(1):.NET〜IntelliSense


.NET(ドット・ネット)

 米Microsoftが2000年6月に発表したシステム・アーキテクチャ。ネットワーク上のWebサーバー同士やクライアントが,SOAP(Simple Object Access Protocol)プロトコルを通じて連携する。.NETの中核となるのがアプリケーションの共通動作基盤である .NETフレームワークである。.NETフレームワークは,さまざまなプログラミング言語で作られたプログラムが動作する実行環境「CLR(Common Language Runtime)」を提供する。

C#SOAPXMLWindows DNA


3階層型システム(3-tier system)

 クライアント/サーバー・システムを,(1)クライアント,(2)アプリケーション・サーバー,(3)データベース・サーバーという三つの階層で構成すること。アプリケーションのロジックをクライアント側ではなく,(2)のサーバー側に持たせるのがポイント。クライアントとデータベース・サーバーだけからなる2階層型システムに比べて,クライアントの負荷が軽くなる,アプリケーションの配布が容易になるなどのメリットがある。

クライアント/サーバー・システム


Active Directory

 Windows 2000 Server以上が標準搭載するディレクトリ・サービス。ネットワーク・リソースを一元管理するために使う。Windows NT 4.0のドメインと比較すると,(1)ユーザーやネットワーク・プリンタなどの各種リソースをOrganizational Unitと呼ぶ単位で階層的に管理できる,(2)複数のドメインを階層化し,その間に信頼関係を結ぶことができる,といった特徴を持つ。アプリケーションからは,ADSI(Active Directory Service Interfaces)やLDAP(Lightweight Directory Access Protocol)を使ってアクセスする。

ADSI


ActiveXコントロール

 米Microsoftが1996年3月に発表したWindows環境におけるコンポーネント(ソフトウエア部品)仕様,および同仕様で実現したコンポーネント。同社が以前に発表したコンポーネント仕様OCXを,インターネットを介して利用できるように機能を拡張したもの。Microsoftのオブジェクト間通信規約COM(Component Object Model)をベースにしている。Visual Basicなどを使ったWindowsアプリケーションの開発時や,Internet Explorer上でWebアプリケーションを実行する際などに,さまざまな機能を取り込むために利用する。

COMJavaBeansOCXコンポーネント


ADO(ActiveX Data Objects)

 米Microsoftが開発したデータ・アクセス用コンポーネント。同社の提唱する汎用データ・アクセス・インタフェース仕様OLE DBをベースにしている。RDB(リレーショナル・データベース)だけでなく,スプレッドシートや電子メールなどのデータ形式も操作できる。スタンドアロンからネットワークまで幅広い運用に適しており,従来のDAOやRDOなどのデータ・アクセス手法は,今後ADOに統合される予定。

DAOODBCOLE DBRDBRDO


ADSI(Active Directory Service Interfaces)

 Windows上でアプリケーションがディレクトリ・サービス(ネットワーク・リソースを一元管理するための機能)を利用するためのインタフェース。米Microsoftが開発した。Active DirectoryやWindows NT 4.0のドメイン,米NovellのNDS(Novell Directory Services)などさまざまなディレクトリ・サービスを統一的に扱える。COM(Component Object Model)コンポーネントとして実装され,Visual Basic,C/C++,VBScriptなどの言語から利用できる。

Active Directory


Apache

 UNIX,Linux,FreeBSDなどで動作するHTTPサーバー・ソフトウエア。「アパッチ」と発音する。無償で使用でき,世界でもっともよく利用されているHTTPサーバーと言われている。米Illinois大学Urbana-Champaign校のNCSA(National Center for Supercomputing Applications)が開発したhttpd(HTTPデーモン)をベースにしたソフトで,1995年4月にApache 0.6.2として初めて公開された。Apacheの開発はThe Apache Groupが担ってきたが,現在は非営利団体のThe Apache Software Foundation(http://www.apache.org/)がその活動を引き継いでいる。

FreeBSDHTTPIISLinuxUNIX


API(Application Programming Interface)

