付着し、それがチクワ状になってだんだん太さを増してくる。
昔、焚き火でバームクーヘンを作ったが、そのときに棒に小麦粉をつけて徐々に太くしていったのに似ているなあと思った。
後で、パドルに着いた氷を外すと、パドルが驚くほど軽くなり、漕ぐのが楽になった。
そんな状況だったが、風もなく、寒さはそれほど感じなかった。それよりも何を見ても初めてのことなので、新鮮で楽しかった。
川岸の木の枝や、枯れ草などが水面近くで面白い形に凍っているのを見ながら、ウイスキーを一口飲んだ。なんとも、言いようのない美味さだった。


ペットボトルのJIMBEAMを初めてみた。味気ないが、外遊びの時には軽くていい。

9時ごろ、予定の区間に到着した。
目当ては、もちろんイトウだ。

誰もいない湿原の荒涼とした風景の中で竿を振るのは気持ちがよかった。
イトウなどそう簡単に現われるわけもないのだが、釣るのだという強い意志がないとなかなか釣れない。そんなことを、10年以上前に学んだのは、この川だった。


スプーン、ミノー、バイブレーションと、色々なルアーにアメマスがヒットした。

だから、この日は絶対に釣るという気持ちで竿を振り続けた。
時折掛かるアメマスは、2週間前よりも元気が良くて、アタリも明確だったし、引きも強かった。
しかし、イトウを本気で狙っているときには、アメマスは外道にすぎない。

タイムリミットが近づいた頃、浅瀬の向こうの駆け上がりで、強く引く魚が掛かった。
こんなところで掛けたら、大きなイトウでも取り込めるなあと思った1投だった。

ぐーっと深みに潜って行ったその魚は、これまで釣ったアメマスとは何か違う引きをした。手にする重量感からモンスタークラスではないことがわかったが、引きは今日釣ったどの魚よりも強かった。
鼓動が速くなる。もしや。

少し浮いてきた魚が暴れるのが見えた。何かラインが体に巻いているように見える。
さらに緊張する、イトウの奴め、ローリングして針を外しに掛かったのだ(何かで読んだことがあるぞ!)。

徐々に弱らせ、緊張の中寄せて来た魚を、とうとう取り込むことに成功した。
それが、この魚だ。














スレかよ〜〜〜。

15時ごろ釣りを止め、再びカヤックで下流にデポしてある車の場所まで漕いだ。
17時。暗い中ゴール。
それからカヤックを片付けて、スタート地点の私の車に戻ったのが18時頃だった。
すでにあたりは真っ暗で、天頂にはカシオペアが光っている。
日の出前から日没後まで遊びに遊んだ。

本命は出なかったが、そう簡単に釣れるとは思っていない。
こうやってキチンと苦労して狙っていれば、いつか釣れるだろう。
そして、釣れるまでの時間やプロセスが長く困難であれば、それだけ釣れたときの喜びも大きいのではないか。



得るものは大きかった。日の出前から日の入り後まで12時間遊んだ。GPSのトリップコンピュータによるとカヤックと歩きで合計27kmの移動距離だった。

満足の1日だった。


p.s.
コレを更新している今日は私の誕生日。
イトウは釣れなかったが、娘たちがワインとイトウの写真が表紙の釣り雑誌を買ってプレゼントしてくれた。妻は、ちょっとココでは明かせないけれど、とっても嬉しいプレゼントをしてくれた。
裸エプロンとかじゃないよ。


「オーマジネ」という名前がいいということで、選んだそうだ。



12月14日(土) 湿原に幻を追う

昔からココを見ている人なら知っていると思うが、「湿原に幻を追う」シリーズってのが、このサイトにはある。
パートいくつまで書いたのか記憶にないが、時には、カヤックで湿原奥地まで入り込みテント泊までしてイトウを狙ったこともある。なかなかアドベンチャーなシリーズなのだ。
題名もなかなかかっこいいと思うのだがどうだろう。

