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永遠の約束

作:美月 倫さん


俺は、ダグラス・マクレイン。聖騎士になる為に、ここ、ザールブルグに来た。
しかし、聖騎士になったはいいが、この所、門番ばかりしている。はっきりいって、
「暇だ、な。・・・ふぁあああ。」
声に出していってみると、さらに暇に感じる。ん!?い、いやーな気配が・・・うしろか?!
「ほう・・・暇か、ダグラス。それなら、エルフィールの所にでも、使いに行ってもらおうか。」
「げっ!!エ、エンデルク隊長!」
うそだろぉー、隊長が聞いてたなんて!嫌な予感がしたんだよなぁ・・・。
「ではダグラス。エルフィールから、大至急!フラムを5つ手に入れてくるように!」
げぇー!ちぇっ・・・めんどくせぇな。
「何か文句があるか?ダグラス!?」
ひぃぃぃぃ!血管がういてるぞ・・・。これは早めに行ったほうが良さそうだなぁ。
「い、行ってきます!」
俺は、すぐに街へと駆けていった。ったく・・・あのおっさん、人の心でも、読めるのかよ・・・?
「まったく・・・この街は平和過ぎるんだよなぁ・・・俺の剣も錆びちまうぜ・・・。」
そんな事をぶつぶつ言いながら、俺はエルフィールの店(通称「エリーのアトリエ」)を目指した。

ドンドン!!ドンドン!!!
俺は何度もドアを鳴らした。あれ?返事がねぇな・・・。まったく・・・寝てるのかよ?
「おい!エリー!入るぞ!」
うぉっ!!あぶねぇ!何か踏んづける所だったぜ・・・ってこれは、妖精!?
「・・・・・・ひっく・・・ひっく・・・あれ?・・・ひっく・・・ダグラスお兄さん?・・・」
泣いてるのか?なにかアトリエん中も暗いし・・・なんか変だな・・・。
「おい、妖精?エリーはどうした?なんで泣いてるんだ?第一なんでこんなに暗くしてんだよ?」
「ひっく・・・お兄さん・・・そんなにいっぺんに聞いてもわかんないよぉ・・・。」
そうだな・・・と思い、俺は聞き直した。
「じゃあ、妖精?エリーはどこへいったんだ?」
それを聞けば一発だろうな。俺って、頭いいな!
「ひっく・・・お兄さんーーー!!お姉さんを助けて下さいー!!
お姉さん・・・?ああ!エリーは妖精どもにこう呼ばれてるんだったな・・・って!!助けろだぁ?
「どういうことだ!?妖精!初めっから説明しろ!!」
「それが・・・昨日の夜僕たちが仕事をしていると、なんか柄の悪そうな人が入ってきたんです。・・・それで、その人たちが・・・」


=昨日のエリーのアトリエにて=

「はーい!あいてまーす!」
「・・・・・・・邪魔するぜ・・・」
その、「柄の悪い人」が来たらしいな。まったく、エリーも少しは確認しろよ・・・。
「あなた・・・誰ですか!?・・・もしかして・・・!!」
「そうだ、俺たちゃこの辺を荒らしまわってる盗賊だ。言う事を聞けば危害は加えねぇ。おとなしくしな。」
この言い方・・・もしかしたら・・・?いや、まだ確信は持てねぇな。
「・・・・用件は何でしょうか・・・?・・・妖精さん達は上に行って!」
「率直に言わせてもらおう。ここにある爆弾をありったけわたしな、無償でな。」
爆弾だと?!何に使う気なんだ、そいつら・・・?