 アプリケーション・プログラムを作る際に利用するインタフェース(接点)のこと。通常は,OSやミドルウエアが開発ツールに対して提供する関数群,およびそれらの名前,処理の内容,引数と戻り値などの情報を規定したものを指す。例えばWindowsでは,Windows 95以降は「Win32 API」(Windows APIの32ビット版)と呼ぶAPIを提供しており,Visual C++やVisual Basicなどの開発ツールから利用できる。

Visual BasicVisual C++Windows API


ASP(Active Server Pages)

 米Microsoftが開発したWebアプリケーション実行環境。Webサーバー上で動的にHTMLコードを生成したり,データベースに接続する機能を備える。アプリケーション・プログラムはVBScriptなどのスクリプト言語で記述し,トランザクション処理やセッション管理もサポートする。スクリプトで対処できない複雑な処理はActiveXコントロールを利用する。おもにIIS(Internet Information Services)やPWS(Personal/Peer Web Server)など同社のWebサーバー環境上で動作する。

ActiveXコントロールADOHTMLIISPWSVBScript


ATL(Active Template Library)

 米Microsoftが開発した,COM(Component Object Model)コンポーネント作成用のC++ライブラリ。C++のテンプレート機能を利用しているため,ファイル・サイズやメモリー消費量の小さいコンポーネントを作成できるのが特徴。Visual C++に付属するクラスライブラリMFC(Microsoft Foundation Classes)は,豊富なGUI表示機能を持つ半面,作成したコンポーネントのサイズが大きくなりがちで,サーバー・コンポーネントやインターネットからダウンロードして使うためのActiveXコントロールの作成には向いていない。そこで軽量なコンポーネントの開発を目的として,1996年にATL 1.0が登場した。現在のバージョンは3.0で,Visual C++ 6.0などに付属する。

ActiveXコントロールGUIMFCVisual C++


AWT(Abstract Windowing Toolkit)

 JavaのGUI部品を集めたライブラリのひとつ。JDKの一部として提供されており,
import java.awt.*;
import java.awt.event.*;
のように読み込んで利用する。
 C++のクラスライブラリなどと比較すると,OSに依存しない形でGUIを作成できる点が画期的と言える。ただし,提供する部品の多くが,OSが標準で備えているGUI部品(Windowsのコントロールなど)の機能を利用しているため,ルック・アンド・フィールがOSに依存する,きめ細かい制御ができない,などの問題がある。Java2の登場以来,GUI部品としてはSwingのほうが主流になりつつある。

GUIJavaJDKSwing


BASIC

 プログラミング言語のひとつ。1964年に米Dartmouth Collegeで開発された。Beginner's All-purpose Symbolic Instruction Codeの略なので,もともとはすべて大文字で表記する。8ビット・パソコンのほとんどがROMにBASICインタプリタを搭載していたため,特に70年代半ばから80年代初頭にかけて広く使われた。米Microsoftが91年に投入したBASIC開発環境の「Visual Basic」は,Windowsの開発ツールとして多くのプログラマに利用されている。

Visual Basicインタプリタ


C

 プログラミング言語のひとつ。米AT&TのBell研究所(当時)で開発され,1978年にBrian W. KernighanとDennis M. Ritchieが「プログラミング言語C」という書籍を著して仕様が確定した。その後,88年にANSI(American National Standards Institute)が新しいC言語の仕様を承認した。これらの仕様はそれぞれK&R C,ANSI Cと呼ばれる。ANSIとISO(国際標準化機構)は,99年に仕様の改訂を行った(C99と呼ばれる)。
 C言語の最大の特徴は「比較的“低水準”」(前掲書)であることだ。結果としてコンパクトで移植がしやすく,多くのコンピュータ上で利用できるようになった。アプリケーションにとどまらず,OSやデバイス・ドライバなどのプログラミングにも使うことができる。UNIXがCで書かれたことも,Cの普及に寄与したとみられる。

C++UNIX


C#(シー・シャープ)