ただ、一つだけ、いただけないことがある。

それは釣果だ。
これまでにこのシリーズで釣れたイトウは2尾だけ。
それも、2尾とも40cmぐらいの子どものイトウだった。

今日は単独釣行だ。
「先週歩きたくない」と言った彼には電話もしなかった。
次の日「なんで誘ってくれなかったんですか〜」とヒマそうに現れた彼は、ダイエットを始めたらしい。
「1週間で3kgやせました。」と言うので、「10か月たてば120kgもヤセルネ!」といい加減に答えておいた。
「キミのダイエットには興味がないよ。」という気持ちを表現したつもりだったが、彼に届いただろうか。

さて、湿原の幻だ。今日も前置きが長かったねぃ・・・。

暗いうちから入っても森を抜ける自信がないので、明るくなってから川を目指した。
地元で前日に少しまとまった雪が降ったので心配していたが、このあたりはそれほど雪が降ってはいないようだ。さらっと降った雪の上に着いているのは、鹿、リス、キツネ、ウサギ、ネズミ、ミンクの足跡だ。
そんな足跡をたどりながら、やっと川に出たのが9時前だった。


40cm〜50cmのアメマスが何匹か釣れた。

何匹かアメマスを釣りながら、ちょっと目安にしている、とあるチェックポイントに着いた時には昼になってしまっていた。
少し時間をかけすぎたなと後悔した。
私が今日、本命視していたポイントはココからまだずっと下だったのだ。
ココの主であるキンゾーさんに「何時に引き返せば明るいうちに車まで着きますか」と聞いたら、13時だと言っていたが、15時ぐらいまで釣りをした。

幻は全く姿を見せなかった。


スプーンでもミノーでもじっと止めてやるとアメマスがヒットした。


引き返す途中で日が暮れ、辺りは真っ暗になった。
月明かりと、ヘッドライトだけで川岸を歩いたが、途中何カ所も小川を渡らなければならなかった。
小川にかかる細い丸太は雪が乗っており、足を滑らせそうだった。ウェーディングシューズが買ったばかりの慣れないブロックパターンの靴底ということもあり、渡る度に緊張した。
何本目かの丸木を渡っている途中に、リュックの脇に突き刺していたテレスコピックのフォールディングネットを、張り出している枝にひっかけて細流に落としてしまった。流れが結構ある枝川だったので、そのままネットを諦めた。真っ暗なので深さも様子も良く分からなかったし、体もそのころには大分疲労していたので、ネットを探そうという気にもならなかった。

途中から、GPSを頼りに森を抜けたが、GPSに映し出されている往路の軌跡を見ながら歩いても、朝歩いた場所がどこだかよくわからない。湿原の森は到着場所が分かっていても、川やぬかるみに行く手を阻まれて最短距離で歩くことができないのだ。GPSなしだったら、遭難していただろう。


陽が落ち、太り始めた月が辺りを照らし始めた。


なんとか車に戻ったのが17:30 帰ってGPSを確認すると、9時間30分、16km弱の歩行という釣行だった。
新しい靴はなかなか快適だった。ブロックパターンは足の裏に雪がつかなくていい。しかし、歩きだしてすぐに感じた違和感―これは靴下のヨレか何かだろう―を放っておいたので、右足のかかとに少し靴ずれができた。それをかばって歩いたせいか、左足の腱のあたりが少し痛んだ。
この1カ月の煮え切らないアメマス釣りにピリオドを打つには、少しやりきった感が必要だと思い、大好きな川を思う存分歩いた。
人っ子ひとりいない川を独り占めした。夜の森では、びっくりするぐらい近距離で鹿の声と足音を聞いた。

それで、俺は満足したのか?やりきったのか?