「冗談!笑わせないで!絶対に渡さないわ!」
エリーらしいぜ・・・少しは引くってもんを考えろよな・・・。
「ほう・・・命が惜しくねぇのか・・?じゃあ来てもらうとするかな・・・。」
「・・・私はこれでも武闘大会優勝者よ・・・そっちこそ、命が惜しかったら、逃げなさいよ・・・。」
こえぇー!!でも、まあそのとおりだったもんな(泣)
「ダグラスを倒したってのは本当らしいな。でもこの人数を見ても、そんな大口が叩けるかな・・・・?」
・・・俺を知ってる・・・まさか、本当に・・・?
「・・・・・・!!そんな・・・。くっ・・・どうしよう・・・」
「やっちまえ!傷つけずに捕まえろ!」
「きゃああっ!!!このぉ!うにぃ!メガクラフト・・・・?」
「お頭!気絶させましたぜ!どうします?」
「アジトに連れて行く。その女、連れてこい・・。」


「・・・と、言うわけなんです・・・ひっく・・・それで、このメモが残されてて・・・。」
俺は、メモを渡されたが、その盗賊の事を考えていて、頭がいっぱいだった。
「お兄さん?・・・・聞いてますか?それで、僕、僕・・・」
大丈夫だ、と一言俺は妖精に言い聞かせ、考えをまとめたので、メモを見る事にした。
それには、俺の見覚えのある字でこう書かれていた。


=メモ=

ダグラス、久しぶりだな。勘のいいお前の事だ、俺には気づいてんだろ?
お前も腕のいい錬金術師を恋人に持ったもんだな・・・。この女は、おれたちが連れて行く。
とり返したければ、へーベル湖の例のアジトに来い。こっちも皆揃って、お前を待ってる。
皆殺気だってるからな・・・早くこねぇと、エリーとか言う子、あぶねぇぜ。


「・・・・・・エリー・・・。・・・妖精!!エンデルク隊長にこのメモを見せて、昨日の事を話しに行け! 俺が、助けに向かった事も伝えろ。いいな?」
俺は、妖精がうなずいたのを確認し、アトリエを走り出た。
「(エリー・・・待ってろ・・・)」
俺は城門で、早馬を借りへーベル湖へ向かった。


====妖精さんINジグザール城====

「ここかなぁ?・・・エンデルク様ーーーー!!」
僕が叫ぶと、大きな人が出てきました。ダグラスお兄さんと、おんなじ格好してる!この人だ!!
「エンデルク様ですか?」
「そうだが・・・エルフィールの所の妖精か?どうかしたのか?」
僕はすぐにお姉さんの事と、お兄さんの事を伝えました。エンデルク様は笑って、こう言いました。
「そうか・・・。ありがとう。アトリエに帰っていなさい、後は大丈夫だ。」


「(エリー、エリー!!くそっ・・・俺が街にいたってのに・・・こんな・・ちくしょう!)」
俺は、そんな事ばかり考えながら、へーベル湖についた。嵐の前のように、静かだった。
あそこか・・・俺のみたほうには、1軒の小屋があった。・・・あいつらしい小屋だな・・・。
バン!!
「俺はこうして来たぞ!早くエリーを返せ!」
小屋の中には、俺を見ている30人ばかりの男がいた。その真ん中にはあいつがいた。
あいつの頬には俺が3年前つけてやった剣の傷があった。やっぱりあいつだったんだな・・・。
「久しぶりだな・・・ダグラス。血相かえて王子様きどりか?立派になったもんだな。」
「・・・・・・エリーを返せ!もう1度その顔に傷をつけられてぇのか?」

あいつの横には気絶しているエリーがいた。
「血の気の多さだけは変わってねぇな。ほいほいと俺がこの女を返すとでも思ったのか?おめでたい奴だ。」
「何だと・・・?!返せってんだよ!」
俺は頭に血が上っていて、全く状況判断ができなかった。周りの事を考えずに、突っ込んでいってしまった。
「ふっ・・・おい、おまえら、捕まえろ!気絶させんなよ!」
「はい!お頭!」
あいつは手下どもに命令して、俺を捕らえた。
「おとなしくしろ!」
「くっ・・・・・!!!ちくしょう!放せ!!」
俺が必死に抵抗しても全然びくともしない・・・前とは違い、強くなっているようだ・・・。
あっという間に俺は縄で縛られてしまった。くそ!これじゃあ、いつもの練習が何なのかわかんねぇよ!