 米Microsoftが,.NETに合わせて新たに開発したプログラミング言語。Windowsアプリケーション,Webアプリケーション,Webサービスなどを効率的に開発できる。ポインタを使用しない利用法が推奨されている,メモリーを自動管理するガーベジ・コレクション機能を備える,.NETの実行環境が持つJIT(Just in Time)コンパイラを使うなど,言語的特徴はJavaに似ている。

.NETJava


C++

 C言語を拡張して,オブジェクト指向プログラミングができるようにした言語。ベースとなったC言語のメリットを損なうことなく,オブジェクト指向プログラミングを導入したことが特徴。C++ベースの開発ツールは,基本的にCのプログラムもC++のプログラムも作成できる。
 米AT&TのBell研究所(当時)が1980年に開発し,83年に「C++」(シープラスプラス)と名付けた。85年にはBjarne Stroustrupが「プログラミング言語C++」を著した。

Cオブジェクト指向クラス


CASE(Computer Aided Software Engineering)

 ソフトウエア開発の分析/設計作業を支援する技術の総称。この技術を利用した開発ツールをCASE(「ケース」と読む)ツールと呼ぶ。要求分析や基本設計などのソフトウエア開発の上流工程を支援する上流CASEツールと,詳細設計や画面設計からデータベースのスキーマ情報やソースコードを自動生成する下流CASEツールに分かれる。両方の工程をカバーするツールは統合CASEツールと呼ぶ。

ER図


CGI(Common Gateway Interface)

 HTTPサーバー・ソフトウエアが他のプログラムを呼び出すためのインタフェース(接続規約)。例えばWebブラウザに「aaa.cgi」のようなURLを入力してHTTPサーバーにアクセスすると,HTTPサーバーはaaa.cgiを実行し,その結果をWebブラウザに戻す。この機構を使うと,HTMLドキュメントに情報を記入してボタンを押し,記入した情報をプログラムに与えて何らかの処理をさせるようなWebサイトを作ることができる。

ASPHTTPPerlSSI


COBOL

 プログラミング言語のひとつで,Common Business Oriented Languageの略。メインフレームの事務処理プログラムなどで利用されている。ファイル操作やレポート作成機能などを備える。パソコンにも移植され,オブジェクト指向技術を導入したCOBOL(OOCOBOL)も登場している。ただし,COBOL自体が新規システム開発に使われる機会は減ってきている。

BASICC


COM(Component Object Model)

 米Microsoftが提唱するオブジェクト(ソフトウエア部品)間の通信規約。「コム」と読む。オブジェクト同士は,オブジェクトが実装しているメソッドの集合(インタフェース)を使って,互いの機能を利用する。プログラミング言語には依存せず,C/C++,Visual Basic,Javaのいずれを使っても記述できる。ActiveXコントロールも,COMの仕様に準拠したコンポーネントである。

ActiveXコントロールCOM+ORB


COM+

 COM(Component Object Model)/DCOM(Distributed COM)を発展させたコンポーネント仕様。「コムプラス」と読む。1997年9月に米Microsoftが発表した。COMの機能に加え,トランザクション管理やメモリー管理などを新たにサポートし,特にサーバーでコンポーネントを取り扱いやすくしたのが特徴。Windows 2000でサポートされた。

COMDCOM


CORBA(Common Object Request Broker Architecture)

 オブジェクト技術標準化団体の米OMG(Object Management Group)が策定している分散オブジェクト環境におけるインタフェース仕様。「コルバ」または「コーバ」と読む。オブジェクトはORB(Object Request Broker)を使って通信し,異なる仕様のORBとはIIOP(Internet Inter-ORB Protocol)を使って接続する。同種の仕様に米MicrosoftのDCOM(Distributed Component Object Model)があるが,CORBAはさまざまなベンダーが業界標準の技術として支持している点が異なる。

DCOMORBRMI


DAO(Data Access Objects)