答えは否だ。

満足するための釣行だったのだがなあ。

帰って風呂に入ると、体中の痛みや疲れが和らぐ。
すると釣り欲がまた、腹の底からじわーっと沁みだしてくるのだ。

いい釣りだったなあとは思う。
けれど、もっと先まで行きたかったなあという気持ちの方がはるかに強い。
途中のアメマス釣りは必要だったのだろうか。
もっと遠くに行くために必要な道具、それは例えばゴワゴワしないベストだったり、必要最小限のバッグだったり、もっと軽いカメラだったり、または、クロカン用のスキーであったり。

次の日、キンゾーさんが同じ区間を、さらに先まで歩いた。20km以上で歩行時間11時間20分だそうだ。
彼は、これまで、そうやって数多くのイトウと出会ってきたのだ。

また、行こうと思う。あの川でいい魚を釣りたいと、強く思う。

そう心に決めた釣行であった。

12月1日(日)と7日(土) くっそー。

1日は、午前中1ぴき。午後から鳥見に切り替えるも、大した成果なし。夕方、以前よく釣りをした場所で竿を振るも1匹追加したのみ。この日もたくさん歩き、帰り道でボロボロのウエーディングシューズがさらにボロボロになって歩きづらいことこの上なし。靴も心もボロボロの1日。なので、この週は更新しなかった。

毎回、すばらしい天気。


1日は、小さいのが2匹だけ。



こんな靴で車まで2km歩いた。

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週半ばにまつさんから電話があった。
「土も日も空いている。釣りをしたくてしたくてたまらない。遠征をしたい。泊りがけでもいいからどこかに連れて行け。」
とのこと。

地元河川がどうもならないので、少し足を伸ばすことに決める。
朝4時にウチに集合というメールを前の晩に送っておいたのだが、時間になっても彼は現れず。
「すみません。バッテリーが切れていてメールが見れませんでした。」という、87%疑わしい言い訳をしつつ5時に到着した彼に対して、「いやいや、なんでもないよ」と余裕の笑顔で答える私は、この時にはまだ、この日の爆釣を信じていたのであった。

車に乗り込み、どこに行くかという話題になった時、私の中に4カ所候補があった。
そのうち1つはアメマスの釣れる止水で、後はイトウが釣れる可能性のある河川だった。
私は道東に流れるイトウの川に気持ちが傾いていた。今朝がた、起きる寸前までイトウ釣りの夢を見ていたのが影響していたのだろうと思う。


私は良く同じシリーズの夢を見る。同じシリーズとは、似たようなシチュエーションの夢のことだ。中には子どもの頃から今までずっと続いているシリーズ夢なんていうのもある。ほとんどが、超能力を使って空を飛べるようになる夢など、「キミ、悩みないでしょう。いい年して、どうなってんの?」といったタイプの夢なのだが、イトウ釣りの夢もそのうちの一つだ。釣りをする場所はいつも一緒、私が子ども時代に過ごした妙正寺川(みょうしょうじがわ)という川がその舞台だ。

当時家の近くを流れていた妙正寺川は左右と底がコンクリートで幅10m深さ7mほど(確かではない)の排水溝のような川で、普段は川底を水がちょろちょろと流れているだけの面白くもない川だった。
少年時代、私は、柵を乗り越え、橋の脇にあった、コンクリートの側面に埋め込まれている取っ手型の金属製ハシゴを伝って川底に下りて遊んだ。川はいつもドブの臭いがしていたが、下に降りるとその臭さはさらにひどいものだった。そこで私は、空気銃でドバトを撃ったり、土管の中に入って探検したりと、ロクでもないことをして遊んだ。


妙正寺川。ウチの近くには、こんな川しかなかった。

何故か理解しかねるが、夢に出てくるイトウ釣りの場所は、いつもこの妙正寺川なのだ。
川底に下りてしばらく歩き、側面にぽっかりと開いている直径1,5mほどの下水道に通じる土管に入っていくと、そこがイトウのポイントになっている。土管の入口から、出口までは1〜2kmほどだろうか。曲がりくねった暗い水路は、ところどころ深くなったり障害物があったりして、その陰に大物のイトウが潜んでいるのである。

私はその場所で何度もイトウを目にするのだが結局いつも釣りあげることはできない。足元の物陰から大きな影がさーっと走ったりするのは見るのだが、自分のルアーにはヒットしない。夢ならば自分の都合のよいように行きそうなものなのだが、夢でさえ思い通りにいかないのである。