「・・・・・・・・・・・・・・ん・・・?ダ・・・グラ・・・ス・・?」
!!エリーが目を覚ました。俺を見てきょとんとしてるぜ・・・。
全く・・・自分の置かれた状況を確認しろよ・・・。
「お・・・目を覚ましたようだな・・・ちょうど良かったぜ・・・。なぁダグラスよぉ・・・。俺らはお前に3年前の恨みを持ってるって事は分かるよなぁ?そのお前の女がここにいる・・・。どうなるか、お前なら想像がつくだろ?・・・お前らも恨みは晴らしたいよな?!」
「もちろんですよ、お頭!!」
あいつの問いに30人ばかりの男達は声をそろえて答えた。

「だとよ・・・悪いな・・・嬢ちゃん。」
「何だと!!エリー!!にげろ!!」
俺が必死に言ってるのに・・・エリーはまだ呆けてやがる・・・。あの馬鹿!!
エリーがぼけっとしてるうちにあいつはエリーの顎に手を掛けた。そして唇を近づけていった。
「え・・・・?きゃああああ!!やだ!!
エリーの奴・・・今ごろ気づきやがって・・・。
「しずかにしてな、嬢ちゃん。すぐ済むからよ・・・。恨むんなら、ダグラスを恨めよ・・・。」
「嫌!!!!ダグラスーーーーーーーー!!!!助けて!!!」
エリーの悲痛な声に、自分でも無意識のうちに俺はきれた。
「エリーーーーーー!!うぉおおおおおお!!!」
一瞬の出来事だった。俺は無我夢中であいつらを倒していた。気づいたら、エリーを抱きしめていた。

「ダグラス・・・ありがとう・・・来てくれて嬉しかった・・・。」
エリーは俺のせいなのに一言も俺を責めなかった。
「エリー・・・ごめん・・・ごめん本当に・・・俺が守ってやんなきゃだめだったのにな。俺のせいで・・・。」
「ダグラスのせいじゃないよ・・私が軽率な行動をしただけ。だから、もうそんな顔しないでよ・・ね?」
俺はいつの間にか泣きそうな顔になっていたらしい。情けねぇな・・・。
「俺・・お前の事が好きだ。もう、こんな事が無い様に・・ずっと守っていく。ついてきてくれるか?」
エリーは何も言わずに、俺に口付けをした。その後、はっきり、言った。
「私はダグラス以外の誰にも守られたくないよ・・・もう、放さないでね・・・。」

その後、俺達はザールブルグに帰ってきた。エンデルク隊長に怒られやしないかと内心びくびくしていた。
「ダグラス!」
「はい!!」
つ、ついに説教か?と思いきや隊長は全く逆の事を話した。
「良く帰ってきた。今回の功績を認め、お前を今日から副隊長にする事となった。」
「ほ!本当ですか!?隊長!!やった!」
隊長はそんな俺に少し微笑みながら、うなずいていた。
「そのぶん、訓練もきつくなるからな!覚悟しておけよ!」
俺は隊長が後ろで何か言っていたが、ほとんど聞かずに走り出していた。
もちろん彼女にこの事を報告する為に。


=====あとがき=====

はぁ・・・上達しませんね。結局またダグエリです。書きやすいんですよ・・・。
終わり方もなんだかしっくりこないですね。1,2作目よりは時間かかったんですけどね。
誰かリクエストでもしてくれませんかねぇ?そしたらもっと書きやすそうで。
ってことで!リクエスト受付まーす!詳しくリクエストしてもらえるとありがたいです。
たとえば「ダグエリ」だけではつらいんですよ。じゃあ!キーワードは3つ以上で!
かってに宣伝してますけどいいでしょうか?あはは・・・。
それでは!つまんない文章ですけど、見捨てないでくださいね!

(このお話には、“前日譚”があるらしいですよ。楽しみだね by ピコりん)


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