 Visual Basic 3.0(日本語版では4.0)から搭載されるようになったデータベース接続用のコンポーネント。主にスタンドアロン環境におけるローカル・データベースの操作を対象としており,ネットワーク環境での利用には向いていない。データベース処理プログラムのJetエンジンを通して,Access形式(拡張子は.mdb)のファイルに接続する。今後はADOに統合される予定。

ADOJetエンジンODBCRDOVisual Basic


DCOM(Distributed Component Object Model)

 オブジェクト間通信規約であるCOM(Component Object Model)を,ネットワーク上に拡張したもので,米Microsoftが提唱している。「ディーコム」と読む。かつてはネットワークOLEと呼ばれていた。ネットワーク上の別マシンにあるCOMオブジェクトを呼び出すときに利用される。Windows NT 4.0以降はOS標準の機能となったほか,UNIXへの移植も進んでいる。同種の仕様にCORBA(Common Object Request Broker Architecture)がある。

COMCOM+CORBA


Delphi

 ボーランドのWindows用開発ツール。「デルファイ」と読む。正式には米Borland Softwareの社名を付けて「Borland Delphi」という。言語仕様はPascalにオブジェクト指向を取り入れたもの(Object Pascal)で,最初のバージョンは1995年にWindows 3.1用に製品化された。Visual Basicと似たグラフィカルな開発が可能で,プログラムの配布時に別にランタイムを配る必要はない。

PascalVisual Basicオブジェクト指向


DHTML(Dynamic Hypertext Markup Language)

 Webブラウザ上で動的にレイアウトを変更する,アニメーションを表示するといったHTMLの機能を拡張する技術の総称。Dynamic HTMLという標準化された技術があるわけではない。Webブラウザによって,実装形態が若干異なる。主に,コンテンツを定義するHTML,レイアウトを定義するスタイルシート,HTMLやスタイルシートをコントロールするスクリプトの三つの要素から構成される。

HTMLXMLスクリプト言語


DirectX

 ゲーム・プログラミングなど,マルチメディア・データを扱うためにWindowsが用意しているAPI仕様の総称。「ダイレクトエックス」と読む。3Dアクセラレータなどのハードウエアの機能を活用して,高速なアプリケーションを開発できるのが特徴。
 2001年7月時点の最新版であるDirectX 8.0aは,(1)2D/3Dグラフィックス描画用のDirect Graphics,(2)WaveやMIDIなどのサウンド・データを扱うDirect Audio,(3)ゲーム用入力デバイスを制御するDirectInput,(4)通信機能を提供するDirectPlay,(5)動画やMP3ファイルなどの再生やキャプチャを行うDirectShow,などのコンポーネントで構成されている。

APIGDI


DLL(Dynamic Link Library)

 実行時にリンクするライブラリのこと。Windowsではファイルの拡張子として「DLL」を使う。プログラムは普通,ソースコード編集→コンパイル→ライブラリのリンク,という作業手順で作られる。このリンクをスタティック・リンクと呼ぶ。これに対して,プログラムを実行する時にリンクすることをダイナミック・リンクと呼ぶ。DLLはこのダイナミック・リンクによってアプリケーションとリンクされるライブラリである。
 ダイナミック・リンクの利点は,プログラムを小さくしてディスクの消費や実行時のメモリー消費を抑えられることだ。Windowsがプログラムに対して提供するAPIの多くは,DLLの形で実装されている。

APIWindows APIスタティック・リンクリンク


DOM(Document Object Model)

 アプリケーション・プログラムなどからXML(Extensible Markup Language)文書を操作するためのインタフェース仕様。標準仕様を策定している団体であるW3C(World Wide Web Consortium)が,1998年10月にDOM Level 1を,2000年11月に追加仕様であるDOM Level 2を,それぞれ勧告した。

XHTMLXML


DTD(Document Type Definition)