さて、いつものように随分脱線したが、「どこに行こっか?」と言う私の問いに、まつさんは「どこでもいいっすけど、歩かないところで」という答えをしてくれた。「歩かないで釣れるところあるかー!」という言葉はぐっと呑みこみ「じゃあ、あそこにしよう」と、止水に行った。


こんな景色の中釣りをできるだけで幸せだと、最初の1時間は思った。

4時間かけて行った。
なんも釣れなかった。
いや、正確に言うと、70cmぐらいの水草は釣れた。
40cmぐらいのロープには、フックががっちりとフッキングしていた。
アタリはなかった。
いや、水草のアタリしかなかった。
いや、正確に言うと、ロープのアタリはあった。

昼で見切りをつけて、イトウ湿原河川に行こうとしたら、通行止めになっていた。
で、ふらふらとさまよって、日の入り時刻に到着した川で40分ほどやったが、ここでも何も釣れなかった。


15:30から釣り始めた。

はい、釣りの話終わり。

なんかねえ。まつさんと釣りに行くと釣れないっていうジンクスができそうだよ。
で、まつさんと釣りに行った時には、釣り以外の話が長いってパターンもできそうだ。

帰りの車の中で家に電話した。癒してもらおうとして、妻に「愛してるよ」と言ったら、無視された。
さらに話したいことがあると替わった娘が「パパ釣れた?ヒッヒッヒ」と意地悪く笑いながら傷口に辛子を塗ってくる。
ソレを聞いていたまつさんが「まあきちさん、そっちもボウズですね」と、たいして上手くもない冗談を言った(彼は最後に寄った河川で1尾釣って調子に乗っているのだ←見てないけどね)。

道中、たくさんまつさんと話ができた。運転もぜーんぶまつさんがしてくれた。おまけに、極上の毛ガニを2杯もいただいた。いい休日だとは思う。まつさんにも感謝している。

でもねえ。
シーズンが終われないんだよ。これじゃあ。
くっそー。
来週も行くぞ、絶対。
うおー、どこ行こう。どこ行きゃ釣れるんだ。
だれか、教えてくれー。


今日も、いい天気だったなあ・・・(ToT)/~~~


11月23日(土) 実は、先週も釣りをしていたけれど、更新しなかった。

先週の日曜日も午後から釣っていたのだが、一匹も釣れなかったので更新する気がおきなかった。その日の前日、16日(土)の夜にHiroshiさんに「来ているんですか〜」とメールしたら折り返し電話がかかって来て「明日なんて釣りに行っても釣れないんだから、今すぐに来い」とお呼びがかかり、町でお酒をおごってもらった。shinyaさん、naruseさんとも会え、楽しい時間を過ごすことができた。
で、翌17日、あんまりいい天気なのでHiroshiさんの忠告を無視して午後から川に行ったが、アタリすらなく惨敗。先輩の忠告は聞いておくものだと思ったが、下の方はきっちりと釣っていた。でも下の方はちょっと特殊な方だしなあ。


ちょっと特殊な方の後姿

で、今週23日(土)は朝から一日中釣りをしてやろうと気合を入れて家を出た。だって、3週連続ボーズってのは嫌だもんなあ。

 釣り場に着いたのは8時過ぎ。下流の人気ポイントには車がたくさん停まっていたので、先々週まつさんとやったあたりで釣りを始めた。魚がたまっている場所を探して、歩いたが、行けども行けども全くアタリがなかった。釣り始めて2時間半、魚っ気がないので車に戻って場所を移動しようかと思ったところで、対岸のフライマンたちが魚が掛ったと話しているのが聞こえたのでもう少し粘ってみることにした。