 XML(Extensible Markup Language)文書の各要素の親子関係や要素名,属性などを定義するもの。DTDを使うと,XMLプロセサがXMLドキュメントの整合性を検査できるようになる。ドキュメントの仕様を統一したい場合などに用いる。XMLドキュメントに不可欠というわけではない。XMLドキュメントの内部に直接記述することも,別ファイルにまとめておくこともできる。DTDの情報に基づいて検査されたXMLドキュメントを特に「検証済みXML文書(Valid XML Document)」と呼ぶ。

XML


EJB(Enterprise JavaBeans)

 Javaのコンポーネント仕様JavaBeansをサーバー側で使えるように拡張したもの。「イージェービー」と発音する。EJB対応のソフトウエア部品(Bean)は,Enterprise BeanやEJBコンポーネントなどと呼ばれる。これを使ってビジネス・ロジックをコンポーネント化すれば,いろいろなJavaプログラムから共有できる。Beanを実行するには,トランザクションやセキュリティ管理を行うEJBコンテナを装備したアプリケーション・サーバーが別途必要になる。

JavaJavaBeansアプリケーション・サーバー


ER(Entity-Relationship)図

 ソフトウエア開発の上流設計で用いられるモデリング図。ある事象を「エンティティ(実体/存在)」や「リレーションシップ(関係)」を使って表現する。例えば列車輸送なら「列車(エンティティ)は乗客(エンティティ)を輸送する(リレーションシップ)」という関係になる。ER図を作成することで,RDB(リレーショナル・データベース)のテーブルやフィールドなどのデータ構造を詳細に設計できるようになる。

CASERDB正規化


EXE

 MS-DOS/Windowsにおけるプログラム実行ファイル形式のひとつ。executable(実行可能)が語源なので「イグゼ」「エグゼ」などと発音する。MS-DOS/Windows用実行ファイルにはBAT,COM,EXEの3種類があるが,その中で現在もっともよく使われている。MS-DOS/Windowsではプログラムを書いた後にコンパイル/リンクし,最後にEXE形式の実行ファイルを作ることが多い。

コンパイラリンク


FORTRAN

 プログラミング言語のひとつ。「フォートラン」と読む。「Formula Translation」(数式翻訳)が語源で,主に科学計算に利用される。ビジネス用のCOBOLと並び,高級言語(機械語やアセンブリ言語よりも高級,という意味)として長い歴史を持つ。

COBOLアセンブリ言語


FreeBSD

 オープン・ソースのUNIX互換OSのひとつ。「フリービーエスディー」と発音する。BSDは米California大学Berkeley校が配布したUNIX「Berkeley Software Distribution」に由来している。
 FreeBSD 1.0は,1993年12月にCD-ROMとネットワークで配布された。その後,当時UNIXの権利を持っていた米Novellとの係争後,94年12月に中核部分を置き換えたFreeBSD 2.0を出荷した。Linuxほどの注目は集めていないが,その性能や扱いやすさによってインターネット・プロバイダなどから広い支持を得ている。

LinuxUNIXオープン・ソース


FTP(File Transfer Protocol)

 TCP/IPネットワークでファイルを転送するために用いるプロトコル(通信手順)。あるコンピュータでFTPサーバー・ソフトを,別のマシンでFTPクライアント・ソフトを動かすと,その2台の間でファイルの転送が可能になる。FTPクライアントの機能を備えるWebブラウザも多い。

TCP/IP


GDI(Graphics Device Interface)

 Windowsが標準で備えるグラフィックス表示用のインタフェース。ディスプレイとプリンタといったデバイスの違いや画面色数などの違いを吸収する機能を備える。プログラマは,GDIを使うことでデバイスや環境による描画機構の違いを意識せずにアプリケーションを開発できる。ただしシステム側のオーバーヘッドが大きくなるので,ゲームのような速度重視のアプリケーションには向かない。そこで,パフォーマンスを重視して開発された仕様がDirectXである。

DirectX


GNU

 非営利団体の米FSF(Free Software Foundation)による,フリーソフト開発プロジェクトまたは開発されたソフトウエアの総称。「グニュー」と読む。UNIX用エディタ・ソフトemacsの開発者Richard Stallmanが率いる。GCC(GNU Compiler Collection)などが代表的なソフトウエア。ソースコードの入手/改変/配布を自由にするライセンスGNU GPL(GNU General Public License)はLinuxやオープン・ソースに大きな影響を与えている。