 さらにそれから30分ぐらいしたころ、沖に投げてターンしたスプーンにゴロゴロゴロゴロと何か絡みつくような違和感を感じた。魚かなあ、底の障害物かなと巻いていると、小枝でも引っかかったような手ごたえがあったので、竿を立てると、魚が掛った。アワセ損なったような気がするなあと思いつつ、慎重に寄せたが、足元でフックが外れ川に戻ってしまった。50後半ぐらいのアメマスだった。

 坊主の可能性が濃厚だったために、今の一本は悔やまれた。だって、魚の写真を1枚くらいは撮って、サイトに載せたいじゃないか。毎回川だの、出会った釣り人だのの写真だけじゃ、ねえ。

 たまっていないかなあと、同じレーンを流すと、やっぱりゴロゴロと何かが触る。そして数回目にやっぱりヒット。これもあまり明確なアタリではなかったが、無事ランディング。60cmを少し超えるサイズだった。結局このポイントで4匹のアメマスを釣りあげた。バラシを入れれば5本。その他に追ってきたのが1本。この日の状況を考えれば、たまっていたと言えるポイントであった。アタリはどれも小さいものだった。

それから、また、随分歩いたが結局途中1本を追加しただけで、予定していた場所まで着いてしまった。もうずいぶん日が傾いているし、釣りをせずに帰っても車までは1時間近くかかる場所まで来ていたので、帰りは、行きに釣れた2カ所だけやることにした。
最初のポイントには、人がいた。そして、ちょうど魚をランディングしていた。「やっぱりポイントなんだ。」とちょっとがっかりしたが、同時に嬉しかった。なぜなら、今日釣れたポイントは全てGPSに場所を打ち込んであったからだ。今日の状況で、2回も魚が掛ればきっとそこは何か魚が着きやすいポイントなのだろう。

行きに5匹の魚が相手をしてくれたポイントに着き、小さくポイントを移動しながらジグを投げ込んでいると、その日最後の魚がヒットした。沖で掛ったので、流れに乗ってなかなかの重量感だった。それでも比較的あっさり寄り、無事に岸にずりあげることができた。あまり大きく見えなかったが、測ってみると66cmあった。満足のサイズだ。

1日やって6本というのは少ないが、後で聞くと、この日も次の日も、めちゃくちゃ魚影が薄く、坊主の人も相当いたそうだから、ラッキーな方なのだと思う。
ああ、やっと魚の写真が載せられる。思う存分載せちゃおう。




11月11日(月) 11月11日11時11分11秒

以前にもどこかで書いたかもしれないけれど、私には11月11日の11時11分11秒の瞬間を自分の目で見てみたいという夢がある。
小学生の時からのこの夢は未だに果たせないでいる。
小学校でも中学校でも高校でも大学でも、朝に今日こそ見るぞと思っていても、気がつくと見逃しているのだ。
2011年や平成11年は、さらに大きなチャンスだったのだが、その年もやっぱり見逃した。
今年などは、2日もすぎてから「ああ、一昨日が11日だったか」と気がつく始末だ。

子どものころと違い今なら1分前にアラームでもセットしておけば、そんなものを見るぐらいわけのないことなのだろうが、ここまできたら、このゆるい考えの中で、偶然この日この瞬間を見ることを楽しみにしようと思う。

ところで、11月11日がポッキーの日だとか誰かが言っていたので、他には何の日か調べてみたら、なかなかおもしろかった。




電池の日(+−を11に見立てる なるほどー!

配線器具の日(コンセントを||||と見立てる 
なるほどー見える見える!

介護の日(いい日いい日 ハートフル!

サッカーの日(11人対11人だから 
納得

下駄の日(||||を下駄の歯と見立てる うまい

ピーナッツの日(一つの殻に2つ入っているから ちょっとくるしくない?

鮭の日(つくりが十一十一だから 蛙はダメかい?

鏡の日(||||や縦書きの十一十一が、左右対称 他にもあると思う。

麺の日(麺を||||と見立てる。 うん、まあ。けどチヂレ麺とか・・・。

もやしの日(もやしを||||と見立てる。 ん、まあ。みえるかな・・・。

煙突の日
(煙突を・・・ しつこいなあ。

箸の日(・・・ しつこいって!

靴下の日(2足の・・・ もういい!

立ち呑みの日(4人が・・・ おいーっ!



さて、なかなか本題に入らなかったが、この日はまつさんと釣り行った。
先週、折角すてきな女性たちと遊びに行ったのに、今日はまつさんとの釣りだから、なんだかフリダシに戻るという感じである。
 まつさんは、以前にもまして胴回りに貫禄が出てきていたが、そのせいなのかなんなのか、数日前からぎっくり腰だそうで、車に乗るのもつらそうであった。まあ、だからといって、同情も何も感じなかったが。


いい天気だったんだけどなあ。

前置きが長いことでお分かりかと思うが、肝心の釣りの話は、数行で済むほど淡泊だ。
平日で釣り人もいなかったけれど、魚もいなかった。
晴天の気持ちの良い日差しの中だったけれど、魚はいなかった。
お気に入りのミノーを根がかりで一個なくしたけど、魚は1匹も釣れなかった。
まあ、そんな感じ。



十勝川温泉の田楽というラーメン屋さんで昼飯を食べて帰った。



魚は釣れなかったけれど、久しぶりにまつさんと楽しい話をしながら過ごせたので、満足だ。
車までの河畔林でエノキもたくさん採れたしね。
釧路に単身赴任している某釣り人が、最近帯広の家を売ろうかということをサイトに書いていたことが話題にあがった。

まつ     100万円で買いましょう。釣り道具付きで。ブリが届くという特典も付けて

まあきち  うん、いいねそれ。それはそうと、さらに帯広から遠のいちゃうね。


まつ      最近、遊んでくれないから、掲示板に『うさぎはさみしいと死んじゃうんだぞ』って書き込んどきますか


まあきち   ははは。







なんかねえ。まつさんとは、長い付き合いだけど、それでも遠慮して言わないこともあるんだよねえ。

けれど、がまんするのは体に悪いから、この時思ったことを

ここには書いておこ。








そんな太ったウサギがいるかぁ





エノキを採ったのでボウズ回避ってことにしよう。

11月3日(日) ナキウサギは穴の中で何を考えているかの考察

ナキウサギを見たいという女性2名を連れて山に登ることになった。
女性と言っても、前回や前々回のような、小学校以下の性別未分化女子ではなく、きちんとした大人の女性二人を連れての登山だ。

ここで問題となるのは、女性が2名に対し、男性がボクだけだということだ。
逆ドリカム、いや、逆いきものがかり状態の中、二人の女性がボクをはさんで奪い合い、嫉妬しあい、憎しみ合うようなことになってはいけない。
細心の注意で微妙なバランスを保ち、尚且つ、登山のエスコートをしつつ、ナキウサギにも会わせねばならないので大変だ。
ボクのせいで、長い間の彼女たち二人の友情にひびが入らないように、どちらか片方だけに親切にしすぎることなく、平等でジェントルに振舞うことを誓って、待ち合わせ場所に急いだ。

山は、下から見ると、頂上が雲の中に入っていた。
昼に頂上に着くと、幸い雪は降っていなかったが、霧雨と強風で、かなり過酷な状況であった。
それでも、1時間ほどすると徐々に天気が回復し始め、そうこうするうちに快晴になった。
肝心のナキウサギも、まあまあ機嫌良く相手をしてくれた。


風が弱まり、陽射しを浴びてのんびりする岩場は、やっぱり気持ちがいい。
ボクはいつの間にか、女性二人へのジェントル的平等サービス精神のことを忘れて、いつも通りゆったり自分勝手に岩場を楽しんでいた。




時折顔を出すナキウサギを見ながら、岩の上でボーっとしているナキウサギの生態について、我々は様々な推論を戦わせた。餌を採りに行くでもなく、彼らは何をしているのか?