LinuxUNIXオープン・ソース


GUI(Graphical User Interface)

 画像を用いた操作環境のこと。「ジーユーアイ」または「グイ」と読む。文字でコマンドを打ち込んで操作するのではなく,絵を見てそのどこかをポイントする(指す)ことで操作する。1984年に米Apple Computerが発売したMacintoshが,GUIを採用した製品の代表例。MS-DOSの拡張として登場した米MicrosoftのWindowsも,GUIを採用している。


GUID(Globally Unique Identifier)

 COM(Component Object Model)インタフェースなどの識別に利用する128ビットの識別子。ネットワーク・ボードのMAC(Media Access Control)アドレスや作成時刻などから生成され,名前の通り世界で唯一であることが(ほぼ)保証される。

COM


HTML(Hypertext Markup Language)

 SGML(Standard Generalized Markup Language)をベースに実現したWebページ記述用の言語。標準仕様はW3C(World Wide Web Consortium)が策定している。HTMLを使ったファイルはテキスト形式で「<」と「>」で囲まれたタグを使って,文章や画像,他のページなどへのリンク(ハイパーリンク)などを表現する。HTMLファイルをHTTPプロトコルを使って配信するのがWebサーバー,HTMLファイルのデータを表示するのがWebブラウザである。

DHTMLHTTPSGMLW3CXML


HTTP(Hypertext Transfer Protocol)

 WebサーバーとWebブラウザ間で,HTMLファイルなどの情報をやり取りするための通信プロトコル。TCP/IPの上位に位置する。セキュリティ機能を向上させたSecure HTTPという規格もある。

HTMLTCP/IPW3C


IDE(Integrated Development Environment)

 コード・エディタやデバッガ,コンパイラ,フォーム作成ツールなど,ソフトウエア開発に必要なツールやユーティリティを備えた統合開発環境。Visual BasicやDelphiなどのビジュアル開発ツールはIDEを標準装備している。

DelphiVisual BasicVisual C++


IDL(Interface Definition Language)

 COM(Component Object Model)やCORBA(Common Object Request Broker Architecture)などを使った分散オブジェクト環境において,オブジェクトがどのようなインタフェースを実装・公開しているのかを定義するための言語。CORBAのIDLはC言語に似た仕様を備える。

COMCORBAオブジェクト指向


IIS(Internet Information Services)

 米Microsoftが開発したWindows 2000/NT専用のWebサーバー・ソフトウエア。ASP(Active Server Pages)を使ったWebアプリケーション環境のベースともなる。プログラミング用インタフェースとして,ISAPI(Internet Server Application Programming Interface)を備える。以前はInternet Information Serverと呼んでいた。

ASPPWS


INIファイル

 Windowsおよびアプリケーションが各種の設定情報を保存するためのテキスト・ファイル。「イニ」ファイルと読む。例えばWindows 3.1ではWIN.INI,SYSTEM.INIという二つのINIファイルに設定を保存していた。アプリケーションが独自に専用のINIファイルを作成して,そこに設定を保存することもできる。Windows 95以降はレジストリを備えるため,INIファイルの利用頻度は低下した。それでもファイルの閲覧や編集が容易なため,INIファイルを使用するプログラマは少なくない。

レジストリ


IntelliSense

 マイクロソフトの開発ツールでソースコードの入力を支援する機能。「インテリセンス」と読む。Visual Basicは5.0から,Visual C++は6.0から装備している。プロパティやメソッド名を入力するときに,そのコードで実装可能なプロパティ一覧などをリストボックスに表示し,ユーザーが選択できるようにする。これにより,ミスタイプや不適切なプロパティの設定を防ぐことができる。同様の機能はボーランドのDelphiやC++Builderなども装備している。

Visual BasicVisual C++


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