有力であった「日向ぼっこ説」は、悪天候の中で出てきたナキウサギによって、消滅した。
逆に「我々人間を観察しているのではないかという説」は、彼らの視線が、必ずしもヒトを見ていないというから、可能性が低いとされた。


このように、餌を運ぶような行動なら分かりやすいのだが。


我々が導き出した、もっとも有力な説は、「罰ゲーム説」だ。
我々の前に姿を現すナキウサギは、穴の中で、何かの勝負(例えばじゃんけんのような)に負けた個体なのだ。負けた個体は、罰ゲームとして数秒ないし数分間、人間の前に姿を現せなければならないというわけだ。

この説が二人の女性のウチどちらから出されたのかは知らないが、長年ナキウサギを観察してきた私も大いに唸らされ、納得をした。そう考えるとつじつまの合う行動、思い当たる行動が山ほどあるのである(が、ここでは割愛させていただく)。

岩場の地下巨大空間(推測)に潜む何十頭(推定)ものナキウサギたちのほとんど唯一の娯楽が、あの岩の上の姿であったのだ。
パーで負けたら5秒間とか、チョキで負けたら2分間とか、グーで負けたら鳴き声も出さねばならないとか、そのあたりの詳細については、今後の観察で徐々に明らかになるはずであるが、この説は、今後、ナキウサギ学会に大きな波紋を呼ぶのではないか。


左の写真の左下にナキウサギがいる。右は彼女が撮った写真。こいつも罰ゲームなのだ。

夜は我が家で、楽しかった山の余韻に浸りつつ、楽天の日本一の瞬間を喜び合いつつ、大人の三角関係を楽しんだ。ボクは、女性二人ぐらいいっぺんに満足させられるのだなあと、わかりきったことを再確認しつつ、自分で作ったつまみでビールを飲んだ。
最高の1日であった。


行きは全く視界のなかった山道だったけれど、帰りは遠くまで見渡せた。



10月15日(火) パパと釣りにいける券

3連休は仕事だったが、火曜日はルンルンの平日休みだった。
けれど、下の娘と釣りに行く約束をしていたので、ルンルンは半減の、半ルンだ。

7月の彼女の誕生日の時、10枚の「●●してあげる券」をプレゼントした。
上の子が保育所の時にあげて好評だったので、下の子にも作ってみたのだ。
しかし、今日は使ってほしくないなあって時に、バシッと使ってくれるので、あげたことを後悔している。

そういえば、上の娘の時にも、プレゼント後にすぐ後悔したのだった。

本でもおもちゃでも、金で解決するプレゼントの方がずっとよい。
私の貴重な休みを、娘なぞに使うなんて・・・
(20歳くらいのかわいくて血の繋がっていない娘なら別だが)


と、5年前にも同じことを思ったはずなのに、学習せずに繰り返してしまった。

で、今回は「パパと釣りにける券」を、この貴重な平日休みに使わねばならない羽目になったわけだ。

それでも、上の娘とはこれまで何度か釣りに行ったり、先々週は一緒に山にも行ったりしているという親子のふれあいタイムに比べて、下の娘とは二人でどこかに行くということがこれまで少なかった。
だから、まあ、ともかく、色々と複雑なのだ。本音やら建前やら義理やら人情やら負い目やらでね。

5時起床は、私にとっては勤務日と変わらないが、娘にとっては早起きだ。
まして、最近は日が短くなってきており、その時刻では暗いので、
「こんな暗いうちから釣りに行くの〜♪」と、娘は起きるなりご機嫌だった。

お目当ての港は、いつものシシャモ漁港だ。
7時ごろ着いたが、釣り人が少なく、釣れているようではなかった。
「魚いないわー」
というおじさんのバケツには、小さなコマイが(ダジャレではない)が2匹入っているだけだった。
そこで粘ってもいいが、いつかのように、二人で4尾なんていうのも嫌なので、ちょっと足を伸ばして別の港へ行った。

何人か釣っているところで状況を聞いたり、バケツを覗いたりしたが、どうもパッとしない。
ただ、娘がすでに、「どうでもいいから早く釣りを始めようよ〜」という感じだったので、てきとうに場所を決めて、竿を出した。


ポカポカと穏やかな陽気で、娘も私も半袖で釣った。次の日は、積もるほど雪が降ったのに・・・。




小サバだが、娘にしたら大物だ。

しばらくすると、二本出した竿に同時にアタリがあり、いっぺんに5尾のサバが釣れた。
北海道でサバが釣れるとは思わなかったが、周りの人の様子は普通なので、普通に釣れるのだろう。
防波堤の上で、砂をまぶしたヌメヌメザラザラのサバをむんずと掴んでバケツに放り込む娘の様子を見て、近くの釣り人が感心していた(でも、私はイソメごときを気持ち悪がる娘に不満)。

午後2時までの間にポツポツと釣れて、最終釣果は、サバが約40尾、チカが2尾、コマイが10尾、ニシンが1尾、ウグイが数尾だった。

夕方家に着き、サバを捌いて(だから駄洒落じゃねえよ。じゃあ、他にどう言えってんだ。)、フライにしたり、干物にしたりした。



小さい魚を捌く出刃が欲しいと思った。鮭を捌く包丁じゃ、重くてね。

料理や干物の片づけが終わったのは、10時前だった。
楽しかったが大いに疲れた。

これまでに使った券はまだ3,4枚。こっそり、数枚抜き取って知らん顔をしていても気づくまいと、
「ねえ、他にどんな券がまだ残っているんだっけ〜?ちょっと見せて。」
と言ったら、
「ん、だめ、内緒。パパに捨てられないように、隠してある」
と、答えた。

うーむ。やるなあ。
下の娘も、ちゃくちゃくと成長しているなあと感じた夜なのである。


味醂干しと、普通の干物を作った。数日分のつまみができた。



全部、『ほんをよんでもらえるけん』にすれば良かった・・・。


10月5日(土) カメラ女子

水曜日に山本二三展を帯広美術館に見に行ったら、偶然、鹿追でネイチャーガイドをやっている知り合いに出会った。
懐かしかったので、帰ってから彼女のブログを見ると、然別湖の紅葉カヌーが見ごろだよっていうような記事が載っていたので、上の娘を誘って行ってみた。

午前中は然別湖でカヤックを漕ぎ、午後は近くの山に登った。
紅葉は思っていたほどではなかった。少し早いような気もするが、カヤックで近寄って見ると、すでに枯れているのもあって、見ごろ前だったのか後だったのか、今一つ分からなかった。
それでも、ところどころはとても美しかったし、そんな風景の中でのんびりとカヤックを漕ぐのは楽しかった。時折近づく遊覧船に乗っている人たちも、手を振る娘に、手を振り返してくれた。


今回は、ナキウサギ以外は殆ど全て娘の撮った写真にしてみた。

午後は、写真を撮りつつ、ゆっくりと山を歩いた。
今日は娘にも一眼レフを持たせてみた。
娘のカメラデビューである。
何も持たない時よりも、風景や自然のあれこれに対して注意深くなるようで、時折足を止めては、シャッターを切っていた。





途中の山道で見つけた人面は、自然のいたずらか登山者のいたずらか。





ナキウサギのガレ場では我々の他には、1人しかおらず、気を使うことなく過ごすことができたが、肝心のナキウサギがなかなか姿を見せてくれたなかった。

山を登っている最中には、暑くて半袖になるくらいだったが、だんだん気温も下がり、じっとナキウサギを待っているのには、上着を着ていても寒かった。
私の上着を貸しても寒がる娘の様子から、もうそろそろタイムリミットだなあと思っていたころ、比較的近い所にナキウサギが現れてくれた。
初めてみるナキウサギに彼女は感激していた。
その後、およそ10分間の間に2度3度隠れては現れるナキウサギを観察した後、ちょっと後ろ髪をひかれつつ山を下りた。


これは、私の撮った写真。


この写真にも色々と娘なりのこだわりがあるらしい。


帰り道、空の色が変わってきたので車を止めて撮影会をした。


美しい夕焼けだった。「山の上で見たかったね」と娘と話した。